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<Vol.212 :緊急号:郵政民有化解散> 8月9日 吉田繁治
http://blog.mag2.com/m/log/0000048497
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■6.資金を民間に回すという政策は可能か?
この資金を民間に回すということは、どんな意味をもつか?
国債を売却して現金(流動性)を手にし、それを民間に融資し、社
債を買うということしか方法はない。
(注)郵貯・簡保が持つ304兆円を、金融市場でさばくことの意
味について、政府と民主党の双方で、検討がされていないように思
えます。
▼郵貯・簡保が国家への貸付を減らせばどうなるか?
もし郵政公社(あるいは民営化会社)が、これからも年40兆円の
規模で増発される国債、10〜20兆円規模で増える地方債を、市
場で売却すれば、金融市場はどうなるか?
「売却の方針」がマーケットで感じられた途端に、国債価格が下落
し金利が上昇します。(しかし売却しない限り、郵貯・簡保も資金
はない。)
郵貯・簡保も、国債価格と債券の下落で、巨額の損失を蒙ります。
そうなると、民営化での資金運用どころではなくなります。
民営化で政府保証を失った郵貯に、取り付けのような「大量引き出
し」が起こるかもしれません。
郵貯・簡保が資金を出している政府財投(約350兆円:特殊法人
貸付)のうち100兆円は、不良債権と見られているからです。
民間金融機関(銀行・生保)も、国債を最も多額に持つ郵貯・簡保
が手放すなら、やっとの思いで確保した自己資本(8%または4%)
が、手持ち国債の下落による損失で壊れるのを恐れ、投げ売りす
るでしょう。
国債の安定した買い手であり、増加して保有してきた郵貯・簡保が、
国債を買わない、または売却するとなれば、横を見ながら、国債
下落の損失を恐れている金融市場の反応は、激しいものになります。
「すでに使われてしまった」郵貯・簡保資金を、赤字で金庫が枯渇
している国家から回収することは、事実上不可能です。(このこと
が大切な点です。)
郵貯・簡保は低利の国債を買う機関でした。
日銀と並んで超低金利策を助けてきたのです。
郵政公社が国債を売却すれば、
・国債の暴落、
・金利の急上昇という市場の波乱が、即日に起こります。
金融市場は「割引によって未来を現在化する方法」を使う市場です。
マーケットは条件の変化(例えば、郵政公社が国債・財投債を買わ
なくなること)に敏感です。
郵政公社が増加して買わないという方針になったようだというだけ
でもマーケットの波乱が起こります。
国債が、金融機関に買われている理由は、
・郵貯・簡保が、安定した買い手であること、
・日銀が月1.2兆円を買っているという背景があるためです。
郵貯・簡保が国債を買わねば、あとは日銀しかない。
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