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(回答先: 補注A:「Hirsch報告書」と「ボーイズ論文」に注目! 投稿者 縞 日時 2005 年 10 月 25 日 00:12:47)
10/25: 上の「試訳」における次のくだり、
「私たちは今は石油と天然ガスがどこにでもあるということに基づく生活をおくっている訳ですが、それと同等の生活を、他の代替エネルギー資源――原子力、石炭、風力、水力、太陽光熱、地熱、水素――のいかなる組み合わせによっても維持することはできません。」
ということに関しては、
槌田敦著「資源物理学入門」(NHKブックス)の
第四章 動力文明と科学技術
に詳しい。
NET上の文章ではさしあたり、
荒 岱介(あら・たいすけ)氏の
8・13ブントワークショップin笛吹市での講演から
2004年オイルピークの衝撃
石油減耗で現代物質文明は崩壊する
エネルギー問題はEPRで考えるのが肝
という記事を参照。
( http://www.bund.org/opinion/20050905-1.htm )
以下に関連部分を転載しておく。
石油代替エネルギーは存在しない
資源エネルギー問題に関して考える場合、前提的に押さえておかなければならないのは、「石油にかわる代替エネルギーなど存在しない」という問題です。天然ガスがあるじゃないか、オイルサンドがあるじゃないか、あるいはメタンハイドレートがあるじゃないか、という人がいます。しかしそれはエネルギー問題の本質が分かっていない議論なのだと、石井さんなどのエネルギー問題の専門家は指摘します。
『理戦』81号の石井さんの論文の24ページを開いてください。そこに「エネルギーの出力/入力比:EPR」という考え方が出てきます。このEPRを理解しないと、エネルギー問題はちゃんと理解できないのです。
「エネルギー資源を理解するには、その評価基準としてエネルギーの出力/入力比が本質的である。EPR(Energy Profit Ratio)、EROI(Energy Return on Investment)などだが、残念ながら、日本では殆どしられていない。これから説明するが、この指標はエネルギー資源を評価するに、欠かすことの出来ない重要性を持っている。殆どの巨大油田はEPR60と高い。オイルピーク時1970年頃のアメリカの油田は20と低い。それも1985年は10を下回る。今では3程度に落ちているそうである。同じ石油資源もこのように、EPRの値は大きく異なる。同じ油田でも生産とともに、EPRは変化する。勿論低下する」
エネルギー問題は、EPRというエネルギーの入力と出力の比率で考えなければならないのです。EPRが大きければ大きいほどエネルギーとしては価値があり、EPRが1より小さいようでは、エネルギーとしては全く意味がない。
EPR60という巨大油田、具体的には中東の大油田というのは、地球上に存在するエネルギー資源のなかで最も良質なエネルギーであり、これに替わりうるような代替エネルギーは現時点では全く存在しないのです。このことがまず押さえられるべきです。EPRで考えると、代替エネルギーはみなコストが高すぎて、普通の人が普通のエネルギーとして使うようにはならない。ここに現代の資源エネルギー問題の本当の深刻さがあるわけです。
例えばカナダのタールサンドのEPRは1・5にすぎません。オイルサンド類は、石油と比べようもないぐらい「異質」で「低品質」なエネルギー資源なのです。日本で話題のメタンハイドレートも「資源と言えるかどうかすら疑問」。海水ウランについても、海水に溶存するウランの濃縮には膨大なエネルギーが必要で、とても代替エネルギーなどにはならないといいます。
「低品位の希薄な物質を量の大きさのみに着目し、未来の資源という話が日本には多すぎる」と石井さんは書いています。 「流行のバイオ、エネルギー農業だが、既に述べたように、現代農業は大量の石油に支えられている。このためサトウキビからのエタノールはEPR0・8〜1・7と低く、トウモロコシも1・3である。またトウモロコシの残渣からのEPRも0・7〜1・8と低いようである」
原子力発電はEPRからみてもダメです。「別の例では4・0という数字もあるが、これに対して、原子力関係者の言うEPRは、50と高いのである。この一桁の違いを説明することは、今後大きな意味を持つと思われる」
日本の電力会社は、原発のEPRを一桁も高く算出して、原発は有効だと国民を騙そうとしている。それらから、石油代替エネルギーなど存在しないとなります。
石油減耗とはどういうことか よく「石油の枯渇」という言い方をしますが、専門的には石油減耗=Oil Depletionというようです。どうして「枯渇」と言わず「減耗」というのか。
そもそも石油はどうやってできたのか。海中のプランクトンなどの有機物が海底に堆積し、それが砂や泥で覆われ、有機物が重なりあったケロジェンと呼ばれる物質になると考えられています。それが大陸の移動などの地殻変動によって、特殊な地層の中に閉じこめられ、圧力をかけられながら組成変化していきます。背斜構造というか帽岩という山形の蓋になっている岩の下で、根源岩と呼ばれる泥岩とか炭酸塩岩中で石油系炭化水素へと変化していくのです。
このようにしてできた石油は地下の圧力で上へ上へと移動しますが、背斜構造という特殊な地形のもとにあるわけですから、上にはガスが溜まり、真ん中に石油、その下に水が貯まるという構造になるわけです。
こうした構造からして、石油は上の地盤に穴をあけると、最初は油層に貯まった圧力で自噴します。これを石油業界では一次回収と言います。しかし、どこの油田でも、だいたい石油の層の中の20〜30%ぐらいしか自噴しません。従来は自噴しなくなった時点でその油田はお終いだった。それではあまりに効率が悪い。20〜30%しか回収されないわけですから、地中にはまだ何十%も石油が残っている。
そこで二次回収が考えられるようになります。二次回収というのは、油田に水(海水)を注入したり、ガスを押し込んだりして回収率を高めようというものですが、この二次回収によっても30〜40%しか回収できない。
さらに石油の回収率を上げようと、三次回収も考えられています。三次回収の方法には、熱攻法とかケミカル攻法とかガスミシブル攻法とかいうのがあって、水蒸気を注入したり、界面活性剤を注入したり、炭化水素ガスや炭酸ガスを油層内に注入して、ガスと原油が完全に混ざった状態(ミシブル状態)になったものを回収する方法などがあります。
さらには原油を汲み上げる井戸も、真っ直ぐに掘るだけではなくて、垂直に掘った後、さらに横に掘っていく水平坑井とか、それを何本も掘るマルチラテラル井などが試みられています。
しかし、そうやって回収したとしても、結局人間が回収できる原油というのは、その油田の全埋蔵量の50%程度、最高でも60%程度にすぎない。三次回収までやっても、だいたい40〜60%ぐらいしか回収できない。地中の油層から人間が人為的に採掘できる原油は最大でも60%であり、あとの40%は回収できずに残ってしまうのです。
ここからオイル・リカバリー(回収)が問題になるわけですが、問題はコストです。残った原油を回収するのには、もの凄いコストがかかってしまい全く採算がとれなくなります。EPRで言えば、残った原油を回収するために必要なエネルギーと、回収される原油のエネルギーを比較するということになります。
そこから石油の専門家は、「枯渇」ではなく「減耗」Oil Depletionと言うようです。油田の全埋蔵量の中で、資源として有効に回収できるものは限られている。「残っているけど、もう人間には利用できない」、これが一つの肝になることです。これが石油減耗ということの意味で、覚えておく必要があります。
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