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米国はイラク戦争で困難な情勢になっており、撤退とその後の親イラン政権樹立による米国の中東でのプレゼンス失墜は避けられない。巨額の経常赤字を抱えた米国は原油のドル決済の維持によってかろうじて基軸通貨の地位と世界覇権を維持してきたが、イラクからの米軍敗走は原油のユーロ決済選択国家出現によるドルの覇権失墜につながりかねない。
この様な困難な状況で米国が打ち出してきた政策は、日本と中国を対立させて両国から金や資産(重要な企業の株式など)を奪い、覇権の延命をはかるという政策である。その為に、小泉政権では親中国・親ロシアの政治家が次々と失脚させられ、小泉首相が靖国問題や北方領土問題で無意味に中露を刺激する政策(靖国参拝を公言したり、北方領土の四島一括返還にこだわったり)をとって日本を孤立化させ、日本が対中問題で米国に依存するしかない状況を作りだした。米国は今後、「日本から軍隊を引き揚げて中国に侵略させるぞ」と日本を脅して日本から金や企業の株などを強奪していくことだろう。これは、米国が英独の対立を通じて、欧州で孤立した英国から世界覇権を奪った手法 、あるいはサウジアラビアとフセイン政権のイラクの対立のもとでサウジアラビアを脅し石油利権と金を奪い取った手法の再現という見方もできる。
しかし、ユーロの登場により、日中関係の行方に関わらず米国の世界覇権喪失はもはや避けられないものになっている。断末魔の米国は焦り故に日本に対して酷い残虐行為を行ってくるかもしれない。日本がもしイラク問題や通貨問題で米国を裏切ったならば恐ろしい報復が待っていることだろう。仮に民主党が高い支持を集めるならば米国は日本に対して自作自演テロで報復を行うであろう事は目に見えている。
日本としては米国を公に裏切ることはしないが、米国の日本買収には抵抗して時間を稼ぎ、その裏でロシアや欧州と手を結び、最後に米国を裏切ることで米国の世界覇権にとどめを刺すのが賢明であると思われる。その為には、小泉政権が大勝利と予測される状態で米国を安心させておき、開票してみればなぜか敗北して与党が過半数割れになり、民主党も大躍進するが過半数を取れずに政権大混乱という状況になるのが理想的と思われる。仮に小泉が大勝利してしまえば断末魔の米国は日本に無茶な要求を次々と押しつけ、反対すると「中国に占領されてもいいのか」と脅してくるだけだ。また、民主党が過半数を取ればイラクからの撤退という政策を実行することになり、米国の恐るべき報復は避けられないだろう。
今回総選挙の理想的な展開としては、自民+公明225議席、民主215議席、造反派25,共産+社民15といった状態で小泉が敗北の責任をとって辞任、造反派を含めた連立政権でイラク派兵は維持するが郵政民営化法案は継続審議or政府の株式保有51%以上の条項をつけて成立させるべきだろう。
また、米国の世界覇権喪失後の日本の取るべき路線はロシアとの軍事・経済同盟以外にないと思う。米国市場喪失のダメージはロシア市場でかなり取り返せるし、かつて極東の領土を中国から奪った過去のあるロシアは中国の台湾回収の次に自国東部が浸食され中国の半植民地状態に陥る危険があることを十分認識している。
現在は中印露三国による同盟が成立しているが、今後もし中印両国がEUのような国家統合へと進行するならば人口の少ないロシアは中印両国に比べて圧倒的に発言力が小さくなってしまう。かといってEUへのロシアの統合はその大きすぎる人口(独仏合計に匹敵)のためにEU内部での発言力が大きく成りすぎ、ソ連時代の悪夢を覚えている東欧諸国からすぐには同意を得られない可能性が高い。単独ではスーパーパワーにはなれず、しかし中国や欧州というスーパーパワーに囲まれている状態で、ロシアの活路は日本との同盟によるスーパーパワーの地位奪還しかないと思う。日露は人口がほぼ等しく、仮に部分的な国家統合に進んでも独仏連合のように両国が対等な発言力を維持できる。また、日露が部分的な国家連合に進むことでEUや米国に対抗して自国の権益を守ることができる。
北方領土問題については2+2の解決法とし、領土喪失に対するロシア人の不満は日本との同盟による超大国ロシア復活というメリット、あるいは実質上は日本領土になるが名目上のみ国後と択捉をロシア領or共同統治にするということで満足してもらうことができるだろう。
21世紀の世界は独仏連合の支配するEU、日露連合、北米連合の三つの先進スーパーパワーと、中印連合、南米連合、アフリカ連合、アラブ系+トルコ系+イラン系+パキスタンのイスラム連合、アセアンの5つの途上国スーパーパワーに統合されていくと思われる。その世界において、日露両国がEUや北米、中印連合に対抗して国益を守るには、軍事力や市場、通貨などを可能な範囲で統合してスーパーパワーになる以外に道はないと思われる。