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アジア11ヵ国 H5N1インフルエンザ勃発に備えるタミフル備蓄センター設置に基本合意(農業情報研究所)
http://www.asyura2.com/0505/gm11/msg/293.html
投稿者 シジミ 日時 2005 年 8 月 12 日 23:35:07: eWn45SEFYZ1R.
 

(回答先: 新型インフルエンザ(H5N1)勃発は不可避 破滅的結果回避には緊急行動が不可欠ー米研究者(農業情報研究所) 投稿者 シジミ 日時 2005 年 8 月 12 日 23:31:05)

http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/epidemic/05081201.htm

05.8.12

 アジア10ヵ国が、来るべき新型(恐らくはH5N1)インフルエンザの勃発に備え、抗ウィルス薬を備蓄するための中央バンクを設立する計画に合意した。タイ・バンコクで開かれていた世界保健機関(WHO)の第6回健康促進会議の傍らで開かれたタイ主催の会合で基本合意に達した。合意したのは、ブルネイ、ビルマ、カンボジア、中国、日本、ラオス、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの11ヵ国である(Asian nations agree to set up bank for anti-flu drugs,Bangkok Post,8.12;PANDEMIC PREVENTION: Deal on bird-flu drug stockpile,The Natiion,8.12)。

 備蓄の対象となる薬は、H5N1ウィルス感染を防ぐ保証はないが、発症を防ぎ、重症化を抑え、合併症を減らすと期待され、WHOが推奨するリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)で、各国が地域の供給の5%ずつを引き受けることになる。各国は、技術支援やデータベース・システムに関する協力も約束した。

 現在、タミフルは非常に高価で、世界中で需要が急増しているから、域内諸国は十分な備蓄を持つことができないでいる。従って、この構想は、中央バンクにタミフルを備蓄、この備蓄から域内勃発国に速やかに(24時間から72時間の間)薬を送れるように備えるものだ。タイがかねて提唱、バンクをタイに置く用意があるとも表明してきた。しかし、今回の会合では設置場所は決まらず、来月中に決定されることになった。この課題はWHOに委ねられたが、他の国に迅速に航空輸送できる施設がなくてはならないという。

 備蓄量については、議長を務めたタイのスチャイ公衆衛生相が、人口の10%から17%をカバーする能力を確保する備蓄が重要と語ったという。ただ、感染者、タミフルを必要とする人口がこれにとどまる保証はない。

 フィリピン保健担当相は、会合がタミフルの分配に関する重要問題をすっぽかしたと指摘した。彼は、タミフルの製造はスイスのロッシェ(ロシュ)社が独占しており、途上国には禁止的な値段だ、WHOと各国は手ごろな値段のジェリックなバージョンが利用可能になるように保証する方法を議論することが決定的に重要だと語ったという。

 ロッシェは相当量のタミフルをWHOに提供することを考えており、製造能力拡張の計画もある。しかし、豊かな先進国が確保に狂奔、貧しい国はタミフル生産が後発製造者に開放されるように空しく要求しているのが現実だ。

 折りしも、香港、韓国、シンガポール、マレーシアの医師たちが12日、Lancet誌上で、新型インフルエンザに対抗するために必要なワクチンやその他の薬の大部分を先進国が独占しようとしていると批判した。ちなみに、イギリスは、H5N1インフルエンザに対抗するために、タミフルを1460万人分、ワクチンも200万本注文している。しかし、医師たちは、高齢者や子供に迅速に処方するのが難しいと信じ込んでいるために諸国政府がほとんど無視している抗ウィルス剤であるリレンザの利用も考えるべきだと言う。さらに、先進国におけるワクチン製造者の地理的位置からして、貧しいアジアの国々が更新されたワクチンを手に入れるのが遅れる、ワクチンと抗ウィルス薬の製造施設がアジアに建設されるべきであり、「ありうる世界規模の破局に臨んで医薬品特許を維持する倫理には問題がある」と言う。

なお、日本で使われるタミフルの全量をロッシェ社から輸入販売する中外製薬は、次期インフルエンザ・シーズン(2005−06年)における総供給量を約1500万人分とする計画を発表している(http://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeHeader.jsp?documentId=doc_5093&lang=ja)。しかし、近隣アジア諸国が薬を欠けば、わが国への感染の広がりは防げないし、それを防ぐために国境を閉じれば経済的大損害を受ける。現地に進出している大量の日本企業も立ち行かなくなるだろう。

 ただ、タミフルの備蓄は、勃発に対する備えのほんの一部をなすにすぎないことも承知しておかねばならない。WHOのタイ代表であるWilliam Aldis氏は、緊急の注目を要するのは、病気を早期に発見するために地域と世界のサーベイランス・システムの強化であり、またありうる危機を管理するフレームワークの構築であると語っている。

 関連報道
Stockpiling of drug urged in fight against bird flu,FT.com-world,8.11
http://news.ft.com/world

 Asian doctors attack western hoarding of key bird flu vaccine,The Guardian,8.12
http://www.guardian.co.uk/

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