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<宮城地震>新幹線、本震前に制動 25秒前に地震計が検知
宮城県南部で今月16日、震度6弱を観測した地震の初期微動を、JR東日本の海岸地震計が、大きな揺れが来る25秒前に検知していたことが同社の検証で分かった。検知5秒後には東北新幹線の全列車に非常ブレーキが作動し、20秒後に激しい横揺れが襲った。この時点で、時速270キロで走行していた列車は210キロ台に減速していた。この種の地震データを時系列で検証したのは、87年のJR発足後初めて。
地震波には、初期微動のP波(秒速5〜7キロ)と、それより遅く、大きく揺れるS波(同3〜4キロ)がある。
海岸地震計は、太平洋側9カ所、日本海側6カ所の計15カ所に設置され、P波を検知して、脱線などの事故防止のため、列車を緊急停止させる。
JR東日本によると、16日午前11時46分ごろ、震源から約65キロにある金華山の海岸地震計がP波を検知、東北新幹線白石蔵王(宮城県)―二戸(岩手県)間の変電所の送電を停止した。ほぼ同時に走行中の列車の非常ブレーキがかかり、20秒後に激しい揺れ(S波)が襲った。
発生時は14本が運行中だったが、営業速度でほぼ最高の時速270キロで走行していた列車は、50キロ以上減速できた。
JR東日本は検証データを基に、運転再開の見通しや情報提供の内容を総合的に検討する勉強会を発足させる。さらに検知時間を従来より1秒短縮した新型地震計を今年度中に配備する方針だ。
今回のような海溝型ではなく、昨年10月の新潟県中越地震のような直下型の場合は、P波とS波の時間差がほとんどないため、同社は脱線防止ガード設置などの安全対策を進めている。
今回の地震では、震源から約110キロの石巻市にある気象庁の緊急地震速報システムがP波を検知。震度6弱を記録した川崎町には、揺れ始める22秒前に速報されていた。【斎藤正利】
(毎日新聞) - 8月28日7時42分更新
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