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縄文ビト さんへ
http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/440.html
投稿者 外野 日時 2005 年 7 月 18 日 08:46:14: XZP4hFjFHTtWY
 

この投稿は縄文ビトさんの次の投稿に対するレスです。

Re: 僕も不可解です
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/856.html
投稿者 縄文ビト 日時 2005 年 7 月 12 日


縄文ビトさん 遅くなりました。申し訳ありません。

> ちなみに人間開放とは
> 1労働の売り買いのない社会の構築
> 2他者の労働の私有化の禁止
> 3完全なる政教分離
> 以上が人間が平等になる基本となります。

縄文ビトさんは将棋をおやりになるでしょうか。僕は下手の横好きというやつでよくやりました。今でも結構将棋の本などを気分転換で読みます。

将棋には様々な戦法があります。
矢倉戦法、振り飛車戦法、角換わり戦法、横歩取り戦法、相掛かり戦法、ひねり飛車戦法等々で、またそれぞれの戦法にはさらに細分化された様々な戦型が存在します。
一局の将棋がどの戦法の戦いとなるかは、序盤の数手でほぼ決まります。もちろん相手が存在するゲームですから、自分がたとえば矢倉を指したいと思っても、相手がそれを拒否して矢倉戦法には進展しない手を指せば、別の戦法の戦いとなります。

ところで、世界を将棋の盤とし、主義主張などを将棋の各戦法と例えた場合、僕は現在のこの世界は将棋でいえば中盤を過ぎて終盤にさしかかっている局面だという気がします。

中盤というのは、戦法によっても違いますが、初手の指し手から数十手進んだ、自分の駒と相手の駒がぶつかり始め、局面が大きく動く状態にある時を言います。
また終盤とは相手の王様を詰ます最後の段階の時です。

この世界は中盤を過ぎて終盤にさしかかっている、と僕は書きましたが、これは誤記ではありません。今の世界の状態は、多くの国がそれぞれの国同士しのぎをけずって戦っているというような状態ではなく、資源の問題、人口問題、環境問題など、地球──人類も含めた自然一般──を相手に世界は戦っており、その世界側がそろそろ相手の地球側に詰ませられる状態に近づいてきていると考えてのことなのです。
他の国を相手に戦いを挑むなど、そんな悠長なことを言ってはいられない状況、もっといえばその資格すら今の世界にはない、と言える状態にあると思います。ブッシュ等の愚かさはこの意味で極まっています。

将棋の戦法の話に戻りましょう。序盤では戦法を選ぶことは権利だし、また有意義なことです。中盤ではどうでしょうか。中盤の戦いは各戦法ごとに戦い方というものがあり、まだ選んだ戦法の考え方が色濃く残ります。では終盤では──。
終盤ではどんな戦法で戦ってきたかは既に問題ではなくなっています。盤上の相手の王様を直線的に詰ますという状態で、そこには戦法というような型は存在せず、ただ数学的に最短で詰ます指し手が存在するだけです。

つまり、資本主義でやってこようが、共産主義、社会主義でやってこようが(将棋でいえば、序盤にどんな戦法を選んでやってきたのだとしても)、今の世界が直面している状況は既にそんな型を選ぶ猶予がある状態ではなく(将棋でいえば中、終盤にさしかかっており)、純粋に学術的に様々な問題に対処しないといけない状態にあるということです。
指す手がひどく限られている状態、学術的にそれぞれの分野において科学的に最善の手を指し続けて行かなければ負けてしまう、という状態にあると考えています。

その人類の叡智がつむぎだす最善の手は、結果的に、資本主義的なものかもしれない、あるいは社会主義的なものかもしれない、しかし、それは結果であって「選択」ではない、そんな「選択」というような余地は今の世界にはない、ということです。そして負けた場合、人類は滅びます。
まずはその今の戦いに勝ってから、戦法を(主義主張を)云々することにしましょう、というのが僕の考えることです。

実は将棋において各戦法が存在するのは、序盤で数学的に最短で相手の王様を詰ます計算が人間には出来ないからであります。もし、その最善手が初手から判明していれば、そもそも将棋というゲームは存在しません。指す手は厳密に一手一手決まっており、先手が勝つか後手が勝つかまで、やる前からわかるからです。
IBMのディープブルーはチェスで人間の世界チャンピオンに勝ちました。ディープブルーは何をやっているのかというと、序盤から将棋でいうと終盤のような計算をしているのです。つまり、序盤から相手の王様を詰ますべく天文学的な幾通りもの手を全部内部でやってみるのです。あみだくじでいえば、全ての経路を一度辿ってみるようなものです。
しかし、将棋の名人に勝てるコンピューターは今のところ存在しません。それは、アミダくじの全ての経路を一度辿ってみるような計算が、駒の数の多さ、また取った相手の駒を使えるという、ある局面での可能な指し手の数がチェスより格段と増える将棋では、今のコンピュータでは不可能だからです。ただし、可能な指し手の数が減る終盤でなら将棋でもそのディープブルー的な手法で現在でもできます。詰め将棋に関してだけいえば、それ故、今ではコンピュータのほうが名人より強いです。

とはいえ、人類がつきつけられている問題の数々は、いくら終盤だとはいっても、ディープブルーのような計算が可能なほど簡単なものでもありません。
しかし、その前に、何はともあれ終盤にさしかかっているという認識が必要です。
多くの政治家、官僚を見てください。日本という国家が財政的に破滅するという時に、未だに作成する法などに天下りだのの算段を入れます。これでは社会的弱者をいくら犠牲にして税金をまきあげてもその埋め合わせすらならないでしょう。そんな連中が、”地球”相手のあとの無い戦いにおいて無私になれるわけもありません。むろん一国の財政的な問題もそれに深く関わってくるので、既に彼らはその戦いでは反作用を及ぼしているといえます。
そういう現状を変えるのにはどうしたら良いか、がまず考えねばならないことかもしれません。

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