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http://www.bosch.co.jp/jp/latest_topics/0306_01.html
より高速、小型、高性能になった
ボッシュ「第 3 世代コモンレール」の量産開始
ボッシュは第 3 世代コモンレールの量産を開始します。このディーゼル エンジン用の最新型高圧燃料噴射装置の特徴は、画期的な「ピエゾ式(圧電直列)テクノロジー」です。2003 年秋のフランクフルト・モーターショーで、この第 3 世代コモンレール システムを装備した初めての車両が発表される予定です。
ボッシュ ディーゼル・システム事業部の責任者である代表取締役専務ベルント・ボアによると、ソレノイド バルブ式インジェクターを使用する従来技術と、ピエゾ(圧電)式インジェクターによる新技術を比較した最も大きな違いは、「第 3 世代コモンレール システムのインジェクターは、より高速、小型で高性能である」という点です。ボアはさらに、「ピエゾ(圧電)技術の最も重要な長所であるスピードが初めて十分に活かされている」と付け加えます。第 3 世代コモンレールが導入されると、カーメーカーの技術開発者たちは、より余裕を持ってエンジン開発にあたることができるでしょう。ドライバーは、排気ガスの削減と燃費の向上、エンジン出力の向上、その他、騒音レベルの低減などの恩恵によって、この急激な世代の変化を受け容れるでしょう。
第 3 世代コモンレールを初めて装備した車両は 2003 年に発表予定
ピエゾ式インジェクターの生産がボッシュのバンベルク工場で開始することで、乗用車へのディーゼル テクノロジーの装備を容認する急激な流れの変化に弾みがつきます。「2003 年のフランクフルト・モーターショーでは、第 3 世代コモンレールを装備した車両はまだ数台しか発表されませんが、現時点でボッシュはすでに 自動車メーカー6社と共同で 10 ものプロジェクトを開始しています」と、ボアは説明します。これによって、ボッシュはディーゼル燃料噴射装置の世界のトップ メーカーとしての地位をさらに強化します。
西ヨーロッパでは、1990 年代に主にボッシュ製高圧燃料直接噴射装置がディーゼル・ブームの火付け役になりました。1996 年に市場に初めて導入されたソレノイド制御式ディストリビューター型インジェクション ポンプ「VP 44」は、ディーゼル車に対する世間の認識を変化させたターニング・ポイントとなりました。 続いて1 年後の 1997 年には、コモンレールが投入されました。現在最もよく採用されているのはこのコモンレールです。1998 年には、ユニット インジェクター システム(UIS)によって、乗用車用ディーゼル・エンジンに装着されるボッシュ製高圧燃料直接噴射装置の製品範囲が完成しました。ボアは、「これが、我々が唯一の“フルライン・サプライヤー”たる所以です。」とボッシュ社を位置付けています。
最大 2,050 bar の噴射圧力を制御するには、開発および生産段階で精密かつ極めて高度なテクノロジーが必要になります。このため、約4年間 ボッシュはディーゼル乗用車用のコモンレール の唯一のサプライヤーでした。現在でも、「コモンレール」「UIS」「VP44」の3 タイプの高圧燃料噴射装置を製造できるポテンシャルを秘めたサプライヤーは他にはありません。ボッシュは1990 年半ばから46 億ユーロをこの開発に投資してきました。
現在、ボッシュはディーゼル乗用車を製造しているすべてのカーメーカーにコモンレールを供給しています。2002 年度単年で 400 万台以上のコモンレールを生産したボッシュは、世界で最も生産性の高いメーカーであり、かつ技術的にも指導的な立場を占めています。
ボッシュ製コモンレールは、BMW、メルセデス・ベンツ、およびアウディの高級車用 8 気筒ディーゼル エンジンと同様に、スマート3 気筒タイプの最重要品目です。フォルクスワーゲン社の現在最もパワフルな乗用車用ディーゼル エンジンである V 10 TDI もまた、ボッシュ製高圧燃料噴射装置がベースとなっており、ユニット インジェクター システムが装備されています。「これは最新型ディーゼル車とボッシュの画期的な技術力とがうまく融合した成果なのです」と、ボアは語ります。
技術的な可能性を変革する
ボッシュの旧世代コモンレールは、主として噴射圧力にその特徴がありました。第 1 世代は 1,350 bar、第 2 世代は 1,600 bar の噴射圧力を達成しました。しかしながら、第3世代では、1,600 bar の圧力を維持しつつ、システムを技術的に高度化させることに注力しています。このシステムの卓越した「油圧速度」は、主としてピエゾ式インジェクターの高度集積化、つまり、圧電アクチュエーター/駆動部とインジェクター先端部のノズル ニードルとが接近している結果なのです。エンジニアたちは移動質量を 75%削減し、ノズル ニードル部の可動部品点数を 4 個から 1 個に減らすことに何とか成功しました。その結果、ピエゾ式インジェクターはあらゆる市販の他社製ソレノイド制御式または圧電制御式インジェクターの 2 倍の速度を発揮します。
従来のコモンレール テクノロジーは、一度に 1 回ずつの噴射を最大 5 〜 7 回の分割噴射に変える可能性を提供しました。第 3 世代コモンレールの場合、エンジン開発エンジニアたちは噴射プロセスを適切な回数の噴射ステップに分割することができます。部分負荷モード用に設定される噴射量はさらに減りますが、計量精度は上昇します。その結果、ディーゼル エンジンの排出ガス量は 15〜20%削減されたにもかかわらず、エンジン出力は反対に5〜7%上昇しています。もちろん、エンジン開発目標によって数値は変わってきますが、エンジン ノイズは 3 dB(A)も小さくなっています。
2005 〜 2007 年以降の次世代製品の量産
現在の開発の焦点は高度なシステム テクノロジーですが、最大圧力をさらに上昇させたコモンレールの開発がすでに進行中です。最大圧力 1,800 bar の乗用車用コモンレールの量産は、2005 年から開始される見通しです。また、システム圧力を上げなくても圧力を増大させることによって、噴射ノズルの圧力を 2,000 bar 以上に上昇させることも可能です。
このような開発目標に基づいて、ボッシュのエンジニアたちはすでに第 4 世代コモンレールの集中開発に着手しています。第 4 世代の主な特徴は、可変インジェクター ノズルです。既存のインジェクターは 5〜7 個のノズル穴のあいた 1 本のラインと単一切換えステージとを使用して、できる限り細かく燃料をシリンダーの燃焼室に送り込みます。しかし、可変ノズルは 2 本のラインがあるため、二段階で作動させることができます。第 1 切換えステージは第 1 ラインの非常に小さな径の穴を開くため、アイドリング中や部分負荷時でも燃料を非常に正確に計量することができます。つまり、さらなる排出ガス量の削減と燃費向上が目的です。次に、第 2 切換えステージが残りのノズルを開き、最小時間内に正確に計量した燃料を供給します。これにより、使用可能なエンジン最大出力は上昇します。
コモンレールを採用したディーゼル車の次世代の革新技術は、2007 年以降、米国で施行される極めて厳しい排出ガス基準「US07」に適合させるために重要なプロセスです。
西ヨーロッパにおけるディーゼル エンジン搭載車のサクセス ストーリー
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西ヨーロッパ市場で始まったディーゼル車ブームは、主として高圧燃料直接噴射装置が火付け役でした。1996 年にドイツで新車登録された全乗用車のうち、ディーゼル搭載車は 15%でした。2002 年にはディーゼル車の割合が初めて 40%の大台を超えました。「ディーゼルの国」オーストリアでは2002 年にはシェア 69.6%、フランスは それに続く63.2%、ベルギーが 62.7%、スペインが 57.4%に上昇しました。2002 年度の西ヨーロッパ市場における平均シェアは 40.3%を記録しました。
「コモンレール」、「ユニット インジェクター」、それに「VP44」の 3 種類のディーゼル燃料噴射技術を持つボッシュのディーゼル・システム事業部は、ディーゼル エンジン搭載の乗用車の売れ行きに大いに左右されます。ディーゼル・システム事業部は、全世界で年平均約 49,000 名のスタッフを擁し、2002 年度は 66 億 5 千万ユーロの売上高を達成しています。このうち約 3,500 名が研究開発部門に従事し、研究開発に年間約 5 億ユーロを投じています。
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