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バチカン ゴトヴィナ将軍を庇護 -旧ユーゴ戦争犯罪法廷(マニフェスト)
http://www.asyura2.com/0505/cult2/msg/252.html
投稿者 kamenoko 日時 2005 年 9 月 22 日 15:09:42: pabqsWuV.mDlg
 

バチカン ゴトヴィナ将軍を庇護 -旧ユーゴ戦争犯罪法廷(マニフェスト)

 国連旧ユーゴ戦争犯罪法廷のカルラ・デル・ポンテ主任検察官、
 ザグレブの”英雄”逮捕の妨害をしているとカトリック教会を非難

 ナヴァロ・ヴァリスの強硬姿勢 :”根拠がない”
 ウォイティラ教皇庁も関与か?

05年9月22日 イル・マニフェスト

昨日のバチカンプレスルームとクロアチア政府に、戦慄が走った。国連旧ユーゴ
戦争犯罪法廷のカルラ・デル・ポンテ主任検察官が、英紙デイリー・テレグラフの
インタビューで、バチカンを”アンテ・ゴトヴィナを庇護している”と告発した。
95年の”オペレーション・テンペスト”でクロアチアのリカ・コルドゥン・バノヴィア
に住むセルビア系住民数万人を虐殺した疑いで、01年から同法廷が追っている人物だ。

”根拠を示したことがない”デル・ポンテ氏へのバチカン広報ホアキン・ナヴァロ・
ヴァルスの反応は、とりわけ厳しいものだった。 水面下の対立は、新しい”ドイツの
羊飼い”への疑惑を反映している。 バルカン半島の民族紛争中に、カトリックの
クロアチアに対する共感を隠し立てしなかったウォイティラ教皇とともに、ゴトヴィナ
に対するカトリック教会の中立とは言い難い態度が関係しているとの疑惑だ。

全てはロンドンで、数日前のザグレブでの不可解なテロ行為に付随して始まった。
在クロアチア英国大使館の事務職員が、箱爆弾で重症を負った事件である。
そしてロンドンで、日刊紙デイリーメールのコラムを通じて、カルラ・デル・
ポンテ氏が公然と姿をあらわした。

 (kame注 今年の夏に行われた犠牲者追悼式典に欠席したデル・ポンテ氏は
  「現状では遺族に顔向けができない。権威の操作妨害がある」と発言したまま
  沈黙を守っていた。)

検察官は、戦争犯罪人がクロアチアのフランチェスコ会修道院に匿われていると
主張し、他のソースはクロアチアの支配下にあるボスニア・ヘルツェコヴィナの
フランチェスコ会修道院にいるとしている。第二次大戦下と先の兄弟民族紛争に
おける虐殺の舞台であり、ネオ・ウスターシャ、ウスターシャの大罪が知られる
地域だ。 ここの修道院を基地としていたナチス・ファシスト支持者たちと
密接なつながりを持つローマ・バチカンの共犯者たちの黙認により、アンテ・
パヴェリック ウスターシャリーダーを含む指導者クラスが逃走に成功した。

偉大な”国の英雄”と讃えられているネオファシストを匿っている場所を、
クロアチア(クロアチアとヘルツェコヴィナ)内の80修道院から割り出す作業は、
バチカンなら”数日で可能”とデル・ポンテ氏は主張する。 また氏は、今年の
7月にバチカン市国の重臣ジョヴァンニ・ラヨロ枢機卿と面会したことを明かした。
”ベネディクト16世の外務相(ラヨロ氏)”は、デル・ポンテ氏の急を要する
要請に対し、バチカンは国家ではなく、また”特別な義務も有していない”と
回答したと伝えられる。 国連組織への事実上の協力拒否である。

ザグレブの監督教会委員会(ボスニア・ヘルツェコヴィナの司教の集まり)の
反応も攻撃的だ。 広報アントン・スリジック師は、デル・ポンテ氏のバチカン
に対する告発は”受け入れ難い”と断言し、その理由を ”クロアチアの
カトリック教会は、ゴトヴィナの居所を示す情報を有していない”とした。
ゴトヴィナには、95年のセルビア系市民150人の虐殺と、2万人の市民強制追放に
ついて法廷で答える責任がある。

バチカンとクロアチアの司教と同一線上にいるイヴォ・サナデル首相は、国連
法廷への協力姿勢を示しながらも、現在までのクロアチア情報局の調査では
「ゴトヴィナはクロアチア国内にいない」と繰り返し発言している。
しかしながら、まさにクロアチア情報局がゴトヴィナと彼の資産を庇護している
というのが、広く信じられている意見だ。

 後略

http://www.ilmanifesto.it/Quotidiano-archivio/21-Settembre-2005/art73.html

////////////////
参照記事

ニュース展望:旧ユーゴ国際戦犯法廷 「08年1審…=ブリュッセル支局・福原直樹
 ◇「08年1審終了」に黄信号

 国連の旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)が、大きな正念場を迎えている。
 重要戦犯数人をいまだに逮捕できないのに加え、最大の大物であるミロシェビッチ・
 元ユーゴ大統領(63)の審理も、元大統領の健康問題などで大幅に遅れているからだ。
 旧ユーゴ諸国には、行方不明の戦犯を「英雄視」する雰囲気も強く、08年に予定
 される審理の終了期限が、守られない可能性が高まっている。

 同法廷は93年、国連決議を受け設立。旧ユーゴで91年以降行われた大量虐殺など、
 人道に対する罪を裁く。これまでボスニア、コソボ、クロアチアなどでの紛争に絡む
 162人を起訴。42人の審理が終わった一方で、まだ10人が未拘束だ。そして、
 問題はこの10人に、「超大物」が含まれていることだ。

 その筆頭格は、ボスニア・ヘルツェゴビナの元セルビア人勢力指導者、カラジッチ被告
 (60)と、同勢力の元最高司令官、ムラディッチ被告(63)だ。

 両被告は92〜95年のボスニア内戦で、首都サラエボを包囲。約1万人を殺害した
 ほか、95年に北東部の町、スレブレニツァで、少年を含む男性約8000人を虐殺
 した責任などを問われている。これに加え、95年にクロアチアでセルビア人15万人を
 追放したとされるクロアチアの退役将校、ゴトビナ被告(49)も行方不明だ。

 彼らを拘束できない大きな理由は、旧ユーゴ各国に支持者が多いためだ。カラジッチ
 被告が一時、潜んだとされるセルビア共和国では、同被告をたたえる本が出版され、
 クロアチアにはゴトビナ被告を英雄視するホームページまである。セルビア共和国の
 最近の世論調査では、戦犯法廷に「協力すべきでない」と答えた人が39%と、
 「協力すべきだ」の41%と拮抗(きっこう)した。

 このため、「支持者が被告を匿(かくま)っている可能性が高い」(法廷幹部)と
 いう見方は強い。北大西洋条約機構(NATO)の捜査部隊は、カラジッチ被告の
 家族宅(サラエボ近郊)などの捜索を続けているが、大きな成果は得られないままだ。

 「今年が、逮捕(裁判開始)に望みを託せる最後の年だ」

 同法廷のデルポンテ主任検察官は、最近こう話した。国連は同法廷に08年までの
 1審終了と、10年までの控訴審終了を求めており、検事の言葉は、残り時間が
 少ないことへの焦りを如実に示していた。

 一方、ミロシェビッチ元大統領の審理も遅れ続けている。

 元大統領は01年、セルビア共和国で汚職などの容疑で逮捕され、同法廷に引き渡された。
 法廷は02年、元大統領が91年以降の旧ユーゴ紛争で、セルビア人以外の人間を
 追放・虐殺する「民族浄化」を行ったとして、約60の罪を対象に裁判を開始。
 スレブレニツァ虐殺の責任も、これに含まれている。

 だが、無罪を主張する元大統領は、法廷を「欧米諸国が政治的な意図で作り上げた
 ものだ」と批判。自分の弁護人を自らが「兼任」し、コソボなどでのイスラム系住民
 迫害を「テロリストからセルビア人を守る戦いだった」と主張している。

 この間、審理は高血圧など元大統領の健康問題で、2カ月以上中断。法廷は公選弁護人
 をつけたが、これを元大統領が拒否するなどして、審理はさらに遅れた。現在、
 元大統領による自らの「弁護士尋問」が続くが、裁判はまだ半ばで、「判決は07年
 以降になる可能性もある」(法廷幹部)ともいう。

 「クロアチアなどが非協力なため、大物戦犯が逮捕できない。また(ミロシェビッチ)
 被告の健康問題もある」

 6月、メロン裁判長は国連でこう訴え、裁判の長期化を示唆した。だが国連は、
 大物戦犯に重点を置いた、迅速な審理を進めるよう強く求めており、法廷は隘路
 (あいろ)に入った形だ。

 毎日新聞 2005年7月23日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/nld/news/20050723ddm004030030000c.html

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