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(回答先: あっしらさん続きです。プライマリーバランスは政府債務が多いほうがとりやすい。 投稿者 GOKAI 日時 2005 年 8 月 25 日 22:17:49)
GOKAIさん、どうもです。
3点に絞って質問します。
1) 政府から民間に流れる3千兆円はどのような名目の財政支出ですか?
3千兆円の一部でも一般会計歳出ならば、「赤字国債の大量追加発行の方がプライマリーバランスをとれる。」( http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/686.html )で示されたプライマリーバランスのとりやすさに関する計算は変わってくるからです。
GOKAIさんは、一般会計歳出総額82.2兆円から今回のモデルでは不要である国債償還費13.4兆円を除いた68.8兆円が一般会計歳出ということを前提に、「個人金融資産1400兆円から44兆円を徴税するのと、4400兆円から107.4兆円を徴税するのとでは、率から言うと前者では、44÷1400×100=3.1(%)後者では、107.4÷4400兆円×100=2.4(%)・・となって」と説明されています。
まず、GOKAIさんのモデルでは今年度のプライマリーバランスを維持するための税収は、44兆円ではなく、68.8兆円−9兆円=59.8兆円になるはずです。
そして、3千兆円の追加赤字財政支出が行われたら、一般会計歳出そのものの金額が変わります。
一般会計歳出は、59.8兆円+3000兆円−47.6兆円=3012.2兆円と想定してみます。
この一般会計に占める支払い利息は「9兆円+38.6兆円=47.6兆円」ですから、プライマリーバランスを維持するための税収は、「3012.2兆円−47.6兆円=2964.6兆円」になります。
それをもとにGOKAIさんの計算式に適用すると、
政府債務残高 700兆円:59.8兆円/1400兆円*100=4.3%
政府債務残高3700兆円:2964.6兆円/4400兆円*100=67.4%
となり、民間金融資産4400兆円から2964.6兆円を税として吸い上げなければプライマリーバランスはとれないことになります。
3千兆円を一気に赤字財政支出する年度に限って、プライマリーバランスは無視するということでしょうか?
そうだとすると、3021.2兆円の一般歳出があった翌年度からは、2005年度と同じ実質一般会計歳出規模(68.8兆円+38.6兆円:利払い費増加分)に戻すということでしょうか?
GOKAIさんは、今回のレスで、「政府債務は民間へのマネーの供給であることが前提ですから、経済規模が大きくなればそれに応じて政府債務残高を増加させるし、経常貿易赤字となり経済規模を縮小する必要が生じた時は政府債務残高を縮小させる政策を選択することになります」と書かれています。
このようなお考えであれば、プライマリーバランスをとるための税収が異常なレベルであり続けたり、急激な物価変動で国民経済は右往左往することになるのではありませんか?
それとも、一般会計歳出ではなく、独立採算的な特別会計歳出を通じて3千兆円を民間に流すというのでしょうか?
2)「個人金融資産−徴税額」が税負担の軽重を考える指標として意味があるのでしょうか?
【GOKAIさん】
「課税ベースが個人金融資産を対象に税率をかけたものだとは思っていません。
あくまで 個人金融資産−徴税額という計算で 残高が幾らだから、負担が辛いかどうかの判断です。
課税対象は徴税額目標に応じて設定できると思います。
そして大切なことは一旦徴税されたマネーは政府事業の報酬として再び民間の個人貯蓄に戻ることです。」
【GOKAIさん】
「それに徴税額は所得税+消費税+法人税+その他ですからストックの分散先も特定しなくて良いかと思います。つまり、個人金融資産を民間金融資産と名目を置き換えて考察して頂けたらと思います。」
[あっしら]
「徴税されたマネーは政府事業の報酬として再び民間の個人貯蓄に戻る」というのは銀行や企業の内部留保も究極的には株主の資産だという意味で認めますが、金融資産は個々の家計・企業で大きなばらつきがあります。
家計の20%は貯蓄なしのその月暮らしであったり、不動産など固定資産はあるとしても金融資産は債務超過という家計や企業も数多くあります。
金融資産が純資産である家計や企業はそれほど多くありません。
(少数の大金融資産家や優良企業に純金融資産は集中しています)
誰かの金融資産は他の誰かの金融債務であり、ほとんどの民間金融債務は不動産や生産設備といった固定資産になることでバランスがとられています。
“純粋な”金融資産は「タンス預金」だけで、保険会社を含む金融機関に預けたお金や債券類に投じたお金は誰かの債務となったり固定資産になることで使われてしまっています。株式取り引きは株式とお金の交換で株式の価値保存性はそれほどあてになりません。
(「タンス預金」を除外すれば、金融資産=金融債務でチャラというのが基本です)
また、銀行は「信用創造」を行って貸し出しを行っていますから、オリジナルの金融資産を超える債務が形成されてもいます。
このような金融資産状況のもと、「個人金融資産−徴税額という計算で 残高が幾らだから、負担が辛いかどうかの判断」ができ、「課税対象は徴税額目標に応じて設定できる」と思われるのであれば、どのような課税対象を考えられているのか概略でけっこうですからお示しください。
3)3千兆円という追加赤字財政支出のための借り入れはどこから行うのでしょうか?
日本は民間金融資産を超える「民間債務+政府債務」があります。
金融資産で不足する資金は、日銀が国債などを買い入れることで補填しています。
日銀の直接引き受けでも日銀が商業銀行を使って迂回的に引き受けるでもかまいませんが、3千兆円がどのようにファイナンスされるとお考えなのかお示しください。