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米国農務省、日本からの骨なし牛肉のホールカットの輸入に関する規則の改正を提案 『在日米国大使館』
http://www.asyura2.com/0505/gm11/msg/311.html
投稿者 World Watcher 日時 2005 年 8 月 29 日 14:59:55: DdDUJ9jrxQIPs
 

2005年8月16日

ワシントン

 米国農務省の動植物検疫局は本日、特定の条件の下での日本からの骨なし牛肉のホールカット(注)の輸入を認め、肉とその他の食用動物製品の輸入に関する規則の改正を提案すると発表した。この規則改正案で、米国は引き続きBSE (牛海綿状脳症) の侵入を防ぐ。

注=骨なし牛肉ホールカットについてはPDFファイル(http://www.aphis.usda.gov/lpa/issues/bse/05-004-1.pdf)で4ページの脚注を参照。

 2001年9月、日本で生まれた牛にBSEが確認され、動植物検疫局は日本からの反すう動物とほとんどの反すう動物製品の輸入を禁止した。先ごろ、日本は動植物検疫局に日本からの牛肉輸入の再開を検討するように要請した。この改正案はさらに、BSEが発見された国との安全な動物製品の貿易に関して国際獣疫事務局(OIE)が設定した国際ガイドラインに基づいている。

 動植物検疫局と米国農務省の食品安全検査局はこの要請に対して、日本からの骨なし牛肉のホールカットの輸入にあたってのリスクを評価し、BSEに関する広範な研究を検討して回答した。動植物検疫局は動物の健康への影響を検証して徹底的なリスク解析を行い、一方で、食品安全検査局は、人間の健康を確保するための連邦政府の検査法に基づいて、日本の検査システムが引き続き同等で条件を満たしていることを検証するために審査を行った。リスク解析に基づき、動植物検疫局と食品安全検査局は、一定の条件が満たされれば日本から骨なし牛肉のホールカットの輸入の禁止を続ける必要はないと判断した。

 規則改正案は、以下の条件を満たせば日本で生まれ、飼育され、と畜された牛の骨なし牛肉のホールカットの輸入を許可することになる。

牛肉は連邦食肉検査法(FMIA) のもとで、米国に製品を輸入する資格のある施設で処理されたものであること。この条件には枝肉から特定危険部位(SRM)を完全に取り除くこと、食用製品から分離し適切な方法で処分したものであること、空気注入によるスタニングの禁止が含まれる。
牛肉は屠畜場でピッシング処理をしていない牛のものであること。ピッシングとは長い棒状の器具を気絶した動物の頭蓋腔に挿入し中枢神経組織をさらに傷つけるものである。
この空気注入の方法はEUでは禁止されており米国では使われたことがない。
軽減措置は日本政府が認可した獣医官が発行した証明書の原本によって証明されなくてはならない。
 研究によると、牛の限られた数の細胞組織だけがBSEの感染性を持っている。これらは主に脳や脊髄などの中枢神経である。通常SRMと呼ばれるこれらの細胞組織の除去要件は、これらの部分が人間の食用となることを防ぎ、公衆の健康を守る上で重要な保護手段となる。研究によると、牛の筋肉に感染性は認められず、この規則改正案ではこの部分の製品のみが輸入の条件を満たす。SRM除去を含む規則改正案での輸入条件は科学的研究に基づいており、同時に日本からの骨なし牛肉のホールカットを安全に輸入するために効果的である。

 規則改正案とその根拠となる分析は規則改正案が公表され次第、EDOCKET(http://www.epa.gov/feddocket)と動植物検疫局の閲覧室で見ることができる。パブリックコメントの提出または閲覧と、電子的に入手可能な公開ドケットにある文書にアクセスするには、公式公開ドケットのリンクを参照。この規則改正案は、同サイト内のリンク“View Open APHIS Dockets”を参照。

 この規則改正案は官報(Federal Register)で8月18日に公表される予定である。官報に掲載される動植物検疫局の文書は次のサイトでも読むことができる。(http://www.aphis.usda.gov/ppd/rad/webrepor.html)

 9月19日までに届いたコメントが検討対象となる。コメントは原本とコピー3枚を郵送か民間配送サービスで送ること。送付先は、Docket No. 05-004-1, Regulatory Analysis and Development, PPD, APHIS, Station 3C71, 4700 River Road, Unit 118, Riverdale, MD 20737-1238。インターネットでコメントを送付する場合は、EDOCKET (http://www.epa.gov/feddocket )で“View Open APHIS Dockets”をクリックしDocket No. 05-004-1を参照。

 コメントはEDOCKET ウェブサイトに掲載される。また農務省の南舘1141号室で、祝日を除き月曜から金曜の午前8時から午後4時30分まで閲覧できる。コメント閲覧室へ入室するには、(202)690-2817へ電話で連絡すること。

http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20050823-50.html

▼余談ですが在日米国大使に就任したブッシュと親しいトーマス・シーファーは9.11後の世界は『新世界秩序』の始まりだと述べている。(ブッシュ一族に近いシーファーなら当たり前か(笑))


*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

▼J・トーマス・シーファー駐日米国大使の日本記者クラブにおける講演
2005年7月20日

司会者 簡単に大使の横顔をご紹介いたしますが、公式的な経歴につきましては、今日ご出席の皆様、当然ご存知の方ばかりだと思うので、そういうことは省略いたします。ご出身はテキサス州のビジネスの世界から外交官になられた方であります。現在のブッシュ大統領とは非常にあつい友情と信頼関係で結ばれている外交官と聞いております。歴代駐日大使が、例えば前任者のベーカーさん、あるいはマンスフィールドさん、あるいは副大統領だったモンデールさんといったワシントン政界にいた方々が目立ちましたけれども、その中にあってシーファーさんはテキサス出身のビジネス経済界からの大使起用ということであります。それだけ現在のブッシュ大統領が新任大使に対してあつい友情と信頼関係を持っているんだという証しだと思います。

もうひとつご紹介しておきたいんですが、非常に日本を精力的にもうすでに歩き回って地方にも行かれておりまして、最近のニュースとしては、天皇皇后両陛下がサイパンに慰霊の旅をされましたけども、その時にもシーファー大使は同行されて一緒にサイパンの地を訪問されたという非常に活動的かつ精力的な大使であります。公式訪問が非常に多いので、なるべく早くご家族と日本の文化に触れる旅を始めたいということで、近々それも始めるということだそうです。

皆さんご存知、アメリカの特派員をされてる人なら誰でも知ってると思いますけれども、CBSの夜の顔、イブニングニュースのアンカーマンキャスターであるボブ・シーファーさんは、大使のお兄さんでございます。したがいまして、あまり大きい声では言えませんけれども、たぶんプレスの手の内は良くご存知だと思います。最後に一言、私個人にも若干関係いたしますが、大使はテキサスレンジャーズの社長を長い間お務めになってる。その間、何回か優勝を果たし、球団経営のらつ腕ぶりも発揮し戦力の増強も図ったという、うらやましい大使でございます。わが国の某球団といたしましては、是非、牛肉の問題よりはこちらの問題の方に是非、力を注いでいただきたいというふうに考えています。

きょう大使の大変なご親友でありますアメリカの駐ニュージーランド大使のチャールズ・スウィンデルズさんが同席されています。ちょっとご紹介いたします。オレゴン州出身の方でシーファー駐日大使とは非常に仲の良いお友達関係ということなので、是非ということで今日の昼食会にもご同席されているということであります。それでは私の方からの紹介を終わりまして、それでは大使、よろしくお願いいたします。


シーファー大使 ご紹介ありがとうございます。本日お話しできることを大変嬉しく思います。しかし、スウィンデルズ駐ニュージーランド米国大使が、私のテキサスなまりの英語を分かるように通訳を要求されたので少しばかり困惑しております。

 6カ月前の今日、ブッシュ大統領は米国大統領として2度目の就任の宣誓を行いました。これまでの4年半の間、私は大統領から、最初はオーストラリアで、そして今は日本で、米国大使として母国に仕える機会を与えられました。その間、私は「最前列の席」から歴史を目の当たりにする機会を得ました。そのほとんどは素晴らしい経験でしたが、米国が世界で何かを行おうとする際、誤解を受けてしまうことがよくあるため、いら立つこともありました。

 私は今日、過去の4年半についての私の考えと将来の展望についてお話ししたいと思います。ブッシュ大統領が就任したのは大変革が起きている時期でした。当時、すでに2つの大きな流れが歴史の潮流の方向を変えつつありました。ひとつは「新世界秩序」の出現であり、これはソ連の崩壊や冷戦終結そしてインドと中国の台頭などを反映したものです。もうひとつは「新世界経済」の出現で、これは市場や製造業のグローバル化の影響を反映したものです。「新世界秩序」と「新世界経済」の2つの歴史的趨勢がもたらす結果に対応することが第1期ブッシュ政権の外交政策の中心になるとみられていました。そして実際に、およそ8カ月間はそうでした。ところが、同時多発テロが起こり、すべてが変わってしまいました。同時多発テロは、歴史の中で、ひとつの時代の終わりと新たな時代の始まりを示す瞬間になりました。米国民にとって、同時多発テロ以前の世界は「旧世界」となり、同時多発テロ以後の世界は「新世界」となったのです。

 今後の米国の外交政策を理解するためには、同時多発テロが米国民の心理に深く及ぼした影響を理解する必要があります。同時多発テロの発生当日、私はワシントンにおりました。その前日、私はホワイトハウスの大統領執務室でオーストラリアのジョン・ハワード首相の大統領と国務長官との会談に同席し、国防総省では同首相の国防長官との会談にも同席しました。その翌日、ホワイトハウスから人々が避難し、国防総省の上空に煙が立ち上るのを見たことは、私にとって決して忘れることのない光景です。米国人なら誰もが忘れることはないでしょう。世界貿易センターに激突する航空機と崩れ落ちるビルの映像は、今の米国民世代の人々の心に永久に焼き付けられて消えることはないでしょう。大統領は、現在の大統領であろうと次の大統領であろうと、同時多発テロの再現を決して望みません。大統領職にある者なら誰でも、悪夢の再発を防ぐために必要な措置は何でも講じるでしょう。米国の外交政策の予見可能な将来における問題は、実質的にすべてが同時多発テロというレンズを通してみることになるのです。

 私たちにとって、今ではすべてが変わってしまいました。軍事・政治・経済の各分野におけるすべての政策は、テロの脅威に対して米国民をより脆弱にすることになるのか、ならないのか、という観点を前提にして検討されています。

 世界の他の国々の人たちは、米国がテロをあまりにも強調し過ぎると、時には批判します。しかし、テロの脅威は、米国に対する脅威であるのと同様に、文明に対する脅威でもあると私たちは考えています。もしテロリスト達が、ロシアの児童、バリ島のオーストラリア人、モロッコのアラブ人、あるいはマドリードのスペイン人を殺害することで成功を達成することが許されるのなら、文明社会は衰退の一途をたどり、新たな暗黒時代の奈落の底へ落ちてしまうことになるでしょう。

 ロンドン爆破テロ事件の捜査が進むにつれて、テロリストたちはある国の国内でテロ攻撃の計画を練り、別の国でそのための訓練をし、そして第3国で実行に移す可能性のあることがあらためて分かってきました。国境を越えるテロは地球規模の問題であり、地球規模での取り組みが求められています。傍観者でいられる国はありません。米国であろうと、あるいはインドネシア、サウジアラビア、フランス、または日本であろうと、すべての国がこうした取り組みの成果に利害関係を持ち、私たちが行動を共にすれば、それだけ成功の可能性も高まります。

 しかしながら、私たちが認識しておかなければならないのは、これまで私たちが伝統的に直面してきた脅威とは異なる安全保障上の脅威をテロリスト達がもたらしていることです。冷戦がその頂点にあったころ、米国とその同盟関係にある欧州・アジア各国は、伝統的な意味でソ連に直面していました。つまり、大軍同士が対峙していたのです。どこにいるのか、私たちには相手の拠点も分かっていました。相手もまた私たちの拠点を把握していました。テロリストが相手の場合、こうしたことが分かりません。つまり、どこにいるのか、その所在が分からないのです。分かっているのは、テロリスト達が罪のない人々を傷つけ、殺そうと準備しているということだけです。

 分別ある人間ならハルマゲドンは避けたいと思うはずだ、というのが私たちがソ連を抑止する戦略を考えたときの根本的な前提でした。テロリストを相手にそのような前提は不可能です。ハルマゲドンを回避するよりも、むしろ引き起こすのが彼らの目的なのでしょう。死をもって脅したとしても、自爆テロを阻止することはできません。彼らのネットワークを寸断し、コミュニケーションを傍受し、援助の道を断ち切ることでテロリストを阻止することができるのです。つまり私たちは優れた情報を所有しなくてはなりません。テロリストについての知識を深め、互いに情報を多く共有すればするほど、彼らの次の標的をより正確に特定でき、未然に防ぐことができるでしょう。

 軍隊はこの新しい脅威の環境に適合する覚悟が必要です。誤解しないでください。9月11日のテロ攻撃後も安全への従来の脅威は存続しています。従来の脅威に対応するには従来の軍隊が必要です。しかし、テロリストの従来とは異なる脅威に対応できる軍隊も必要となるでしょう。

 この新しい時代においては、軍隊と諜報機関のみが市民の安全を守るのではないことを私たちは皆理解しなければなりません。 防衛の最前線には恐らく税関検査官、入国管理官、そして沿岸警備隊員があたることになるでしょう。一般の警察や法執行機関も重要な役割を果たすことが必要になるでしょう。ソ連が何百万人もの兵をヨーロッパ中に配置していたとき、彼らの動きを知るのに法執行機関は要りませんでした。今はテロリストは世界中どの町や都市にも住むことが可能なわけですから、捜査当局の活動がテロ攻撃が成功するか失敗するかの決定的に重要な違いを生むことになるでしょう。

しかし、新世界秩序における安全保障は武力、情報の質、あるいは捜査の有効性だけに依存するわけではありません。今でもアイデアと理想が人々を動かします。9月11日の経験が米国に昔からの真実を思い起こさせました。自由は機能するということです。ブッシュ大統領は、米国民主主義基金での演説でこう述べました。

「西欧諸国は60年間にわたり中東における自由の欠如を容認し受け入れてきたが、私たちの安全をはかる何の役にも立たなかった。なぜならば長期的に見て、自由を犠牲にして安全を買うことはできないからである」

大統領は、「私たちは米国が大切にしてきた自由を信じるが、それは米国人だけのものではなく、人類すべての権利であり能力である」と述べました。

2期目の就任演説で、大統領はその趣旨を敷衍してこう述べました。「私たちはいろいろな出来事、常識によってひとつの結論に導かれている。諸外国での自由の存続がますますわが国の自由の存続を左右しつつある。私たちの時代の最善の希望は世界中に自由が広がることだ。私たちの目的は他国が自分の意見を述べ、自由を獲得し、その道を進むのを手助けすることである」

 米国の今後3年半の外交政策の指針はこの演説にあります。皆さんがそれを読まれるとき、大統領が言わんとしていることを理解して頂きたいと思います。米国は、世界に民主主義を押し付けるための運動を展開しているわけではありません。しかし、私たちは民主主義のリスクの方が専制政治のリスクよりはるかに少ないと判断しました。米国は民主主義の根幹的要素である教育、透明性、寛容さに投資する用意があります。なぜなら私たちは、教育が行き届き、情報を提供されている、開かれた社会は必然的に、平和につながる選択をすることを知っているからです。変化が多少のリスクを伴うことは承知していますが、変化を拒否することはもっとリスクが多いと確信しています。

 同時多発テロ以降の米国の新外交政策が、対日関係にどのような影響を及ぼすのでしょうか。私たちは、世界の中で友を持つことの価値をこれまで以上に実感しています。私の記憶する限り、米国はひどく攻撃され、非難され、誤解されてきました。友として、同盟国として、日本が米国を支援してくれてきたことは米国人にとって大きな意味があります。民主主義や寛容が大切であるという私たちの考えを、皆さんも共有していることを知っています。アフガニスタンやイラクのような場所での日本の支援協力は、皆さんが想像する以上の意味があります。

 日本は国際社会の一員として、インド洋で支援活動を行っています。この支援は、自由という船に燃料を補給しているだけではなく、アフガニスタンの人々に民主主義をもたらす手助けとなっています。自衛隊のサマワでのイラク再建支援活動は単に暴政や戦争の犠牲者に飲み水を与えるだけではありません。人類の進歩はテロの人質となることはないという力強いメッセージをテロリストに送っています。これはとても大切なことです。なぜなら、日本は民主的で平和な世界を築くつもりであることを声を大にして伝える準備ができていることを、米国のみならず世界にも示しているからです。

 米国人は、国際問題解決のため多国間の取り組みが重要であることに、これまで以上に気づいています。私たちは、北朝鮮やイランでの核兵器拡散防止のため、国際社会に方策を講じるよう呼びかけています。なぜなら、国民国家あるいはテロリストが米国または同盟国に危害を与えるためこうした核兵器を使用する恐れがあるからです。私たちが6カ国協議に積極的に参加しているという事実は、北朝鮮の核開発問題が単なる米国の問題でなく、地域および国際問題でもあるということを日本が理解していることを示しています。大量破壊兵器の拡散は世界の平和と安定を脅かすものです。私たちが協力して核拡散に反対すればするほど、世界はより安全になります。

 米国と日本は、今国連を改革すべき時期であると認識しています。戦後の時代、冷戦の時代は終わりました。新たな時代に突入し、時代の変化が国連にも反映されるべきときです。日米両国は、日本が国連安保理に加わる時期であるという認識を共有しています。両国は時々、異なった方法でその目標を達成することを話しますが、日本の皆さんが米国の立場を理解してくださることを願っています。私たちは日本が国連安保理に加わる入ことと、改革によって国連が活性化することの双方を願っています。米国および日本そして国際社会が今日の重要問題を話し合える国連を必要としています。それ以上に、実行力のある国連を必要としています。すなわち、言葉を行動で裏付けられる国連、暴君が恐れ、自由な人々が従うような国連、を必要としています。今、日本が国連安保理に加わるときです。また、国連が民主主義、寛容そして法の支配を推進するために、重要な役割を果たす時です。

 アジアは今日、世界の最も活力に満ちた地域の一つです。世界の人口の半数以上がアジア地域に住んでいます。また、世界でもっとも大きな6カ国の軍隊が出会う場です。アジアは希望と達成の大陸であると同時に、変化と不安定の大陸でもあります。米国はアジアの国ではありません。しかし、ヨーロッパの国ではないが大西洋沿岸国であるのと同様、太平洋沿岸国でもあります。私たちはアジアの平和と安定にも貢献し、そしてヨーロッパの平和と安定に貢献してきました。他の国々が、米国をアジアにおける問題の一部ではなく解決の一部と見なすとき、米国はアジアの平和と安定に引き続き貢献できると思います。2つの世界大戦で、米国は世界から孤立しようという試みが惨憺たる結果をもたらすということを学びました。同じ過ちを私たちは2度と犯したくありません。私たちは太平洋沿岸国であると同時に、大西洋沿岸国でもあるという認識をもち続けます。

 日本は、東洋の始まりであり、西洋の終わりであるという特殊な地位を占めています。片足をしっかりとアジアの地に、もう片方をしっかり西洋の地に下ろして、日本は両者に対して英知をもって効果的に話しかけることができます。日本と米国が同時に発言するとき、世界のための強大な力となりえます。

 現在、在日米軍の再編協議が行われています。米国はその協議を戦略的視点かとらえているということを理解いただきたいと思います。在日米軍には米国にとっても日本にとっても看過してはならない重要性があります。冷戦は終わりましたが、通常の脅威とテロの脅威は消えていません。在日米軍は過去60年にわたり、日本の平和を保障し地域の安定に貢献してきました。在日米軍は日本の皆さんにとって負担であることは承知していますが、それは米国にとっても負担であることを日本の皆さんに分かっていただきたいと思います。日本は美しい国ですが、日本に駐留している若い米軍兵士は米国にとどまり、自国に仕えたいと思っているでしょう。日本の受け入れ国支援にもかかわらず、米軍は本土にとどめておく方が米国にとって安くつくでしょう。私たちが米軍を進んで海外に駐留させる理由と、日本の人々が在日米軍のための負担を惜しまない理由は同じです。つまり彼らの存在が平和を維持するからです。在日米軍の現状を協議するにあたり、日米はそのことに留意しなければなりません。

 私はここまで、ほとんど日米の政治的、軍事的脅威に関してお話ししてまいりました。しかし安全保障は効果的な武器システムと同じように両国の経済発展からももたらされます。世界経済が繁栄し成長すれば平和への可能性は一層高まります。米国と日本はともに自由経済を実現しました。両国は世界第1と第2の経済大国を築きました。米国と日本は歴史上どの2カ国よりも大きい富と繁栄を手にしています。しかし米国と日本はもっとできるはずです。

 共に世界経済をみるとき、米国と日本は自分たちの影響力の大きさに気づくべきです。ライス国務長官が言った米国と日本の援助計画をリンクさせるということは、つまりそういうことです。米国と日本の途上国への援助は現在合わせてG8全体の援助の半分を占めています。米国と日本が力を合わせれば、世界のインフラに大きな影響を与えることができます。学校、道路、上下水道、環境保護は繁栄への基礎的要素です。そして繁栄は将来の安定への鍵です。人々に知識と市場競争力を備えれば備えるほど、彼らが使用するかもしれない武器など心配しなくてよくなります。

しかし、尊厳や人間の理解は市場の力でもたらされるものでなく、軍隊がもつ兵器だけで守れるものでもありません。米国と日本は過去60年間に独特で恒久的な友好関係を築き上げました。両国は最大の敵国でしたが、いまや最良の友人同士です。その過程は必ずしも平坦ではありませんでした。太平洋を挟む2カ国の健全な市民は洞察力、知恵、寛容を示さなければなりませんでした。非常に異なる2つの文化が普遍的価値観を受け入れました。それは米国を変え、日本を変えた価値観です。そしてその価値観は世界を変えることも可能です。普遍的価値観にいつも忠実であり、勇気を持ってその価値観のために行動できますように。

ありがとうございました。

http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20050720-70.html

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