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『大長今』(日本タイトル『宮廷女官チャングムの誓い』)の李丙勳(イ・ビョンフン)監督(61)が、今度は百済時代を舞台にした54部作の長編叙事劇『薯童謡』で再びお茶の間に戻って来る。
3日午後、SBS一山(イルサン)タニョン制作センターでインタビューした監督の携帯電話の着信メロディーは、相変らず『大長今』の主題歌だった。昨年4月に『大長今』が終わった直後、休む暇もなく監督は金弘道(キム・ホンド)、黄真伊(ファン・ジニ)といった歴史上の人物を捜し回った。
それから6か月あまりが経ち、昨年10月に監督は百済の武王を取り上げることを心に決めた。MBCで『朝鮮王朝500年』シリーズをはじめ、『許浚』『商道』『大長今』など、朝鮮時代を背景にしたドラマを制作してきた監督にとっては初めての試みだ。
「百済の武王はドラマチックな人物です。歴史書を見れば『薯童謡』の主人公、薯童が新羅の善花姫と結婚して、その後武王になるとだけなっていて、他の話がありません。史料が不足していることがむしろ意欲を刺激しました」
監督は自分の作業を「ファクト(fact、事実)とフィクション(fiction、虚構)を緻密に製織していくこと」と言う。ほんの僅かな事実を手がかりにして最も蓋然性のあるストーリーを構成すること。その空白を埋めるために監督は60を超える百済関連の歴史書を読破した。
『許浚』で医術、『商道』で商才、『大長今』で料理と医術を扱ったように、監督のドラマには話を貫くまた別の素材が登場する。今回は何か?監督は「科学」と答えた。
「ドラマの主な舞台は王室と百済時代の工房です。博士という官職があったことだけを見ても百済人がどれだけ科学技術を重視していたのかが分かります。 日本に科学技術文明を伝えた百済の歴史をもう一度修復させてみるつもりです」
監督は百済史の専門家になっていた。「百済の七支刀は当時、どの国も作ることが出来なかった最も強い炭素鋼で作ったものでした。日本に残っている百済建築を見ても百済が当時、北東アジアの技術文明の中心国家だったということが分かります」
困難も多い。来月5日の放送日が近付いてきたにも関わらず、監督は3日午後まで、衣装のテストをしていた。出演者たちに服を着せてみては脱がせ、夜が明けるまで何度その作業を繰り返したか分からない。どうせ見せるのなら完璧に見せたいという「こだわり」のためだった。
メインセットの扶安(プアン)には1400年前の百済城を新しく修復する作業が進められている。監督は「『大長今』が放送されてから料理学校に生徒が殺到したように、ドラマを見て多くの人が理工系に関心を持ってほしい」と語った。
『大長今』が最近、日本のNHKで放送されたことは、また違う刺激となった。監督は「MBC時代の70年代末、日本のNHKに研修に行って彼らが自分たちの歴史ドラマを誇らしく説明する姿を羨ましく思ったが、今では韓国の歴史ドラマが日本で放送されるようになった。『薯童謡』が中国と日本でも放送されれば、私たちの古代史を広める効果も大きいだろう」と語った。
主人公の薯童役には趙現宰(チョ・ヒョンジェ)、善花姫役にはイ・ボヨンがキャスティングされた。
朝鮮日報
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/08/05/20050805000055.html
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