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プルトニウムで強く汚染された地域
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放射線、振り切れる針 チェルノブイリ30キロ圏
2006年03月22日16時51分
86年4月のチェルノブイリ原発事故で全住民が強制疎開させられた事故現場の半径30キロ圏に、ウクライナ非常事態省の許可を得て入った。現場近くでは持ち込んだ放射線測定器の針が振り切れ、今も高レベルの汚染が残っていることが確認された。だが、動物たちは悠々と駆け回り、無人のはずの村に戻り暮らす人々がいる。政府は電気を供給し、帰村者を黙認していた。
「ここは『赤い森』だった」。運転手のピョートルさんが車を止めた。原発の西1.5キロ。事故の際、強い放射能のちりが降った。葉が赤く変色した松などの木々は、伐採し埋められた。
放射線測定器のスイッチを入れると、数値がどんどん上がり、「ピー」と鳴った。1時間当たり30マイクロシーベルトの測定限界を超えた警告だ。東京の自然放射線の約500倍。2日で一般人の年間被曝(ひばく)限度線量(1000マイクロシーベルト)を超える。
地面に落ちた放射性粒子は、雨で地中へしみ込むと思われた。だが、森の木々が根から吸い込み、落ち葉として地表に落とす。頻発する森林火災が再び拡散させる。放射性セシウムの9割以上は地表10センチ以内に残る。
事故を起こした4号炉と、それを覆う石棺には高い塀を挟んで約300メートルまでしか近づけない。01年の米同時多発テロ以降、テロを警戒し警備が厳しくなったという。
原発に隣接する労働者の町、プリピャチ市には、無人のアパートや公共施設が残っていた。住民約5万人は事故翌日に疎開させられた。今も原発で働く約3800人の職員は、30キロ圏外から交代で通うという。
●動物「楽園」400種が繁殖
原発から南西に13キロ離れたイリインツ村に向かった。途中、雪が残る森では大きな角を生やした鹿が悠々と歩いていた。
人が消えた森は動物の楽園になっている。400種以上の野生動物が繁殖し、特にイノシシ、オオカミ、鹿などが激増している。政府は無人の森を生かし、野生動物の保護区の設置を検討している。モンゴル原産の希少種の野生馬27頭が放牧され、60頭まで増えた。
●年金頼りに孫思う日々
無人のはずの村では、ハンナ・セメネンコさん(78)が大きな農家で独り暮らしを続けていた。復活祭に向け、刺繍(ししゅう)した布で壁を飾っていた。
事故後、別の村で息子夫婦や孫と、ひと冬を過ごした後、87年の秋に戻った。村民720人のうち260人が一緒に帰村した。生活は厳しく、今も残るのは30人だ。
毎月380フリブナ(約9000円)の年金が頼みの綱だ。野菜はつくり、肉や牛乳は週2回の「移動商店」で買う。
息子家族は首都キエフに住む。孫やひ孫に会いたいが、成長期の18歳未満は30キロ圏立ち入りが法律で禁じられている。「村は戦争でドイツ軍に2年ほど占領された。ひどかったが、家族は一緒だった。事故では家族も村もすべて失った」
サマショール(勝手に移動する人)と呼ばれる帰村者は、30キロ圏内の七つの村で計約300人。政府は黙認し、今では電気も供給している。
http://www.asahi.com/international/update/0322/009.html
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