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堀江貴文 ――資本主義社会が生み出した申し子
ライブドア社長である堀江貴文氏。球団設立構想からニッポン放送買収劇、果ては衆
院選出馬までと彼は何かと世間(というよりかは、メディアかもしれない)を騒がせて
きた。
堀江氏の特徴はメディアによく出ることだ。そして、豊富な「カネ」を背景に物事を
進めてきた。
球団設立騒動の時には、渡辺オーナーの「古い体質」を打破すべく、堀江氏が頑張っ
ているんだと思われたりもした。確かに従来からある球団経営者からは「新参者」扱い
され、渡辺氏にとっては「鬱陶しい」存在だったろう。そんな「馴れ合い」から打破し
ようとしたのが堀江氏だった。
球団の戦いが楽天の参戦により熱を帯びる中、楽天の球団設立という「勝利」で幕を
閉じた。ライブドアは「敗北」したのだった。
次に巻き起こったのが「ニッポン放送買収劇」だった。これは、同放送を買収するこ
とにより、ニッポン放送の子会社であったフジテレビを支配しようという目論見が指摘
された。さすがの今回は前回の騒動とは違って、放送業界という「メディア買収」に対
する批判も巻き起こった。
結局、ソフトバンクによるフジテレビへのてこ入れもあって最終的にはライブドアと
フジテレビが和解することとなった。しかしこの買収劇は、カネさえあれば何をしても
良いのかという「倫理」の問題を提起することにもなった。
そして、今回の「堀江社長総選挙出馬」である。自民党から公認する予定であったが、堀江氏個人の事情もあって「無所属」での出馬となった。しかし、実質亀井静香氏の対抗馬として自民党が支援する予定である。
つい前まではニッポン放送買収によって自民党から警戒されていた堀江氏だが、自民
党の推し進める「刺客」候補擁立には「著名人」が必要になってくるのと堀江氏自身、郵政民営化賛成なのが互いの利益が一致したのか、すんなりと事は運んだ。
堀江貴文氏は一見何を考えているか分からない。しかし、これらのことを観察してい
ると所詮彼にとっては全てが「金儲け」に繋がっているのだ。そこには自分の信念だと
か理念などは無い。ただ、ひたすら金儲けに奔走し、そのためにはありとあらゆる手を
使う。
そして、そこから見えるのは正に資本主義の性質である、競争原理だとか市場経済、
弱肉強食の考えが横たわっている。
郵政民営化による外資の参入が懸念されているが、堀江氏の動きもこのような動きと
連動しているのだろう。
最後に書いておきたい。ライブドアが運営する検索サイトのコンテンツに「ライブド
アニュース」がある。その中に新たに掲載する記事として「しんぶん赤旗」を加えた。
これは日本共産党の機関紙である。私はこの真意がよく分からなかったが、彼にとって
はカネになるものなら何でも使っていいと考えているのだろう。
堀江氏の登場により資本主義色が濃くなる中で今後一層の金儲け最優先の企業や経営
者が現れてくるだろう。
しかし、このような事態になったのも堀江氏自身が日本の資本主義社会の中で、競争
が当たり前の社会の中にどっぷりと浸かっていたのが原因かもしれない。これは私たち
にも言えることである。そのようなことからすれば状況によっては日本に住んでいる人
全てがこのような資本主義の塊のような人間になってしまうことは十分ありえるのだ。
このようになった原因は当然、政治にもあるだろう。大企業に利する形で政治を行う。子供たちは小学校から教育現場では「テスト」、「テスト」と競争心をあおられ、受験に疲弊しきる。これに「つまずいた」子供はどうなるのだろうか。ある者は「非行」に走るだろう。そして「つまずかなかった」子供も結果的に競争させられているのだ。将来、また就職先などで競争しなければいけないから。
「ホリエモン」は「ホリエモン」だけではないのである。