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政府は先月、韓米安保政策構想会議で、米国側に「戦時作戦統制権の返還に向けた協議をしたい」と提案したと明らかにした。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は今月1日、国軍の日の演説で、「韓国軍は戦時作戦統制権の行事を通じて名実ともに自主軍隊に生まれ変わるだろう」と述べた。
韓国軍の作戦統制権は、平時には韓国合同参謀本部議長が、戦時には在韓米軍司令官が行使することになっている。作戦統制権とは、軍事的任務を果たすべく命令を下すことができる権限である。
北朝鮮の侵略にあたって、“ソウルを死守するか”それとも“休戦線越しに進撃するか”といった決定は、統帥権者である韓米両国の大統領が協議して決定することであり、在韓米軍司令官に与えられた権限は、こういう任務を果たすための作戦命令を下す権限だ。また、部隊の構成、任務、人事などといった決定は、統制権(control)の上位概念である指揮権(command)に属するものであり、指揮権は軍の統帥権者である大統領が持つ。
このように制限的な作戦統制権を軍事主権と同義語であるかのように飾り立て、「統制権を取り戻して自主軍隊をつくる」という主張は、政治的な思惑が働いたものとしか思えない。
北大西洋条約機構(NATO)も、作戦統制権を米軍の将官であるNATO司令官に与えているが、NATOに属する英国、ドイツ、イタリアといった国々が「軍事主権を取り戻す」と声を張り上げたことはない。
作戦統制権の返還には、二つの方法がある。一つは、韓米連合司令部の作戦統制権を韓国軍が持つ場合だ。この場合、在韓米軍は現在に比べて大きく削減され、戦時の米軍の大幅な増員も期待できないと軍事専門家たちは予想している。もう一つは、韓国軍は韓国側が、米軍は米国が統制する並列的体制に切り替わることだ。この場合、現在の韓米連合司令部は解体される。
いずれの方法も、韓国の安全保障において主導的役割を担ってきた在韓米軍に決定的な変化をもたらすことは避けられない。
「作戦統制権を取り戻す」、「名実ともに自主軍隊に生まれ変わる」といった言葉は、それ自体はみみざわりの良い表現かも知れないが、それと引き換えに致命的な安保のリスクを甘受しなければならない。
また、政府が提示した国防改革に必要な予算289兆ウォンが統制権の返還を前提にしたものだとしたら、“自主軍隊”という言葉と引き換えに、必要以上の財政負担を負うものである。また、もしそれが前提とされていないなら、現在の国防改革予算289兆ウォンに加え、統制権の返還に向けてまた膨大な追加負担を覚悟しなければならない。
自主軍隊という威勢のいい言葉を大統領が使ったせいで、国民はその言葉の使用料として膨大な負担を覚悟しなければならない状況だ。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/10/13/20051013000003.html