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愛国殺人事件:「強制されたら、反抗して、左翼になってたよ」/[鈴木邦男をぶっとばせ]より
http://www.asyura2.com/0505/bd41/msg/580.html
投稿者 二世乃朋 日時 2005 年 10 月 17 日 10:56:56: GlGeeOWe9Wxk.
 

鈴木邦男をぶっとばせ
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/2207/2005/shuchou0905.html

今週の主張9月5日
愛国殺人事件

(1)近いうちに、ありうるよ、これは
 ウーン、これはありうるかもしれないな、と思った。赤川次郎の「日の丸あげて」という小説だ。実をいうと、赤川次郎は昔、読みまくった。そして卒業したと思った。だから、お金を出して本屋で買うことはない。でも、図書館で借りた本の中に、たまたま、この小説が入っていたのだ。
 「推理作家になりたくて」というシリーズの本がある。文藝春秋から出ている。いろんな人が、自分の作品を紹介し、又、自分が尊敬し、好きな作家の作品を紹介している。さらに、推理小説を書く上での心構えを語る。一冊で、6、7人だ。それが8巻ほどある。その第四巻「謀」だった。赤川の他には、高橋克彦、夏樹静子、西村京太郎、松本清張、森村誠一が書いている。まず、巻頭の赤川の小説を読んで、ビックリした。これは「政治小説」だし、近未来を予言する小説だ。「うん、これはありうるぞ」と、思ったのだ。
 元刑事が娘と共に団地に住んでいた。元刑事だけあって、曲がったことは大嫌いだ。それに愛国者だ。最近の人間は、政治に関心がないし、愛国心がない。と、いつも怒っている。テレビを見ては、ブツブツと言っている。祝祭日には日の丸を掲げるべきなのに、掲げない家がある。日教組教育のせいだ。嘆かわしい。
 まぁ、普通なら、こうして嘆き、怒り、それで終わりだ。あとは、産経新聞に投書したり、「正論」や「諸君」を読んで、「そうだ!そうだ!」と叫ぶくらいだ。ところが、この元刑事は、黙っていられない。自らの信念を実行に移す。団地の中で、日の丸を掲げない家を回って、「日本人として日の丸を掲げるのは当然でしょう」「日の丸、君が代は国旗、国歌として法制化されたんですよ」と、穏やかに言って回った。戦時中や戦前ならば、町内会の人が来て、「何だ!非国民!」と怒鳴りつけたんだろう。今は民主主義の時代だから、そんなことは出来ない。だから元刑事も、穏やかに注意する。
 穏やかに言って回っても、元刑事の迫力があるし、団地の人々も、次第に、日の丸をあげるようになる。ズラリと日の丸が出ていると、実に気持ちがいい。元刑事も、満足だ。ところが、どうしても言うことをきかない家がある。きっと、左翼だろう。こいつは国賊だ。
 何度も何度も足を運び、日の丸の大切さ、愛国心の大切さを訴える。しかし、そのAさんの家はガンとして聞かない。祝祭日の日、団地の一棟全体が日の丸をあげている。しかし、たった一軒、出てない家がある。これじゃ、統一性がとれない。ジグソーパズルの最後のピースが空いている。そんな感じだ。何とも気持ちが悪い。調和がとれん。
 そのうち、団地の中に、奇妙な噂が出回る。「Aさんは痴漢だ」という噂だ。だって、現職の刑事が団地に来て、Aさんのことを聞き回っているんだ。電車の中で、痴漢があり、Aさんが容疑者らしい。あるいは、駅のエスカレーターで手鏡で女子高生のスカートの中を見たらしい…と。変質者だ…と。
 Aさんは、いたたまれなくなる。勿論、元刑事が後輩に頼んでやらせたことだ。動機は「愛国的」だ。いくらいっても分からんから、団地から〈害虫〉を駆除しようとしたのだ。Aさんは、皆の冷たい視線に耐えられず、団地から出てゆくだろう。そうすると、一棟全体が、日の丸をあげる。きれいだ。美しい。これぞ、日本の国民だ。そういう、「純粋」な、愛国的な動機だった。
 ところが、噂に悩んだAさんは、自殺してしまう。元刑事が殺したわけではないが、結果的には彼が殺したのだ。「愛国殺人」だ。奇妙なことに、主のいないAさんのところに日の丸がたつ。団地の一棟全体が、きれいに日の丸がはためく。メデタシ、メダタシだ。
 ところが今度は、愛国者の元刑事が殺される。それも、日の丸に包まれて。(実は、死体に白い布をかけられただけだが、血がひろがって、日の丸に見えたんだ)。さて、犯人は?あとは、各自、読んでみなせえ。
 殺人事件ではないだろうが、ここまでおせっかいな人はいる。今は、多い。一人じゃ言えなくても、集団になると言う。新聞、週刊誌、雑誌なんて、こんな、「おせっかいな愛国者」ばかりじゃないか。僕も、祝祭日に日の丸をあげないから、と言って放火された。(別の理由だったかな。いや、きっと、この元刑事がやったんだろう)。

(2)君が代を歌ってるかどうか調べて回る。こいつが一番、不敬じゃ!
 赤川次郎は、この小説のあとに、自ら「解説」を書いている。「二つの『血』の物語」と題して。
 〈「愛」や「尊敬」は、いくら法律や銃口で強制されても、持てるものではない。そんな当り前のことが、二言目には「愛国心」と言い出す政治家や知識人の方々には、一向に分からないようだ〉
 そうだよね。三島由紀夫だって、「愛国心という言葉は嫌いだ」と36年前に言っていた。国民の一員でありながら、そこからポンと飛び出して、おもちゃでも愛玩するように、この国をかわいがるなんて変だ、と言っていた。

(・・・つづきをお読みになりたい方は上記urlからどうぞ)

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