★阿修羅♪ > Ψ空耳の丘Ψ40 > 206.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
東大卒の2割がニートに!?
【PJニュース 06月21日】− 東京大学学生部の調べによると、平成15年度の同大学学部卒業者3416人のうち、就職した人はわずか27.9パーセントにすぎなかった。就職希望者のうち99.9パーセントは就職できたが、大学院進学者や公務員試験・司法試験などの浪人を除いても、669人は就職も進学も受験勉強もしていないという結果が出ている。これは卒業生全体の2割弱にも上る数字だ。東大の卒業生の2割はどこに消えてしまったのだろうか。ただし、これらのうち大学側に就職の報告しなかった学生も含まれ、統計上は「その他」という分類になるそうだ。
学部卒業生の過半数が進学するという大学院修士課程の状況は、修了者2711人のうち半数が就職、4割は博士課程に進学、留学などを除く8.4パーセントの229人がここでも「その他」だ。博士課程になると、就職希望者のうち13パーセントは就職できないだけでなく、修了者の47.1パーセントの722人が研究者にもなれず「その他」となっている。
内閣府と厚生労働省で定義が違う「ニート(NEET)」であるが、難関校の東大に合格しながらも、学部卒業者の2割が進学や就職もせず、ニート予備軍になってしまうことは、社会に優秀な人材を輩出するはずの大学としては「失格」だと言われてもしかたがない。
では、なぜこのような事態を招く結果になってしまたのだろうか。実は、東大には就職部という学生のための組織が存在しない。もちろん、学生部に就職課はない。今までの就職活動は基本的に、学生個人の努力によって支えられてきた。もちろん、企業側の採用が良かった時もあったし、教授推薦が幅を利かせていた時代もあっただろう。しかし、現在は大学名を聞かない採用活動なども増えており、そのような中で失敗する学生も多いという。
さらに、東大は研究機関として、COE(センター・オブ・エクセレンス=世界的研究教育拠点)プログラムの獲得数からも国内で確固たる地位を持っており、優秀な学生には研究者になって欲しい、という教官らの要望が大勢を占めていることも、大学側が就職活動支援を思うように進められない要因だ。そのため、指導教官に隠れて就職活動をしたり、論文執筆のために就職活動の時間を作ることができない学生はいくらでもいる。しかし、指導教官を師事し続け、研究者を目指すべく博士課程まで進んだところで、アカデミック・ポストにはほとんど空きがないのが現状だ。
このような東大の歴史と教官のエゴから形成された環境に、優秀な学生たちが犠牲になっている。まさかニートになるために必死に受験勉強して、東大を目指したわけでもあるまい。社会から優秀な人材を集めるだけ集めておいて、放置している東大にはいま、社会に優秀な人材を輩出するという大学としての基本的な機能が求められている。【了】
パブリック・ジャーナリスト 三國 裕史【神奈川県】
この記事に関するお問い合わせ先:newscenter@livedoor.net
東大卒の2割がニートに!?
▲このページのTOPへ HOME > Ψ空耳の丘Ψ40掲示板