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英「中国詣で」加速…経済重視、閣僚の訪中も年14回
【ロンドン=飯塚恵子】英国が対中国政策を急速に強化している。急成長する中国の経済が欧州経済にも大きな影響を与え始めているためで、フランス、ドイツなどの欧州主要国も着々と中国に接近。背景には、中国が近く、地球温暖化や核不拡散など、地球規模の問題解決でも無視できない存在となる、との意識がある。今後、欧州からの「中国詣で」は一層盛んになる見通しだ。
欧州連合(EU)議長国のトップとして訪中していたブレア英首相は、胡錦濤国家主席との会談など2日間の日程を終え、6日、インドに向かった。6日には英首相として温家宝首相と約3時間にわたり会談した。
「いまや経済大国の中国だが、人権問題では実績が伴っているか、世界中の人々が疑問に思っている、と話した」。ブレア首相は温首相との会談後、人権問題で中国側にきちんと注文をつけたことを強調した。
今回の首相同行の財界要人は総勢40人。中国にとって英国は、ドイツに次ぐEUの有力貿易パートナーだ。英国はさらに、2010年までに対中貿易額を総額400億ドル(約4兆3680億円)まで引き上げる目標を設定。航空機大手エアバスの英国支社も6日、中国から航空機10機(15億ドル=約1638億円相当)の発注があったと発表した。
英国の過去1年間の対中接近ぶりは目ざましい。2月にはブラウン財務相が訪中したほか、外相、貿易産業相など、閣僚の訪中は実に14回に上った。財界では、来年1年間で約100の貿易交渉団が訪中を計画。ブレア首相訪中に同行したパウエル前首相補佐官は「今後数か月間、英国は中国に『集中攻撃』を仕掛ける。欧州で1番になる」とガーディアン紙に語った。
一方、仏独両国も、従来からの対中重視政策に一段と力を入れる方針だ。フランスは、中国が切望するEUの対中武器禁輸の解除問題で、米国の反対を尻目に中国支持の急先鋒に回り、EU内で対中関係が最も良好と言える。ドイツもシュレーダー首相が98年の就任以来、6回の訪中実績を持ち、独中双方の貿易額は、中・欧貿易総額の3分の1を占める。欧州諸国の中国重視姿勢は、経済だけでなく地球温暖化、移民問題、核不拡散などでも「真に相談相手となる戦略パートナー関係」(英政府筋)とするのが狙いだ。
米国への対抗意識も見え隠れする。ブッシュ政権は台湾問題や軍備増強で厳しい対中批判を展開しているが、あるEU筋は「米国は、地球温暖化問題で米中対欧州の構図を作るなど、欧州よりもうまく外交を展開している」と語った。
(2005年9月7日0時46分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050906id25.htm