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(回答先: 鶏処分せず、なぜ方針転換…業界「最大手だから?」・・・小泉だから、AEON系なら処分? 投稿者 rand 日時 2005 年 8 月 23 日 10:41:20)
『鳥インフルエンザ問題の今後(63)』
http://www2u.biglobe.ne.jp/~tamago/influenza146.htm
夕方まで鳩首協議をやらずとも、ものの5分で片が付くような結論だった。それしかないだろうと思って居た。これで大規模で設備が整ったウインドウレス鶏舎の場合は事実上、ヤミワク使用も可能になった。良いとか悪いとか云って居る訳ではなく、ただ可能になったというだけである。
次に予想されるのは文句をいう弱小養鶏場の淘汰である。何のことは無い、全部にハセップ適用を義務づけて、ウインドウレス鶏舎以外の養鶏は認めないとするだけである。
こうなった時、薬などに頼らない健康的な鶏の飼育による健全な卵が消費者に受け入れられて来たなどという幻想は、あっと言う間に雲散霧消する。早い話、加工用やコテコテに煮てしまう卵など輸入でも冷凍でも何でもいいわけだから。そして卵とはそういうものだとなった時、日本の卵の誇りも失われて、すべてがアメリカ型になり、その消費量も世界の標準的水準に落ち着く。
これは実は私が常々抱いて来た養鶏の未来図である。20年前、少し贅沢な卵を作ったとき、本来、畜産とは直接人間が食えない資源を家畜の腹を通してうまい肉や卵にすることだと教わってきた手前、その後ろめたい気持ちを卵のパッケージの裏に記してきたが、そろそろ見直す時期になったなと思うのである。
養鶏がもはや農業ではなく、立派な二次産業だと養鶏家みずからが標榜して久しい。私のような《阿呆の鳥飼い》が未だにそれで食って居られるのが寧ろ不思議である。これで事実上全国の弱小養鶏淘汰の筋道が出来たと考える。
それは理屈ではウインドウレスと云えども、それだけ厳重に管理しているところに入ってきたものは、また容易く出られる道理で、しかも相手は忍者ウイルスである。それを委員会も農水省も閉じ込めて出さない、否、出ないというのだから無理はある。しかし所詮国家権力をもってすれば道理くらいは簡単に引っ込むのは、論より証拠である。
しかし現実問題としては取り敢えずIさんも茨城県も大変だ。陽性鶏の殺処分をまぬがれただけで、我々弱小養鶏場のブーイングに会うとはわりの合わない話で気の毒になる。
しかし、このことは国がウインドウレス鶏舎を推奨して、建設費半額補助を打ち出した時からの既定の方針であると言えなくも無い。当局や小委員会からすれば、絶対安全な筈の、しかも指導以上の理想的管理の農場へウイルスが寧ろ率先して入り込んだことへの当惑が、昨日の委員会の時間延長にも認められるものの、その辺はすっぱり割愛して既定路線を突っ走るあたりさすがである。
ただ問題がなくもない。取り敢えず閉じ込めたのはウイルスではなく単なる抗体つまりは《セミの抜け殻》に過ぎない。セミの匂いが後どれくらいで抜けるのかと鶏の経済寿命との関係で、匂いがなかなか消えない場合はどうするのか、或いは消えてしまったら普通の処理を許すのか、まだまだ具体的にはどう逃れるかに頭を使うことにはなるだろう。
ただ事ここに至っても、それこそワクチンのワの字も出ない。そしてはっきりウインドウレス指向を打ち出した。実際、方針が齟齬を来したところから、逆にそれを推奨するあたり国の矛盾と恐ろしさを、弱小養鶏場は痛感するだろう。それに本当はそんなことよりも外電の伝える真の恐怖が目前に迫って居る。
H 17 8 23. I ,SHINOHARA
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『鳥インフルエンザ問題の今後(64)』
http://www2u.biglobe.ne.jp/~tamago/influenza147.htm
わが家の所謂、とり小屋しか見たことのない客達はウインドウレス鶏舎を知らない。ビデオを見て、農水省の対応のリーフと見比べながら、しきりに感心している。
「ウインドレスってのは大したもんだね、ここんちの鳥小屋とは大違いだね」と応対の次男坊に聞いて居る。「そう、農水省の説明では、いま話題の鳥インフルエンザウイルスが入っても出て来られないそうですよ」と伜が応じる。「へえー ゴキブリポイポイみたいな鶏舎なんだねえ」と客がすっとんきょうな声をあげたので居合わせた数人が笑う。「そんな便利な鳥小屋ならここんちも作りゃあ、これからも安心じゃあねえか」
そこでいつもなら知り合いのN養鶏場にでも案内するのだが今は非常時で、紹介ビデオで我慢してもらう。
「要するに大きな掃除機のなかで鶏を飼うようなものです」と伜の解説。「ふうーん、どうりで、吸い込んだウイルスは中に溜まって出て来られないんだな」「農水省の説明ではそういうことらしいです。それを奨励して日本中に作らしてウイルスを残らず閉じ込めようという、、、」「だけど、その日本中の紙パックじゃない、ウインドレス鶏舎とやらにインフルエンザウイルスが一杯になったら何処にどうやって捨てるんだい?」「それがウイルスの残骸が残って居るうちは捨てられないそうですよ」
まあ茶化しては悪いけれど農水省の対応の実態はそんなところである。実際のところ、これまでの教科書にあるように渡り鳥についてくるのは弱毒ウイルスで10の5乗位の塊でないと感染しないというのが確かなら、猛烈な風圧で鶏舎内に吸い込まれたウイルス塊は散り散りに砕かれて拡散してしまうことになり感染出来ない勘定だった。それが今回、ウインドレス鶏舎も軒並みやられた形跡が出てきた。あまつさえそのなかにはウイルス自体も確認されている。
我々ならその事実を突き付けられれば、恐れ入るよりないが、そこは農水省、返って解放鶏舎と差別する形でむしろそれを擁護し、事実上これからはウインドレスでなければ駄目だとするに等しい対応を打ち出した。
これは《とき》様(笹山登生の政策道場 ・笹山登生の掲示板)もいわれる「事実上全国の弱小養鶏淘汰の筋道」である。http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
「日本の農水省は遂に邪魔な弱小養鶏を見捨てた」との見出しが海外のメディアで踊る日も遠くない感じがする。デイリー何とかにでも送り付けようかな、 The goverment and reserchers don´t understand the situation,,,てな何処かで見たような書き出しでね (笑)。
しかし、これも今度のシベリアを起点とする改めてのトリフル脅威に比べたらコップの中の嵐に過ぎないと思わないか? 無論、今回のH5N2のHPAI化を、厳重に監視することも大切には違いない。しかし前にも述べたように、このやり方はそれに必要なディスクローズではなくて、無意味なウオンテッドである。監視ではなく殺戮につなげる摘発である。最初からそれに係る労力と費用と、それに何よりもそれによってもたらされる効果を計算して、殺処分か厳重な監視かを比較して事に当たればこんな形にはならなかった筈で、私自身、このホームページでも冒頭に緊急提言して置いたことでもある。
繰り返すがこの数週間でトリフルを巡る世界の情勢は一変した。緊急事態と云える。HPAI化への懸念はあっても実際は全く無症状の、数々の潜在するLPAIの一つに過ぎない今回のH5N2だけを目の敵にしてその痕跡だけで虐殺を繰り返す暇があったら、この秋にも予想されるHPAIの直接の侵入に注意を促して、少なくとも各国並の厳戒態勢を敷き、何よりもその為の余力を残して置かなければ、いざ真の敵が現れた時は、疲弊困憊して、皆がトラウマで手も足も出せない中で、鶏だけは死屍累々という有り様を招来しかねない。これは決して大袈裟な云い方ではない。もはや世界中の懸念、常識である。
そんな中、この2カ月のLPAI騒ぎで合計65万羽を殺す計算だ。これでなにが清浄国だろうか。学者、行政、その一人一人の方と、わが家の勝手などでお話しすることがあるが、皆感心する位立派な見識をお持ちである。それが全体になると全くおかしな方向に行ってしまう。かつて西武の顧問だった元中国総領事の故中島忠三郎さんに伺ったことが有るが東條さん(私の伯父と士官学校同期)が陸軍大臣になる前満州で会って居た頃と首相になってからは全く違ってしまったそうで、直接お目にかかったことはないが喜田先生なども典型的にそうなのではないだろうか。
話がそれたが、これから低倍率ではAGPの10倍の感度といわれるHI試験に切り替えて、家保の職員が習熟すれば、摘発例がうなぎ登りになることは間違いない。これからも大量の殺処分に係る人達のトラウマ騒ぎが今後起きないほうが不思議で、それはどの国でも問題になっている。そんなことになったら、その責任は誰が取るのか、農水か、それとも喜田先生達か。そのくらいの覚悟はおありでしょうね。
しかし、その喜田教授の「自然養鶏大いにおやりなさい」というような普段の言動からは、ウインドレスに肩入れして解放鶏舎の殺戮を進めることを支持しているとは到底思えないが、仮にもご自分のワクチン完成にタイミングを合わせて居るというのなら心底許せませんぞ。
まあこれは冗談としても、もうこの期に及んで《清浄国論》は何とかかなりませんか。
去年のブロイラーの対策会議でも輸入が止まったら国産をどう増やすか、の方向一本槍で呆れ果てたけれど、ことほどさようなノーテンキ振りは、そろそろ返上しないとほんとに食うものがなくなりますよ。
H17 8 24. I,SHINOHARA
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