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国営であったものを民間会社に任せるという事なのだが、
よく分からないのは、民間に任せたら採算が合って、国営のままでは採算割れになるという事があたかも必然であるかのように語られている事だ。
官僚が採算を合わす努力を怠っているだけではないか?
また、実際には採算が合っていても、その採算部門を民間に払い下げて民間に金儲けをしてもらおうという事も主張されている。
郵政の4分社化では郵便局の窓口業務をする会社が最も採算割れを起こ可能性が高いでしょう。
一方、窓口業務を下請け会社に任せたのも同然の郵便銀行会社は金だけを少人数で取り扱えばいいだけだから黒字になるでしょう。
わざわざ金儲けのネタを民間会社にくれてやろうとしているのだ。
国鉄も不採算部門を切り捨てたり首切りによって採算を合わせただけなのだ。
こんな事をすれば採算が合うのは当たり前だが、その事自体がいい事なのかが問われなければならない。
私はこの選択は、民間資本主義か国家資本主義かの選択であってそれ自体はどちらがいいとは言えないと思っております。
しかし、少なくとも国家資本主義に対しては我々は意見を言う余地を残していると思いますが、民間の株式会社に意見を言うのは株主でも無い限り遠い話だと思っております。
郵政民営化の主要な目的はもちろん郵貯・簡保の金をアメリカ資本にくれてやる事でしょう。しかし、そうなると言ってももちろん竹中などは初期に郵便局窓口で販売する投資信託の商品の銘柄は国内向けのものが多いなどとゴマカスだけだろう。
この問題を我々はいかにうまく日本国民に伝える事ができるのかが今問われていると思います。
小泉や竹中は「民間にできる事は民間に任せて小さな政府を作る。」という。
しかし、郵政を民営化して歳出がどれだけ減るというのか?
逆に国政がアテにしなければやってこれなかった郵貯や簡保の資金を失う事につながるのではないか?
この点が分からない。
民営化とは税金によって行ってきた公共サービスをも市場原理の中に叩き込んで
「受益者負担」の原理で運営するという事だ。
つまり、国は国民から税金だけ取っておいて、サービスは金を払って民間企業から受けてねという論理なのだ。
国家にとってこれほど虫がいい論理は無い。
民間企業の労働者は利益を上げる労働のみを命令される。
国民に対するサービスの中には利益を得る事できないものが無数にある。
そういう持ち出しを全部やめようというのが民営化論の主張なのだ。
国家が国家がなすべき仕事をやめるのが民営化論の正体である。
国家公務員の中には勤務態度が民間企業よりも劣る人もいるかも知れない。
しかし、その事をもって民営化を進めるのは暴論だ。
国家財政が破綻した原因はちゃんと分析しなければならない。
その分析をちゃんとせずに「とにかく国家公務員を減らせ」というのは解決方法の順番を1つ飛ばしてしまっているのだ。