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●右翼がなんと言おうと、左翼がなんと言おうと大東亜戦争は日本の失敗
これが現実なのである。
では、われわれ現代日本人はどのようにこの戦争を受け止めるべきなのか?
失敗から学ぶべきである。
大東亜戦争は、失敗の戦略・戦術の塊であり、これを学ぶことにより日本が弱い部分を強化できるのだ。
日本人の教科書には、左翼的でなく右翼的でもなく。
失敗史の失敗論としての帝国陸海日本軍の行動を学ぶべきである。
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p268
あいまいな戦略目標
いかなる軍事上の作戦においても、そこには明確な戦略ないし作戦目的が存在しなければならない。
目的のあいまいな作戦は、必ず失敗する。
それは、軍隊という大規模組織を明確な方向性を欠いたまま指揮し、行動させることになるからである。
本来、明確な統一目的なくして作戦はないはずである。
ところが日本軍では、こうしたありうべからざることがしばしば起こった。
p277
短期決戦の戦略志向
日本軍の戦略志向は短期的性格が強かった。
日米戦自体、緒戦において勝利し、南方の資源地帯を確保して長期戦に持ち込めば
米国は、戦意を喪失し、その結果として講和が獲得できるというような路線を
「漠然」と考えていたのである。
p276
日本軍の戦略には当初から米本土を攻撃し、日本兵を上陸させて決着をつけるという本土直撃作戦の構想は立てられなかった。
1941年11月15日
日本軍の戦争終結の理論はこのようなものであった。
「対米英蘭戦争終末促進に関する腹案」
すみやかに極東における米英蘭の根拠を覆滅して、自存自衛を確率するとともに、さらに積極的措置により蒋政権の屈伏を促進し、独伊と提携してまず英の屈伏をはかり
米の継戦意思を喪失せしむるに勉む。
このように、日本の中枢部の戦争終結論は、漠然たるものであり、極めてあいまいである。
そこから導き出される個々の作戦目的も常にあいまい性が存在していた。
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