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(回答先: 一利を興すは一害を除くにしかず、一事を生やすは一事を減らすにしかず 投稿者 ジャン 日時 2005 年 8 月 13 日 03:38:21)
では、なぜサッチャーの市場化テスト方式は、ブレアのベストバリューへの転換にいたったのか。もちろん、政権交代はあったにせよ、民営化に伴う、当初に受注した民間事業者の不慣れに伴う、安かろう悪かろうという問題は出てきていたと思われるが、それだけではなかったに違いない。
市場化テストは一方で規制緩和同様に民間事業者にあらたな機会をあたえ、経済の活性化への道をひらいたが、他方では英国公務員の失業をもたらしたはずであり、民営化による効率化が、より合理的システムへの転換によってもたらされたものではなく単純に低賃金化や労働強化によってもたらされたに過ぎない程度の内容だつたのではないか。その結果、失業者に元公務員の割合が増加するだけでなく失業者全体が増加し、これが新たな問題と化し、労働党政権への政権交代につながったのではなかろうかと想像される。日本において、このような流れが起こるとは限らない(むしろ派遣労働者などの形態が一般化しつつある日本においては、公務員という身分制度は特別な存在になりつつあり・・もともと公務員制度自体が労働者の分断差別化の一つかもしれないが・・、反対により民営化を促進する流れにあると思われる)が、効率化によって得られる余剰は、莫大な借金の返済にあてられるに過ぎず、税額は変わらないという状況、むしろ高齢化や総人口の減少に対応する消費税の大幅増加が予測される中で、民営化の意義を国民はどのように受け止めるのだろうか。
いずれにせよ、財政と経済の連関について一側面のみにとらわれることなく、より広い視点で全体としての費用対効果や合理化の促進を追求するという方向性もありうるのだろうとつらつら思ったりする。