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わが国では、租税法は国民生活と最も密接な関係をもつ法律であるにもかかわらず、法令自体の難解さや、他の法律及び法律以外の学問の分野とのかかわり等から、従来独立の学問としてこれを研究する者が少なく、税法学としての地位を築いてきたのは戦後のことで、他の法律の分野に比して新しいということができます。特に外国税法との比較研究の分野及び目ざましいエレクトロニクスの発達に伴うコンピュータ会計と租税法の関係に関する研究の分野においてそれが目立ちます。他方、国民の租税に関する意識は近年特に高まりを見せ、経済の複雑化等にも伴い、租税法の研究及び税務の執行の重要性は今後も一層増大するものと一般に考えられています。
また、租税法の研究者及び会計人として租税に関する研究と実務にその半生を捧げている個人飯塚毅は、かねてからその所有する膨大な海外文献がまことに貴重なもので現在では入手不可能なものも数多く、これを一般に公開し、内外の志ある者の研究の資に供するとともに、租税法研究等に関する人材の育成を行うことを意図していました。
当財団設立の趣旨は、前述の現状等にかんがみ、(1)飯塚毅の所有する文献に加えて、更に租税に関する資料、文献を収集、管理してこれを一般に公開すること、(2)本格的かつ永続的に租税法理論及び税務会計理論、特に外国税法との比較研究やコンピュータ会計と租税法の関係について研究の助成を行うこと、そして、(3)同時にその人材を育成することにより、わが国の税務の発展に寄与することであります。
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