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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20050908i508.htm
動物捕獲用のワナを見つけると、揺らしたりして壊してしまう技を「伝承」している野生のチンパンジーの群れが、アフリカ・ギニアのボッソウ村周辺で見つかった。
この地域では、約30年前から続けられている生態調査でも、ワナにかかって大けがをしたチンパンジーが見つかっていなかったが、これを不思議に思った京都大霊長類研究所大学院生の大橋岳さん(29)が現地調査で確認した。
大橋さんは、2002〜04年の間の計15か月間、ボッソウの群れ(十数頭)を観察。このうち2頭の雄が、大型のネズミを捕まえるために木の棒と針金で作られた跳ね上げ式のワナを見つけると、仕掛けを避けながら大きく揺らしたり、ぶら下がったりして壊してしまう様子を確認した。このほか3頭の雄が、ワナの棒を揺らしたりする動きを見せていた。
京都大霊長類研究所の松沢哲郎教授は「ボッソウのチンパンジーは、石を道具にして木の実を割るなど多数の道具を使える優れた知性を持つ。危険を察知する能力もあるのだろう」と話している。
アフリカでは近年、ワナによるチンパンジーのけがが増え、問題になっている。2002年には、チンパンジーの長期調査が行われてきた10地域の422頭のうち32頭がけがを負っているとの実態が報告された。
(2005年9月8日14時27分 読売新聞)
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