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傍論とは何か?
→レイシオデシデンダイでないもの。
では、レイシオデシデンダイとはなにか。
1.法律上の論点についての判断であって、
2.もしその論点について異なった判断がされたならば、結論がことなることとなるの。 (よーするに結論に直結した論点。)
EX→原告の請求認容のためには、
1.被告の行為が違法であり、
2.原告に損害が生じ
3.被告の行為と原告の損害の間に因果関係がばければならない
とすると、
原告の請求認容の場合、
1肯定
2肯定
3肯定
の3つがレイシオデシデンダイとなる。
(3つのうちどれかが否定されると結論が異なるから)
では、1が肯定、2が否定されて、原告の請求が棄却された場合はどうか。
「これは、論理的にあるはす」、とすぐ思いつくのは下記ふたつ。
(ア)1肯定→2否定の2つがレイシオデシデンダイ
(イ)2否定のみがレイシオデシデンダイ
どちらでしょう?
で、書籍引用=中野次雄編 「判例とその読み方」1986年有斐閣p36
【 1.の考え方】 頭から順番に考えていって、否定論点以降は論点資格を失うので、
レイシオデシデンダイではなくなる。↑(ア)の考え方
[早川説〕
【 2.の考え方】 裁判所がどの順番で考えたかということについても、
付随論点であって、その判断はレイシオデシデンダイになる。
[中野説]
↑で、裁判所が頭からではなく、変な順番たとえば、1肯定→3肯定→2否定と判断して結論棄却の場合1肯定3肯定3否定の三つと、このケースはこの順番で判断する、という所まで付随論点としてレイシオデシデンダイとなる。
★論霊的には成立しそうな、上記(イ)の考え方はこの本では紹介あれていない。(ない?)
ではなんで、前回福岡地裁のとき浦部先生は「傍論」とされたのか。
(上記(イ)の考え方ではない。とすれば、頭から判断して、1肯定→2否定で棄却なあら、「1肯定」は[早川説]によってもレイシオデシデンダイハのはす。)
それは、浦部先生が「憲法訴訟においては、ブランダイスの第4ルールによって、
裁判官の論点判断の順序が拘束される」と考えたからと私見では思う。
【ブランダイスの第4ルールとは】
憲法問題が適切に提出されていても、その事件を処理することのできる他の理由がある場合、憲法問題については判断しない。 というルール。
たとえば、↑の例で、【1、被告の行為が違法】かどうか判断するために憲法判断がいる場合、【1】をとはして【2→3→1】と判断する。
では、このブランダイスの第4ルールは絶対的で争いのないものなのか?
で、また、書籍引用です→憲法 佐藤幸治著 平成7年青林書院p362
『憲法判断回避の準則をどこまで厳格に考えなければならないかはひとつの問題である。
厳格に解するs説もあるが、
国民の重要な基本的人権にかかわり、
類似の事件が多発するおそれがあり、
憲法上の争点が明確であるというような事情がそんする場合には、
裁判所が憲法判断をすることが是認されてしかるべきものである』
と。
佐藤先生はブランダイスルールに強い拘束力を認めておらず。
確かに通常は【2→3→1】と判断すべきだが、
@国民の重要な基本的人権にかかわる。
A類似の事件の頻発の恐れ。
B憲法上のsの争点明白の場合、【1→2→3】でもよしとする。
で、以上を組み合わせると
浦部+早川=傍論
浦部+中野=傍論とはいえず。
佐藤+早川=傍論とはいえず。
佐藤+中野=傍論とはいえず。
私見=世間で言われてほど傍論とはいえない、と思う。
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