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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051017-00000011-san-int
過激な対日批判が飛び交う中国の民族派電子掲示板で、「親日的」とみなされた中国、台湾の著名人を「漢奸(かんがん)」(売国奴)と決めつけた実名リストが流れている。発信源は中国共産党機関紙「人民日報」が運営する電子掲示板「中日論壇」とみられるが、不定期に更新されては、転載に次ぐ転載で影響を広げている。(矢板明夫)
このリストは「中国当代漢奸最新排名」。中国語の検索エンジンで探すと、重複分を含め千二百以上もの掲載サイトが列挙される状態だ。リストには常時十人前後の学者、ジャーナリスト、政治家らが実名で登場する。やり玉に挙がる人物や順位は随時入れ替わるが、リスト化の基準は「対日弱腰」「日本の肩を持った」などで、簡単な理由も書き込まれている。
今月中旬に更新された最新版では、台湾の独立派政党・台湾団結連盟の蘇進強主席が「靖国神社参拝」を理由にトップ。日中関係の戦略的な改善を呼びかける「対日新思考」で日本でも話題となった中国人民大学の時殷弘教授(二位)、人民日報出身の評論家、馬立誠氏(六位)も、それぞれ名を連ねている。
「親日派」として知られる台湾の前総統、李登輝氏は、意外にもリストに登場してこない。過去には中国メディアの論評で「大漢奸」と名指しされた李氏だが、最近の掲示板での書き込みでは「彼はもう日本人。相手にしなくていい」。
「漢奸」という言葉は、中国語では批判を超えて全人格を否定する語感が強い。このため、中国の日本研究者からは、「いつか自分の名前もリストアップされるのでは」「日本での講演内容が翌日には中国のインターネットに流れるので油断ならない」と不安の声が高く、論文や講演内容にもリストの存在が影を落としかねない状況だ。
(産経新聞) - 10月17日2時56分更新