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原子力委員会の新計画策定会議(議長、近藤駿介・原子力委員長)は29日、将来の原子力政策の指針となる「原子力政策大綱」(旧原子力研究開発利用長期計画=長計)を決めた。同委員会の了承を経て閣議にも報告される見通し。使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを再利用する核燃料サイクルは、従来通り推進することを明確化したほか、「もんじゅ」(福井県敦賀市)の事故で停止している高速増殖炉については「2050年に実用化する」と数値目標も盛り込んだ。こうした数値目標については、委員から「根拠がない」と批判する声もあったが、少数意見として付記するにとどまった。
大綱では、使用済み核燃料の再処理について、地中に埋める「直接処分」を含む4ケースを想定しコストや安全性など10の論点から検証。その結果、再処理路線を選んだ経緯などを説明している。
前回の00年長計では、「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故や、茨城県東海村の臨界事故を受け、従来は柱だった各種政策の数値目標の多くが明示されなかった。しかし、核燃料サイクルの要となる高速増殖炉については、「経済性などの条件が整うことを前提に2050年ごろから商業ベースでの導入を目指す」と明記。94年の長期計画より20年間先延ばししたが、数値目標が復活した。
また原子力発電を2030年以降も「基幹電源」と位置づけ、総発電電力量の30〜40%程度を維持するとした。
これらの数値目標は、資源エネルギー庁が今年初めに掲げたものをそのまま採用した。【中村牧生】
<解説>議論なお不十分、反対意見も付記
原子力委員会の新計画策定会議がまとめた「原子力政策大綱」は、巨額の費用が見込まれる核燃料サイクル路線を踏襲した。同問題について事務局は「100時間中、45時間をかけて多面的に検討した」と強調するが、本当に十分だったと言えるのか。
大綱案に対する国民からの意見募集では約1カ月間に701人から計1717件が集まり、「国民的な議論が不足している」などサイクル批判も多くあったが、吉岡斉・九州大教授ら委員2人の反対意見を「少数意見」として大綱に付記するにとどまった。「(32人の)委員の選び方に偏りがある」といった策定会議そのものへの異議も寄せられたが、事務局は文書で「原子力を巡る意見の多様性に配慮した」など一方的な見解を示しただけだ。
今月4日、東京都内で核燃サイクルを問うシンポジウムを開催した福島県の佐藤栄佐久知事は「一般市民が専門家と対話しながら政策を評価するコンセンサス会議を、政策決定のプロセスに取り込むべきだ」と要望する。原子力関係者の「原子力村」だけではない、より開かれた議論が求められている。【中村牧生】
毎日新聞 2005年9月29日 12時36分
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20050929k0000e040062000c.html
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