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JMM [Japan Mail Media]  「迷走するカール・ローブ疑惑」  冷泉彰彦 
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投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 17 日 02:39:01: ogcGl0q1DMbpk
 

                              2005年7月16日発行
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JMM [Japan Mail Media]                No.331 Saturday Edition
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                        http://ryumurakami.jmm.co.jp/
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  ■ 『from 911/USAレポート』 第207回
    「迷走するカール・ローブ疑惑」

 ■ 冷泉彰彦   :作家(米国ニュージャージー州在住)


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 ■ 『from 911/USAレポート』 第207回
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「迷走するカール・ローブ疑惑」

 ブッシュ大統領の側近として、飛ぶ鳥を落とす勢いであったカール・ローブ:ホワ
イトハウス次席補佐官(兼ブッシュ大統領の個人最高顧問)が、ここへ来てスキャン
ダルの中心人物となっています。ローブ補佐官は、ブッシュ大統領の30年来の盟友
と言われ、2004年の再選にあたっては実質的な選挙参謀を務めたのが有名ですが、
2期目のブッシュ政権では正式な補佐官としてあらゆる政策に関与しています。

 再選を果たした時には、大統領自身から「アーキテクト(建築家、設計家、大文字
の場合は造り主という宗教的なニュアンスも)」という称号を得ていたこの人物に対
して、そのブッシュ大統領は13日の会見で「ノーコメント」としたために、騒動は
一気に最高潮に達しました。

 CNNあたりの報道によれば「ノーコメント」というのは、要するに「擁護しない」
という意味だというのです。今週「LIVE8+G8」を受けてアフリカを訪問中
だったローラ夫人も、「ローブ氏は今でも友人ですが、疑惑に関してはノーコメント」
としていましたし、本稿執筆の時点ではローブ辞任を求める民主党が攻勢に出ている
状況です。

 実は、この7月14日の木曜日は、グリニッジ標準時の正午、米国東部時間の午前
7時から1週間前に起きたロンドン市内でもテロ事件に対する一斉黙祷がありました。
ところが、英国では一斉に2分間行われた黙祷(モーメント・オブ・サイレンス)
だったのが、アメリカでは、例えばNBCテレビの場合は最初の数秒しか扱わずに、
すぐにこのローブ事件に移ったのです。

 不謹慎(そう言えば今週デトロイトでの野球のオールスターでも、ロンドンのテロ
犠牲者への黙祷がありましたが、これも15秒程度の「おざなり」でした)と言えば、
それまでですが、それだけローブ事件の位置づけが大きいということでもあるので
しょう。

 このスキャンダルですが、従来の政治スキャンダルとは一線を画しています。それ
は、内容が複雑で、複数の事件がお互いに「もつれた糸」のように絡み合っているか
らです。合法か違法か、機密なのか公表可能なのか、国益に反するのか反しないのか、
リベラルなのか保守なのか、といった分かりやすい基準ではうまく説明できない、そ
れでいて単純な党派間の力比べというのでもない、不思議な事件です。

 本日の時点で問題になっているのは、カール・ローブ補佐官本人の違法行為疑惑で
す。ジョセフ・ウィルソンというアメリカの元ガボン大使の妻、バレリー・プレイム
という女性が、CIAの工作員だということを、メディアにリークしたというのです。
この疑惑が、機密漏洩罪、正確に言えば1982年制定の「工作員の身分漏洩罪」に
当たるのではないか、という点について現在超党派の特別検察官を設置して大陪審
(法廷として訴状を受理するかどうかの審理)が行われています。

 CIA(中央情報局)というのは、要するにスパイ組織です。アメリカの諜報機関
というのは、軍の他にもいろいろあって、CIAはその中でも「人を使ったスパイ」
を中心とした部門です。ですから、世界中のあちらこちらにスパイを潜入させていて、
情報を集めたり、あるいは何か政治工作をしたりしているのです。

 スパイですから、その身元は秘密とされます。CIAの職員として専従で活動して
いる人間もいますが、何らかの職業についているような偽装をしながらスパイ行為を
行うケースも多いようです。そして、その存在は闇の中に隠されているのです。今回
のローブ補佐官の疑惑は、法的には国家機密漏洩という容疑ですが、政治的には「絶
対に秘密とすべきスパイの身元を明かした」ということで(仮に事実であれば)悪質
だとされるのです。

 なぜスパイの身元を秘密にしなくてはならないか、というのは様々な理由がありま
す。基本的には、スパイ映画やスパイ小説が描く世界から想像するのが、当たらずと
も遠からじというところでしょう。まず、スパイと分かってしまうと隠密行動が取れ
ません。ですから情報収集も工作も難しくなります。

 同時に、その人物が過去に行った行動がスパイ行為と直結しているとされて、アメ
リカ側から見れば工作が無意味になってしまう可能性があります。更に、本人と周辺
の人物がスパイ活動に関与していたのでは、という疑惑から危険に晒されるかもしれ
ません。CIAとして最も恐れているのは、恐らく彼女の周囲にいる人物が疑われる
中で、現在もスパイとして活動している工作員の生命が危険に晒される、そんな懸念
でしょう。

 ということで、見方によっては、このローブ疑惑は「深刻な」問題なのですが、で
は、どうしてこの事件が露見したかというと、そもそもがメディアを使った暴露だか
らです。ロバート・ノヴァークという政治評論家の署名原稿がワシントンポスト紙に
出たのが発端なのですが、そのノヴァークが非難されて行く中で、情報の出所がタイ
ム誌のマシュー・クーパー記者と、NYタイムスのジュディス・ミラー記者だという
ことが明るみに出ました。

 CIA工作員氏名の漏洩事件を審理する大陪審は、この2名に証人としての出廷を
要請しました。結果的に、クーパーは要請に従って13日に証言していますが、ミラ
ーは「報道機関として情報源を秘匿する」として証言を拒否した結果、法廷侮辱罪に
問われて7日に収監されています。

 では、そのウィルソン元大使というのは、どういった人物かといいますと、ベテラ
ンのキャリア外交官で、1991年に第一次湾岸戦争勃発の直前にイラク駐在臨時大
使を務めていた人物です。英国BBCのサイトにある人物紹介記事によりますと、戦
争勃発の直前にサダム・フセインが大勢の外国人を人質に取った際に、その解放交渉
をサダム自身とやりあった豪傑なのだそうです。

 サダムは外国との内通者は全員死刑だと息巻いたのだそうですが、その際にウィル
ソンは「オレは自前の縄を持ってきたから、オレを殺すならこれを使え」と言って
迫ったそうで、その後に記者会見をした時にはネクタイの代わりに「縄」を首に巻い
て出てきたのだそうです。良くも悪くも直情的に自分の信念で行動する人物というこ
となのでしょう。

 そのウィルソンが再び歴史の舞台に上ったのは10年以上後、第二次イラク戦争の
直前に、サダムの「核開発疑惑」が持ち上がった時です。サダムがアフリカのニジェ
ールから核物質を密輸しているという情報があり、それを調査するために国務省は、
ニジェールに比較的近いガボンの大使であったウィルソンに調査を命じました。

 その調査報告書は基本的に「シロ」だったのです。ですが、ブッシュ大統領はその
報告内容を曲げる形で、年頭一般教書演説の中で「サダムの核疑惑」を断定的な口調
で紹介したのです。後にパウエル前国務長官が認めた「イラクのWMD(大量破壊兵
器)疑惑に関する誤った情報」の一つとして有名なエピソードです。

 現在メディアにあふれている「ローブ疑惑」では、ローブ補佐官は「核疑惑を裏付
けるどころか否定した」ウィルソンへの政治的な報復として妻のプレイム女史がCI
A工作員であったことを暴露した、というのが動機とされています。折角、サダム・
フセインを追いつめることのできる核疑惑が持ち上がったのに、それを否定したのは
許せない、というストーリーです。

 ローブ本人は「自分はプレイムという名を語ったことはない」と頑強に否定してい
るそうですが、クーパー証言では「ウィルソン大使夫人」という文言がEメールに
あったそうです。仮にそうであればプレイム女史のことを指しているのは明白、とい
うことで、ローブ側としては、相当に旗色が悪くなっているのが現状です。ウィルソ
ンは14日の会見で「オレの妻は一人に決まっているだろう」と怒りを露わにしてい
ました。

 今回の事件が特殊なのは、まず「CIA=アメリカの国益」対「個人または外国」
という図式とは違って「CIA、国務省=伝統的な国際協調主義」というグループに
対して「ホワイトハウス=イラク戦争積極推進派」との間に対立が起きている点です。
勿論、イラク開戦を前にした「ブッシュ対パウエル」という図式に符合するのですが、
工作員の身元をバラす、というタブーを冒してまで、ローブ補佐官がウィルソン夫妻
を敵視したというのは、(仮にそうだとしたら)相当に異例なことです。

 もう一つ、この事件をややこしくしているのは、メディアの問題、特に「情報源の
秘匿」の問題です。今年の前半にあった「ニューズウィーク事件」では、グアンタナ
モ収容所での「コーラン冒涜事件」について「情報源を秘匿して無責任な報道をした」
として雑誌が激しい批判を浴びました。結果的には、報道された内容は事実であると
いうFBIの会見などが続いて、事態は沈静化しました。

 また本欄でもお伝えしたように、引き続いて「ウォーターゲート事件」の「匿名情
報源ディープスロート」の名乗り出という事件があり、ボブ・ウッドワードとカール
・バーンスタインの「勇気」がニクソンを追いつめたエピソードが改めてアメリカ社
会に追認された格好になっています。それがムードとして「権力への牽制としての匿
名情報源報道」を正当化したとも言って良いでしょう。

 ですが、今回の事件では完全に「メディアと権力」がねじれてしまっているのです。
簡単に言えば、法廷とクーパー記者はローブ補佐官を追いつめる形で「情報源の公開」
に動いている方向だと言っていいでしょう。その一方で、現在は獄中で頑張っている
ミラー記者の方は「保守派の権化で、現在の(実質的)最高権力者カール・ローブ」
を擁護するために「情報源の秘匿」をしている、という構図なのです。

 確かにミラー記者はイラク戦争報道などでは、ホワイトハウス寄りの記事を書いて
いたそうなのですが、それにしても「ニューズウィーク事件」のケースとは、左右が
逆転した形の論争になっているのです。左右対立が硬直化してしまった現在の政治状
況の中では、こうした逆転を通じて「報道の自由」そのものがイデオロギーとは切り
離されて問われるというのは、歓迎されているとも言えますし、メディアとしても騒
ぎやすいということも言えるでしょう。

 もっとも、クーパー記者は自分が罪に問われかねない局面で、あえて「情報源」に
ついて法廷で証言することに応じたのは、その情報源(ローブ補佐官)との間で合意
があったからだ、と説明しています。クーパー記者としての原則論は、「匿名情報源
の秘匿は必要、但し情報源が同意した場合は、証拠能力を高めるために名前を明かす
ことは構わない」ということらしいのです。この点に関して言えば、合意に応じたロ
ーブ陣営も「大人の一手」を打ってきている、とも言えます。

 ただ、この「情報源秘匿問題」以外については、依然として民主対共和の政争のエ
ピソードとなっている現実があります。そもそも、ウィルソン大使という人は民主党
員で、2000年にはゴア候補、2004年にはケリー候補を応援していましたし、
今日、7月14日には民主党のチャック・シューマー議員と一緒に「ローブ糾弾会見」
を行っています。ローブ辞任を求める声は、民主党を中心に大きくなっており、下院
では罷免要求決議を用意する動きもあるようです。これに対して共和党陣営は「不安
げに見ている(AP)」ということのようです。

 ただ、14日の午後には、ローブがホワイトハウスの敷地内をブッシュ大統領と並
んで談笑しながら歩く、そんな映像が一斉にTVに流れました。もしかすると、大陪
審を乗り切れる見通しがついて、改めてブッシュがローブ擁護の姿勢を見せても構わ
ないような局面になったのかもしれません。

 この点に関しては、翌日の15日には『NYタイムス』の報道として、ローブは
「自分が明かしたんじゃない。オレはその材料はノヴァークから聞いた。だから、リ
ークをしたのはノヴァークの方だ」という発言をしていて、法廷での証言もそのよう
な主旨だという内容が流れました。これ自体は、どう見ても詭弁としか言いようがな
いのですが、もしかするとローブ側としては(全くの推測ですが)法廷の席上で「守
秘義務」をタテに不利なことは一切言わず、「国益」を正面に立てて居直り、それで
突破しようという作戦が進んでいるのかもしれません。

 それにしても、お粗末な事件です。お粗末なのはローブや、ウィルソンといった個
人でも、あるいはいがみあっている二大政党だけではありません。この事件には現在
のアメリカが抱えている、ある種の問題を象徴していると思うからです。そもそも、
他国に派遣している特命全権大使の夫人が諜報機関の工作員だった、などということ
が外交儀礼上、全くの非常識だという議論がアメリカでは起きていません。

 そこに第一の問題があります。私は国境を越えた諜報活動というものを全世界で禁
止できるとは思いません。邪悪な行為ですが、止めろといっても止めない国が多い以
上、ゼロにしろというのは非現実的だと思います。ですが、911以降のアメリカで
は、CIAやNSAといった「本来は黒子の存在」の諜報関係者が妙に英雄視された
り、「堅気の世界」に出てくるのです。その結果、諜報の世界が「堅気の世界の政争」
に絡んでくるのです。その危なっかしさにアメリカは全く気付いていません。

 諜報活動というのは、基本的には相手国の国内法上は違法行為なのです。勿論、外
交官には国際法上のあるいは二国間条約による外交特権がありますが、それを濫用し
て諜報活動を行うというのは、そして大使夫人にそんな役割を当てる、というのは恥
ずべきことだと思うのです。まず、そこに反省がなく、そしてその諜報活動自体が政
争に巻き込まれ、更にその工作員の正体をバラすとかバラさないという話が、更に政
争となる、これは末期的です。

 勿論、諜報機関と政治なんてそのようなものだ、というシニカルな見方もできるで
しょう。ですが、諜報は軍事外交にダイレクトに結びつくのです。そして政治もそう
です。となれば、アメリカという巨大な軍事マシーンのある意味では「目と耳」の部
分が派閥抗争で右往左往しているとしたら、これは危険きわまりないと思います。

 何故かと言うと、諜報というのは機密のベールに包まれている以上、事実関係を1
00%証明できないものなのです。それを政争の具にするということは、証明できな
いものを左右で引っ張り合うことになり、結果的に政策論議ではなく権力の力比べで
物事が決まるような事態になりかねないからです。そうなれば、諜報というものが自
分の国の世論にも軍隊にも信用されなくなってしまうわけで、政権は内部から崩壊し
てしまうでしょう。

 第二の問題は、この政争には理念的な軸がなさ過ぎるということです。「情報源秘
匿」の可否というテーマが、左右逆転した形で争われているというのも妙ですが、事
件の全体が完全に政治的な力比べになっている。それが極端だということです。それ
は暴露(が事実だとして)を行ったローブにしても、そのローブを引きずり下ろそう
という民主党にしても同じだと思います。

 ローブ補佐官が「逃げおおせて」も、理念的結集力の弱い政治が続くでしょうし、
仮に「ローブ失脚」ということになると政局は、ブッシュ後を意識し始めることにな
るのかもしれません。いずれにしても政党間には怨念は残るでしょうが、建設的な政
策論議は進まないことになります。ロッキード事件やイラン・コントラ事件のように、
政権は傷ついても結果的に自浄作用が働いて良かった、という結末になる可能性も薄
いと思います。

 こうした状態が続けば、アメリカの政治システム全体が弱体化してしまうのではな
いでしょうか。理念の軸のなさからすれば、まるで日本の永田町「政局」に似た構図
です。いや、日本の方がスパイ組織などという後ろ暗い面を政治に絡ませていない分、
まだましとも言えるのかもしれません。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家。米ラトガース大学講師。1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア
大学大学院(修士)卒。著書に『9・11(セプテンバー・イレブンス) あの日か
らアメリカ人の心はどう変わったか』、訳書に『プレイグラウンド』(共に小学館)
などがある。最新刊『メジャーリーグの愛され方』(NHK出版生活人新書)。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140881496/jmm05-22
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                   melma! : 8,744部
                   発行部数:134,693部(7月11日現在)

【WEB】    http://ryumurakami.jmm.co.jp/

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【発行】 有限会社 村上龍事務所
【編集】 村上龍
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