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いわゆる昨今の「純愛」ブームにのっかったわけでもあるまいが、宿敵「2ちゃんねる」の掲示板から生まれた恋愛小説「電車男」(新潮社)が大ヒット中だそうである。小説は言うに及ばず、映画、テレビまで破竹の勢い(?)で、テレビ版にいたっては視聴率が20%を越えたとか。当方は見てはいないが、主役の「電車男」に伊藤淳史が、一方ヒロインの「エルメス」に美人女優の伊東美咲が扮し、あの日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」のテレビ欄でも紹介されている始末。いやはや、なんともいえない一大ブームの感がある。
ところでこの電車男であるが、いくつかのサイトやブログで、その「やらせ」疑惑が取りざたされている。もともと、「2ちゃんねる」自体がそうした性格を持っていることはいうまでもないが、話の構成がいかにもそれらしい、ということが大きな理由に挙げられよう。筆者も、あるブログの主催者の言葉を真似して言えば、これは読者参加型の「劇場版」恋愛小説として読むのが適切ではなかろうか。
もちろん、「2ちゃんねる」の管理人が嘯いているように「嘘を嘘と見抜ける人でないと」確かにこの種のドラマを楽しむのは難しいのかもしれない。当方は完全なフィクションとしてしかとらえていないが、現実にはこの種のドラマを実話と思うような人間もいるのだろう。そういう「オタク」な(擬似「オタク」を含む)若者(とそれ以外の人間も)に、この話はある種の「癒し」(この言葉はあまり使いたくないのだが)を与えてくれているのだろう。
しかし、所詮「御伽噺」はそれ以上でもそれ以下でもない。現実の恋愛や男女の付き合いなどそんな単純に進むわけでもなければ、夢のような「出会い」がおいそれと転がっているわけでもない。生身の人間同士の付き合い方に、万能の手引書や「神様」が存在するはずもないことくらいわかるはずだが、それにもかかわらずこの種の「純愛話」が受けるのは、今の「ネット世代」を取り巻く社会環境がそれだけさまざまな矛盾を抱えこんでいるからかも知れぬ。
この問題は、引き続き取り上げる。