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http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/nuclear/news/05071201.htm
05.7.12
今年も世界各地で猛烈な熱波と干ばつが猛威を振るっているが、2年前の猛暑と干ばつの悪夢も覚めやらぬフランスも、この20年から50年の間で最悪と言われる水不足に襲われている。一部地域では、この9ヵ月の降雨が平年よりも60%も少ない例外的干天が続いている。95県中50県で農地への灌漑制限が導入され、穀物生産がピンチに陥り、多くの農民が、収穫を失うよりはマシだと、罰金・逮捕覚悟で灌漑を続けている有様だ。
しかし、ピンチに陥っているのは農民だけではない。国連関連報道機関・インタナショナル・プレス・サービス(IPS)の9日の報道によると、フランスのエネルギーの80%を供給する58基の原発も、記録的な高温のために発電停止に追い込まれそうだという(Dangerous Summer for Nuclear Power Plants,IPS,7.9;http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=29441)。
フランス南部のローヌ川沿岸に位置するトリカスタン原発は、冷却水の温度が国の環境法で定める25℃を超え、発電停止の危機にある。このルールや安全基準に従うと、原子炉は、内部の温度が50℃を超えたり、流水量が一定限度を超えて減ると閉鎖せねばならない。また、原発周辺の水棲動物の保護のために、排水温度は25℃以下に保たねばならず、また水が原子炉に入ってから出るまでに2℃以上上昇してはならない。
フランス反核団体・核からの脱出(Sortir du Nucléare)のスポークスマンによると、今年の夏は、一昨年来ヨーロッパを襲っている前例のない干ばつの一環としての高温のために、少なくとも操業停止の条件の一つは満たされると既に予想できる。
反核団体によると、フランスが記録的熱波に襲われた2003年夏、いくつかの原発が発電を停止せねばならない限界点に達した。そのうちのひとつ、一番古いアルザス・フッセンハイム原発は内部の温度が50℃を超え、外壁に高圧の放水をして冷やした。その他の原発は25℃を超える水を河川に放出した。多くの原発が同様な条件に遭遇したために、政府は水温の上限と流水量の下限を解除する決定を行った。
今年の夏は始まったばかりだが、多くの地域で、既に35℃を超える気温が報告されている。スイスから流れ出て地中海に注ぐローヌの谷には、川沿いに五つの原発があるが、周囲の気温は既に平均で35℃を超え、水温も20℃を超えている。パリから南西に500kmのビエンヌ地域では、ビエンヌ川が厳格な給水制限をするほどに干上がっている。ビエンヌ流域のシヴォー原発は、フル操業のためには一日35万㎥の水を取らねばならず、既に操業を停止した。およそ30の県で同様な水利用制限がされているという。
国営原子力安全機関の干ばつ専門家は、河川流量が減っても、すべての発電所は冷却のための貯水を持つから安全問題は起きないと言うが、反核団体は環境リスクに対する安全保障はないと、原発]依存への警告を続けている。
先のスポークスマンは、「2003年の夏は、核エネルギーの擁護者が行う約束が嘘であることを既に証明した。核エネルギーは地球温暖化を抑えないばかりか、温暖化が核エネルギーの利用能力を減らす。我々の気候問題の皮肉だ」と語ったという。
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