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朝日新聞からhttp://www.asahi.com/national/update/0216/TKY200602160223.htmlより引用
オウム松本被告、月内に精神鑑定結果 公判、重大局面に
2006年02月16日15時01分
オウム真理教元代表、松本智津夫(麻原彰晃)被告(50)=一審死刑、控訴中=の精神鑑定結果が、今月中に東京高裁に示される見通しとなった。裁判を受ける精神的な能力(訴訟能力)があるかどうかを高裁が判断するための極めて重要な資料となる。訴訟能力に問題がないとの鑑定結果が出れば、弁護人の対応次第では控訴が棄却され、死刑確定に向かう可能性もある。地下鉄サリン事件から11年、一審判決から2年。止まっていた公判は重大な局面を迎える。
鑑定は昨年9月、高裁の職権で始まった。高裁は一貫して、訴訟を前に進めることを重視。「迅速な裁判を」という被害者側や世論に歩調を合わせる形だ。04年12月には須田賢裁判長が自ら松本被告と異例の面会。「説明を理解できており、訴訟能力はある」と判断した。だが、「訴訟能力はない。意思疎通ができず、控訴趣意書も出せない」とする弁護側と対立、専門家に判断を求めていた。
鑑定を担当しているのは、高裁が選任した精神科医。昨年死刑が確定したある死刑囚について「訴訟能力あり」の鑑定を出したこともある。この死刑囚は、意味不明な発言を繰り返して「拘禁精神病による幻覚妄想状態」と診断され、「訴訟能力なし」として公判が約5年間停止されていた。だがこの精神科医の鑑定が決め手となり、公判が再開された。
こうした経緯から、弁護側は「高裁寄りの判断が出かねない」として、月に1〜2回のペースで医師と接触。精神病をうかがわせる弁護人との接見資料や、独自に松本被告と接見してもらった3人の精神科医による「訴訟能力はない」との意見書を医師に渡した模様だ。
鑑定医は、弁護人との面会や資料提供に応じてきたが、内容をどこまで考慮するかは不明だ。直接の診断や膨大な訴訟資料、拘置所での生活記録などから総合的に判断するとみられる。拘置所の報告書によれば、最近も松本被告は「何やってんだ、このやろう」(昨年10月末)、「なめんなよ」(同11月初旬)などと言葉を発しているという。こうした被告の状況をどう判断するかが注目される。
鑑定が出れば、高裁は検察、弁護側双方の意見を聴き、司法判断として訴訟能力の有無を確定させる見通しだ。
訴訟能力があると判断された場合、弁護側は極めて難しい決断を迫られることになりそうだ。
控訴趣意書を提出しなければ、高裁はそれを理由に控訴棄却決定に踏み切る可能性がある。弁護側には、異議申し立てや、それが退けられた場合の最高裁への特別抗告が可能だが、実体審理が再開される可能性は低いとみられる。
一方、趣意書を提出した場合、本来の提出期限(昨年8月末)が過ぎていることを理由に高裁が機械的に不受理にしない限り、控訴審の公判が始まる。審理は最高裁までもつれ込むことが予想されるものの、訴訟能力があるとの前提で進むことになり、弁護側は方針の転換を余儀なくされる。