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「我々はイスラム教徒を厚遇し過ぎた」テオ・ファン・ゴッホの母(コリエレ紙)
http://www.asyura2.com/0505/bd40/msg/445.html
投稿者 kamenoko 日時 2005 年 7 月 29 日 05:37:51: pabqsWuV.mDlg
 

http://www.corriere.it/Primo_Piano/Cronache/2005/07_Luglio/24/imarisio.shtml
全文翻訳

「我々はイスラム教徒を厚遇し過ぎた」
テオ・ファン・ゴッホの母「問題は、彼らが啓蒙主義の洗礼を受けていないこと」

アーヤ発 −「マドリッド・ロンドンの爆破がそれぞれの国を代表するように、
テオ(の事件)はオランダを代表するもの」 とアンネケ(Anneke)さん。
彼女の息子テオ・ファン・ゴッホは、昨年11月2日路上でイスラム教徒のモハマド・
ボウイェリ(Mohammed Bouyeri)に殺害された。「欧州は、ここにやって来る
イスラム教護を厚遇し過ぎた。私の息子が脅迫状を受けたのは、97年にオランダの
子供が移民の子供の半分しか助成金を受けていないと書いた後でした。私たちは
いつでも、見返りを求めずに彼らに与えてきました。(見返りを求めるのは)
恥ずかしいこととされていたの」。

 彼女の息子は炭鉱のカナリアだった
アンネケ・ファン・ゴッホ夫人は、この表現が気に入っている。カナリアの籠を
持って先を進む炭鉱夫。「小鳥が止まり木から落ちたら、それは危険の兆候。
ガスが炭鉱内に満ちているから、避難所に駆け込むタイミング。テオの場合は、
危険な状況にある場所がより良く見えたのだと解釈しています」。 テオ・
ファン・ゴッホ、200kgに届きそうなカナリア。初めての息子が生まれる前、
体重を落とすために胃に弁をつけた。 ワッセナアアル(Wassenaar)は裕福な
地域だ。 アーヤから10数キロ、それぞれが専用公園と小さな湖を備える壮麗な
邸宅が並ぶ。アンネケとヨハン・ファン・ゴッホが終の棲家と定めた町。
居間の振り子時計が鳴ると、ことばが覆い消される。暖炉の上にはゴーギャンの
”apocrypha”、ヴィンセントの絵とヨハンの祖父テオの手紙が並んでいる。
「もう1人のテオ、ナチスに殺されたオランダパルチザンのひとり、ヨハンの
弟へのオマージュです」。 沈黙と振り子時計の音。 「つきつめれば、2人の
テオは表現の自由のために殺されたということね」。

 アンネケ・ファン・ゴッホ。銀髪に薄いブルーの目を持つ婦人。
彼女とヨハンは、PvdAオランダ労働党の集会で知り合う。当時の彼らは活動家だった。
22年生まれの年上のヨハンは、長い年月を欧州共産主義の研究に費やしていた。
57年に21歳でテオを、次いで2人の妹たちを授かったアンネケは、薬学で得た
学位を活用する機会を得なかった。頭脳明晰な左翼オランダ婦人は、先週法廷で
息子の殺害者の顔を見た。 「失業手当で生活している人だったわ。税金を
払っている私は、あの人があれを準備する時間を与えてしまったのね」 と
抑揚のないトーンで呟く。昨年の11月2日にテオ・ファン・ゴッホを殺害したのは、
モロッコ系オランダ人モハマド・ボウイェリ。オランダがアメリカのイスラム
過激派の映画を公開して2年が過ぎていた。 ファン・ゴッホは数年来、自身の
記事でイスラム過激派を批判してきた。 イスラム教徒の女性たちの境遇を告発した
ドキュメンタリー映画サブミッションは、命が代償に求められた。
法廷でファン・ゴッホ夫人に、哀れみを期待するなと言ったというボウイェリには、
来る火曜に終身刑の判決が下る予定だ。 しかしながら、ボウイェリは回答困難な
いち症例に過ぎないことを、アンネケ・ファン・ゴッホ夫人は理解している。

「マドリッドとロンドンの爆破事件がそれぞれの国を代表するように、テオの
事件はオランダを代表しています。欧州は、ここに来るイスラム教徒たちを
厚遇し過ぎました。息子が所得の平等について、オランダの子供は移民の子が
幼稚園で受ける助成金の半分しか受けていないとの記事を書いた後の97年に、
脅迫を受けました。それは事実です。ここでは彼らは自転車講習会も無償で
受けられます。私たちはそれが、融合に必要なこという幻想を抱いている。
いつも見返りを要求せずに与えてきた。それを要求するのは恥ずかしいことと
されているから」。 アンネケ・ファン・ゴッホも、いつも息子と考えが一致
するわけではなかった。彼はイスラエルが中東における唯一の本物の民主国家と
考えており、彼女は今もそうは考えていない。 「でも、テオは私たちの文化の
蹂躙を懸念している点で、正しかったと思う。ここは1600年代と700年代に、
自国で発禁だったモリエール、ヴィクトル・ユーゴー、スゥイフトを出版し
ました。テオの殺害者は、いかなる話し合いも討論も受け付けないと言います。
コーランの掟のみ。もしこう考える人が増えれば、私は現状をそう見ていますが、
将来の展望は痛ましいものになるわ」。 テオ・ファン・ゴッホの母は立ち上がり、
新聞の切抜きで一杯の引き出しから白黒写真を取り出した。家族が11年前まで
住んでいたワッサナアアルの家の正面玄関だ。子供たちの部屋の窓に掲げて
あるのは、政党の選挙公約ポスター。テオの部屋には労働党、妹たちの部屋には
自由党と保守党。

 彼女はこの写真を誇りにしている。家族の開放的な雰囲気を表すシンボルと
見ている。 「イスラム教は、啓蒙主義の洗礼を受けなかった。これが彼らと
私たちの違いです。凝り固まった宗教だわ。時には聖書を批判し、解釈を推し
量ってきた西洋に対し、イスラム教国の幾つかでは今でもマホメットの掟が
生きている。偏見なしで言うけれど、それって愚かなことじゃない?」。
地区の行政委員会は、テオ・ファン・ゴッホが殺害された通りに事件の思い出を
残さないことに決めた。 「住民の様々な感情に配慮するためだそう。翻訳
すると、地域のモロッコ人と対立したくないってことね。ここからほど近い
公園に、小さな碑を建てて下さるそうよ。こうすれば目立たない。イスラム教
に対する小さな欧州の態度」。 突き詰めるとテオの死は(苦い)皮肉である
という。「彼は正しかったと証明された。他の人は彼が書いたものについて
考えた。でもイスラム教について思うことを口にしなかった人は、災厄に
巻き込まれないことが証明されたの。息子は、私たちは退却しつつあると考えて
いたのです」。 振り子時計が時を告げ、ファン・ゴッホ夫妻が立ち上がる。
テオが愛した海辺の家へ向かうために。 昨日は彼の48歳の誕生日だった。
アンネケとヨハンは、いつもと同じに祝うことに決めた。

Marco Imarisio
24 luglio 2005

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