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小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大学長)は25日の第14回会合で、安定的な皇位継承を維持するため、男系男子に限っている皇位継承資格者を女性皇族に拡大することで一致した。
女性天皇と、女性天皇の子(女系)の即位を容認するもので、11月末をめどにまとめる報告書に盛り込む。政府は、報告書の提出を受けて、来年の通常国会で皇室典範を改正する方針だ。
有識者会議はこれまでの会合で、皇位継承資格のあり方、皇位継承順位、皇族の範囲などテーマ別の検討を終えており、25日の会合で報告書作成に向けた意見集約に入った。その結果、全会一致で皇位継承資格を女性皇族にも拡大することを決めた。
これに関連し、小泉首相は25日夜、首相官邸で記者団に対し、「(来年の通常国会での皇室典範改正について)その方向で準備を進めている」と述べた。
吉川座長は会合後の記者会見で、女性天皇を容認する理由について、「現行の皇室典範で安定的な皇位継承ができるかどうかを議論したが、将来、後継者不足が生じることは明らかだ。憲法で定められた皇位の世襲を守るのが、女子、女系への拡大だ」と述べた。
これまでの検討では、皇位継承者の確保策については、女性への皇位継承を認める案のほか、現行通りに男系男子に限ったうえで、戦後間もなく皇室を離脱した宮家の復活や、現在は認められていない養子縁組などで男系を維持する案もあった。
これに対し、吉川座長は25日、「旧皇族(の復帰)という意見もあったが、現代に受け入れられるかどうかを議論し、ほとんど可能性がないことが分かった」と述べ、有識者会議では賛同を得るに至らなかったことを明らかにした。
この日の会合では、女性天皇を容認した場合の皇位継承順位の決め方と皇族の範囲については、なお詰めなければならない論点が残っているとし、結論を先送りした。
皇位継承順位については、天皇直系を優先させる点では一致している。ただ、男女を問わず、出生順に継承順位が決まる「長子優先」とするか、女子の後に弟が生まれた場合、弟を優先する「兄弟姉妹間での男子優先」とするかについては、有識者会議の中でも意見が割れている。
皇族の範囲に関しては、女性皇族が結婚後も皇室にとどまり、宮家を創設することを認める方針だ。ただ、皇族が大幅に増え、皇族費が膨大になることへの懸念もあるため、さらに検討することにしている。
有識者会議は11月7日に次回会合を開き、残された論点を議論するとともに、報告書の文案を作成する作業に入る方針だ。
(2005年10月26日1時36分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051025it13.htm
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