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理解度テスト 例文「原子力発電反対の風潮の広がりを愁う」www.engy-sqr.com/
http://www.asyura2.com/0505/genpatu3/msg/414.html
投稿者 金十字架 日時 2006 年 5 月 23 日 19:16:42: mfAWtS4GF8MpY
 

「第三話 失敗こそが進歩を生む」 

例文.1

◆次の例文の中から不適切な記述と思われる箇所、すべてに疑問符「?」を付け足しなさい。◆(無制限)

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http://www.engy-sqr.com/watashinoiken/bunrui/amano.htm

NHK教育テレビ番組「知るを楽しむ」に抗議
「知るを楽しむ」(この人この世界)
早稲田大学教授、池内了氏の「禁断の科学」、「原子力の現在」に対して
エネルギー問題に発言する会 林  勉

NHKでは教育テレビ番組「知るを楽しむ」(この人この世界)のリーズとして、2005年12月から2006年1月にかけて、早稲田大学教授、池内了氏の「禁断の科学」を8回に分けて放映している。これ等の内容については、日本放送出版協会から小冊子として出版されており、書店で購入することができる。

その中の第6回では、「原子力の現在」というタイトルで、原子力問題につぃて1月16日に放映される計画となっている。電気事業連絡会では、この「原子力の現在」の内容について検討した結果、事実誤認が多く含まれており、これがそのままの形で放映されるのは問題であるとして、NHKに12月25日に抗議文を送付した。このことを私も1月5日に知り、早速この小冊子を購入し読んでみたが、その内容のひどさに驚愕し、こんな内容のものが公共放送の役割を持つNHKで放映されてよいものかという強い懸念を持ち、これは私達からもNHKに厳重に抗議すべきであると考え、「エネルギー問題に発言する会」の会員の皆さんにも抗議するように呼びかけ、現在数人の方がこれに呼応して抗議文を提出している。

ここではどのようなひどい内容であるかを理解していただくために、私が提出した抗議文と電気事業連絡会が提出した事実誤認を指摘した抗議文を紹介し、皆さんのご参考に供したい。

T 林の抗議文
1.「原子力の現在」という表題であるが、いくら読んでもこの表題にふさわしい内容が見当たらない。現在とはいつを指しているのでしょうか。内容の殆どはごく基礎的な原子力発電の仕組みや放射線の問題と原子力事故の説明、解説であり、この程度のことはもっともっと正確に、中、高生向きの解説書(電力会社等が作成)にも十分のべられている。「知るを楽しむ」の企画がどのレベルの視聴者を対象にしているかは知らないけれども他の内容等から判断するとかなり知的水準の高い方達を対象にしていると思われるが、そうであるとすれば、池内氏のこの内容はあまりにもおそまつであるといえる。水準の高い視聴者の失笑または反感をかうだけであろう。ひいてはNHKのレベルまで疑われる事になるであろう。

強いていえば池内氏独特の偏見に満ちた持論の展開に特異性が見いだされるのかもしれないが、これとて池内氏の他の著作等にて何回も展開されているものであり、「原子力の現在」というにはあまりにも情けない。

「原子力の現在」に該当するところを必死に探してみてやっと1ケ所みつけることができました。125ページ前3行、「原子炉の設計寿命は40年とされていたが、現在では原発の立地の困難さから60年にのばそうと計画されている」これだけしか「現在」と名乗る内容がないものを「原子力の現在」として放映するNHKの姿勢が全く理解できません。

むしろ「池内教授の偏見的原子力理解の現在」とでもする方が内容に合致しているのではないでしょうか。

2.事実誤認、または現実を知らないまたは勉強していない無知と言うべき箇所が何カ所もあります。電事連が指摘した事実誤認の9項目はいずれも的確な物であり十分に検討していただきたい。見解の差であるといって逃げることなく、事実認識をしっかりやってください。この程度の事実認識が出来ないNHKであるとは思いたくありません。

電事連の9項目以外に私の気付いた点を下記します。

1)p111,後2行「原子核反応による太陽の火を燃やそうとしているのが原発である」

太陽は核融合反応であり、原子炉は核分裂であり、全く異なる原子核反応であるものをあたかも同じように表現するのは厳密な理論構築が使命であるべき物理学者のすることとは思えない。著者はこの表現で何を言おうとしているのであろうか。原子炉は太陽と同じであるから大変にこわいものであるという子供だましみたいな説明をしようとしているとしか思えない。情けない。

2)120,前1「高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルは迷走を続けているのが現実なのである」

もんじゅトラブルで高速増殖炉計画が大きなインパクトを受け、一時期迷走と言われても仕方がないような状況になったことは事実であるが、現在はもんじゅ裁判も決着がつき、再稼働に向けて着実な進展が見られているし、原子力政策大綱でも2050年商用炉の建設をうたっており、またこれに向けた具体策の検討段階に来ているのが現状である。また再処理につぃても国として再処理路線を堅持して推進していくことが決定しおり、六ケ所再処理施設も完成に向け推進しているのが現実であり、どうして迷走しているといえるのであろうか。このような現実を知らないで、あるいはあえて隠して「原子力の現在」を語ることはできない。

3)p124,前6行「核分裂によって生じた放射性物質が蓄積されていくので、ほぼ3年に1度の割合で新しい燃料棒に取り替えている」

燃料交換の時期は燃料に蓄積される放射性物質の量で決まるのではなく、燃料として使用できる主として、U235の残存量で決定される。このようなごく基礎的な事項も誤認しているかまたは勉強していないような方がどうして「原子力の現実」について語る資格があるのでしょうか。

4)p129,前8行「真夏のピーク時以外は原発をストップしても問題は起こらないし、真夏の電力需要を1980年代前半のレベルに下げることができるなら、脱原発が実現出来ることになる」

ここではあたかも原子力発電は真夏のピーク時のみに運転しているかのような言い方をしており、一般のかたの判断を迷わす表現になっている。池内氏ご本人が原子力発電はベースロードとして基本的には常に運転されていることは当然ご存知のはずであるが、それをあえてこのように表現するのは事実誤認といわれてもいたしかたのないところであろう。脱原発をすれば、現在電力の30%を賄っている原子力の代替電源をどうするかという問題につきあたる。この解決がないからこそ原子力を国家の基本エネルギーとして位置づけているのであり、脱原発を学者の立場として言うのなら代替エネルギーの解決策も提言するのが当然である。しかしここで述べられているのは、「10年かけて10年前のレベルに、20年かけて20年前のレベルに」という夢物語のたわごとだけである。これを言うならどのようにして10年前、20年前のレベルにするかの具体策をしめさなければならない。ドイツがこの方針をとっていると言っているが、こんな事は聞いた事がない。スローガン運動としては考えられるとしても現実にそんなことで国家エネルギー政策ができるなどと言ったら笑い者になるだけである。ドイツの現状は脱原発を宣言して現在その方向に進めているが、代替エネルギーとしては太陽光発電、風力発電に注力しているが、いくら政策的優遇策をとってもこれらは限界があり、基幹エネルギーとはなりえない。そこでドイツでは天然ガスに大きく依存する政策を取っており、ロシアとのパイプライン建設に着手している。しかしごく最近のウクライナのガス供給問題でロシアとの問題が露呈し、ロシアにエネルギーの根幹を握られることの国家的リスク論が台頭し、原子力への回帰政策の必要性が議論され始まったのが現状である。このような現状をのべることこそ必要であり、10年、20年前に戻れなどというたわごとなど聞いている時ではない。

3.ことさらに読者不安を与える、または一方的に誘導するような表現もみられる。厳密な論理構成が求められる学者にあるまじき行為であると言える。以下にその例を示。

1)116前5「原子炉部分は2000万度分のエネルギーが発生する太陽

(原子核反応)で、発電機部分が数百度の水蒸気の圧力で電気を取り出す「地球」(化学反応)にあたる」

原子炉部分が太陽と同じ反応であり、その温度も2000万度になるような印象を与える表現になっている。まさか池内氏がその様に思っているわけではなく、あえて原子核反応という共通性だけを取り上げてたとえ話しをしているのだと思われるが、何故こんな事実と食い違うたとえ話しをするのか、全く理解出来ない。このたとえ話で一般の視聴者の原子力に対する理解を向上させることができると考えているとしたら、読者、視聴者を愚弄しているといえるであろう。池内氏の目的はなんであろうか。原子炉というものを太陽のような苛烈な反応であるというイメージにより、おどろおどろしく描くことにより、反原発に誘導していると思われてならない。

2)p126後2「放射性廃液をチリトリですくい取ってバケツに入れたり、

放射能で汚染された機器をゾウキンでこすりとったり」

原子力発電所の現場では時によりここに記述されているような状況もあるかもしれないが、それは現場作業のごく一部であり、しかもきちんとした被爆管理のもとでなされているのが現実である。現場作業についての現実をいうのなら、こんな些少なことをあげつらうのではなく、どれだけの努力をして、きちんとした管理がなされているかについて言及するのが、本筋であろう。それを一般の方達が汚いものの代名詞として考えている、バケツ、チリトリ、ゾウキンなどという表現で原子力現場は汚いものだというイメージに誘導しようとしているとしか思えない。現実の現場は殆どの場所が皆さんの家庭の部屋よりきれいなぐらいに整然と管理されている実態をこそ知ってもらうべきことである。

3)p128前11「原発の使用による浪費」

この表現は突然に現れて何の説明もない。なにを浪費と言っているのであろうかわからない。原子力の国としての原子力開発につぎ込んでいる資金を言っているのかと思われるが、このおかげで現在の原子力発電があるのであり、浪費と一方的に論断するのは偏狭な反原発論者のなすところであり、NHKがそれを良しとして放映すべき内容ではない。このように原子力を悪者に仕立てあげるような誘導的内容は排除すべきである。

4)p130後5「原理的には無限にある太陽光やバイオマスなどの自然エネルギーの利用」

太陽光やバイオマスなどの自然エネルギーも利用していくことは重要なことであり、推進していかなければならない。しかしこれらのエネルギーは様々な問題を抱えており、大きな国家の基幹エネルギーとなるような位置づけにはなりえない。それをあたかも「無限に有る」という表現でこれをやれば脱原発が出来るようなイメージに誘導しようとしている意図が見えてくる。これも意図的誘導ととらえられてもいたしかたないであろう。

最後に「原子力の現在」について語るので有れば、世界のエネルギー事情を良く勉強し、その上で日本の原子力のありかたについて論ずるべきである。池内氏の内容は百害あって一利もないものであると断定する。

U 事業連絡会の抗議

NHK教育テレビテキスト「知るを楽しむ・この人この世界・禁断の科学」の記載について、電事連より抗議

題記テキストの1月16日教育テレビ放送予定分の記載については、下記をはじめとした、原子力に関する事実誤認が多数みられます。事実関係は次の通りです。

(1)「それを温度に換算するとおよそ2000万度に対応する。」P111・後から七行目

<事実関係>

わが国で原子力発電に使われている軽水炉の場合、最も温度が高くなる燃料の中心部の最高温度でも、通常運転において約1千度です。

(2)「その再処理技術の困難から、世界各国は核燃料サイクル路線を諦め、使用済み燃料棒をそのまま廃棄する方針をとり始めている」P117・後から十行目 

<事実関係>

再処理技術については、フランスで長年に亘る商業運転の実績があります。また、ベルギー、ドイツ、スイスなどの国ではフランスで再処理した燃料をMOX燃料とし、自国でリサイクル使用(プルサーマル)を続けているという実態があります。さらに、フランスに加え、中国・ロシアもサイクル路線を目指しており、最近では、米国も再処理関連予算が計上されるなど、各国でサイクル路線を積極的に評価する動きが見られています。

(3)「高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルは迷走を続けている」P120・最初から一行目

<事実関係>

高速増殖炉の開発については、今年10月に国の原子力政策の基本を示すものとして閣議決定された「原子力政策大綱」において、「2050年頃から商業ベースでの導入を目指す」という方針が示され、実用化に向けた研究開発が進められています。なお、高速増殖原型炉「もんじゅ」については、2月に改造工事着手についての地元了解が得られ、5月の「安全審査は適正」という行政訴訟の判決を経て、現在運転再開に向けた工事が進められています。

(4)「高レベル放射性廃棄物として現在のところは原発の敷地内に保存されている。」P124・後から四行目 

<事実関係>

再処理を経て残された高レベル廃棄物が原子力発電所の敷地内に保存されているという事実はありません。現在、わが国では海外の再処理工場内で再処理を経て残された液状の廃棄物などをガラス固化体にし、国内へ輸送して専用の貯蔵施設で三十年〜五十年間の予定で貯蔵しています。将来的には地下三百メートル以深の安定した地層へ埋設処分する計画となっています。

(5)「原子炉の格納容器は、常に放射線に曝されている」P125・最初から一行目 

<事実関係>

常に放射線に曝されているのは、格納容器ではなく、その内側にある原子炉圧力容器です。

(6)「日本では全国で約五万人ほどの労働者がこのような作業に従事しており、これらの人々が受けている被曝量は莫大なものになる。」P127・最初から四行目

<事実関係>

原子力発電所の内部で働く人々については、放射線業務従事者として全数登録・管理されており、その受ける放射線量は、国際機関の勧告を踏まえた国内法による基準を遵守しています。さらに、基準を単に下回るだけでなく、できる限り低く抑えるように管理しています。〔実績は「原子力施設運転管理年報」に公表されています〕

(7)「必ずしも説得力があるわけではない。」P127・後から四行目

<事実関係>

わが国の原子力利用は、1955年の原子力基本法の公布以来、一貫して平和利用に徹し、IAEAの査察活動にも積極的に協力してきました。2004年には、IAEAによる総合保障措置〔保障措置の有効性を維持しながら査察を”合理化”〕が、大規模な原子力活動を進める国としては初めて、わが国の原子力施設に適用開始されたという事実があります。また、六ヶ所再処理工場にはIAEAの最新の保障措置技術が適用されており、こうしたわが国の保障措置は世界の模範との高い評価を得ています。

(8)「MOXを使えば、・・・原子炉の危険性が増すのだ。」P128・最初から七行目

<事実関係>

MOX燃料の特徴を踏まえて的確に燃料設計などをすることにより、十分に安全性が確保できることが確認されています。特に、わが国の原子力安全委員会は1995年に報告書をまとめ、MOX燃料が原子炉に使われる燃料の3分の1程度までなら、原子炉の中ではMOX燃料の特性はウラン燃料と大差がなく、現在と同じ安全設計、評価手法を使うことができるとしています。加えて、海外ではMOX燃料使用について四十年以上にわたる長年の実績があります。

(9)「どれだけの費用が必要になるのか、信頼できる計算は何もない」P130・後から9行目

<事実関係>

平成16年に、国の電気事業分科会・コスト等検討小委員会で廃棄物処分全般までを含めた原子力発電コストをモデル試算で計算した事実があります。

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例文.2
以下の例文の中にある記述に於いて、明らかに説明不足と思われる箇所があれば付け足しなさい。また、同サイト内にある例文.1との関係の矛盾を指摘しなさい。
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http://www.engy-sqr.com/member_discusion

講演・座談会 石油の無機起源説について

日時 2005年9月21日  第44回運営委員会

講師 日本エネルギー経済研究所 主任研究員 中島 敬史 氏

座長 松田 

誰も予想しなかった石油高価格が続き、世界経済への悪影響が懸念される情勢を背景に、石油資源のピーク説が有力視される一方で、その対極的とも言える無機起源説が最近の多くの事例を元に注目を集めてきている。人類の未来を考える大前提となるエネルギーの将来を検討するには、こうした考えを無視することはできない。これまであまり紹介されていない無機起源説を取り上げその内容の理解を深めることとした。

講演要旨

2003年から(財)日本エネルギー経済研究所で東シベリア資源開発の仕事に携わっており、地質学者として金属資源探査の路線から石油資源探査を行っている。1983年に三井金属資源開発(株)に就職してから「石油の無機起源説」に関心を持った。1991年に日本石油開発(株)に就職後、マレーシア、ミャンマーなどで石油資源炭鉱を通じて、従来の「有機起源説」では説明できない現象に遭遇していたが、シベリアの経験でウクライナやロシアの学者の間に支持者の多い無機起源説で説明する方が合理的で容易だという思いが強くなってきた。時あたかも2005年6月に世界の権威組織である米国地質学協会(AAPG)が従来の慣習を破り「石油の無機起源説」を取り上げた研究会議を開催し、私も参加してきた。

最近、NASAの“Deep Impact”計画がテンペル彗星の核に人工物を打ち込んで、飛散物質を採取・分析することによって、その物質組成を調査することに成功したが、水、炭酸ガス、炭化水素などから成っていることがわかった。またNASAの探査機により、土星の月タイタンに大量のメタンとエタンの存在が確認された。即ち、炭化水素(石油の主成分)は地球に特有の物質ではないのである。

地球の地殻は、マグマで形成された火成岩(大陸地殻は約40kmの花崗岩、海洋地殻は約7kmの玄武岩)で構成されており、さらにその下位に厚さ数100kmのカンラン岩で構成されている上部マントルがある。上部マントルは対流しており、その影響で地殻に亀裂が生じ、その部分に大陸地殻の表層から削り取られた砂や泥が堆積し、地殻の表層に堆積盆地を形成する。油ガス田の99%はこの堆積盆地内に分布するが、「有機起源説」は海生植物を原料として「根源岩」で生成した油ガスが堆積盆地へ移動して発見されるとする。しかし最近、基盤岩や火成岩で大規模油田が次々に発見され、有機物の埋蔵が少ないとされる古生層や先カンブリア系や原油が生成しないとされる深度5,800mや7,900mの深層で日量数万バレルの原油を生産する例が出始めた。

「有機起源説」は確立した学説であり、異論を唱えるのには勇気がいるが、種々の反証が出始めている。原油の主成分である飽和炭化水素は海生植物には僅かしか含まれていないなどなど、「有機起源説」に対する反証は多い。東シベリアの例では、「根源岩」と石油鉱床の距離が300km以上離れており、この間、浸透性の悪い岩石中を石油が側方に移動したとは説明がつかない。

「無機起源説」には「宇宙起源説」と「マントル(地殻深部)起源説」があるが、「地殻深部起源説」では地殻の深部の火成岩層で無機的に生成された油ガス(実験的にも立証)が岩層の亀裂や地殻変動の影響で生じた断層などの割れ目に沿って地表近くに滞留したものと考える。ペルシャ湾の油田分布を見るとプレート境界に沿って線上に配列している。原油中の微量金属成分はカンラン岩の成分に近いことが分かっているし、石油中にはダイヤモンドの微粒子が含まれている事実や、ダイヤモンド中には炭化水素流体が包有されているという事実も知られている。西シベリアのウレンゴイガス田、ウクライナのドニエプル・ドネツ堆積盆地の基盤岩油田、東南アジアの探鉱例、東シベリアの例、ペルシャ湾のガワール油田の例など、「無機起源説」でないと説明ができない。

最近、英国地質学会のシンポジュウムやモスクワでの学会などで「無機起源説」を支持する活動が行われているし、「無機起源説」を長年にわたって無視してきたAAPGも“石油の起源”会議を開催することになったのは冒頭に述べたとおりである(05年6月、カナダ)。「有機起源説」は伝統ある確立された学問体系であり、無機派の見解は統一的ではないが、数々の状況証拠が挙がっており、科学的吟味が必要である。

「無機起源説」に依るなら、石油、ガスの資源量は現在確認されているよりかなり増えることになるし、探索方法も改善されることになる。資源的に悲観視されている日本列島近傍も、プレート境界の構造線の入り組んでいる地域であり、油ガス田発見の可能性があることになる。

質疑概要

Q. 地球創生の過程で内部に取り込まれたものが深部から出てくると考えるのか、今でも地球深部で創られつつあると考えるのか?

A 現在では後者即ち高温高圧の深部で創られているという考えが大勢である。

Q 生成される速度と採掘される速度の関係があると思われるが?

A 長い時間をかけて創られてきたもののほんの上部に採掘が達した段階で、今後新しい考えで深部を探査することが重要な段階である。

Q 日本で無機起源説に基づいて探査するような試みが考えられているか?

A 無い。

文責:小笠原、松田

出席者(順不動)

太組、土井、加藤、荒井、杉野、石井(正)、石井(陽)、和嶋、伊藤、堀、森、林、池亀、益田、武藤(正)、神山、松永、石井(亨)、武藤(章)、篠田、松岡、佐藤、小笠原、山崎、金氏


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