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今回の衆議院選挙は自民党の圧勝となったが、得票率から言えばそれほどの地すべり的勝利というわけではない。小選挙区では自民党は民主党の1.3倍の得票数で4.2倍の議席を獲得し、比例区は38%の得票率で、これに投票率を掛け合わせると、国民の4人に1人が自民党に投票したに過ぎない。これが圧勝となるのだから、小選挙区マジックともいうべきで、90年代の政治改革が初めて威力を発揮したわけだ。 日本人はなぜか改革という言葉に弱いようで、言霊のさきわうめでたい国だから、誰しも事実を検証する労をとるより言葉に酔いたいのだろう。おかげで小泉改革も最近ではリフォーム詐欺に類する詐欺の仲間入りをし、めでたい限りである。何にせよ改革のスローガンのおかげで、自民党はぶっ壊れるどころか、選挙の度に焼け太りしているわけで、民主主義の最低限の条件を政権交代と考えている海外の目には、50年も政権交代のないこの国はさだめし不気味に映っていることだろう。日本人は権力の腐敗に鈍感なのか、それとも権力はもともとそんなものでが甘い汁が吸えればよし、その恐ろしさは見てみぬふりをしてやり過ごすものと心得ているのか。もっとも小泉へのあの入れ込みようをみると、悪家老を追放して支配体制を維持していく三文芝居が国民は好きなのかもしれない。ただ今回の選挙でよかったことは、マスメディアが地に落ち、田原総一郎などの小泉工作員が正体をみせたことくらいか。あとは小泉に白紙委任したわけだから、国民がそのつけを払うよりしょうがないのだが、強者は政府が保護し、弱者は自己責任を強要される小泉政権(イラクでの人質事件を想起されたい)であることを各自心にとめておかねばならない。 さて権力の濫用を防ぐための三権分立など日本でははじめから絵に描いた餅で、司法権は完全に政府に従属しているし、国会も郵政法案の否決即解散となって立法権を否定されたのに、右往左往するしか能がない。まあアメリカの占領下、アメリカの代理人としてつくられたのが自民党であれば、アメリカへの隷属状態が続く限り自立もなく、どんな制度も無駄なのかもしれない。ただ今回の選挙騒動のように、衆愚とマスメディアの体制翼賛が重なり合った恐ろしさを目の当たりにすると、こういった危険をあらかじめ想定した制度が必要ではないかという気がする。たとえば参議院を全国区だけとし、議員を政治や宗教団体などに所属しないものに限定し、十分なスタッフを揃えて政策を提言することを義務づけるとか。