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日本の知識人・マスコミ・官僚・政治家が東アジア共同体とアメリカヘゲモニー低下を中国、北・朝鮮の脅威を煽ることで必死に否定しても、東アジアの脱冷戦は進むだろう。日本の右傾化と戦争賛美は東アジアの脱冷戦を遅らせることはできても、食い止めることはできない。いかに反日嫌韓・竹島問題が20年前30年前50年前と同じ見えても、今の韓国が1955年の李承晩反共独裁時代に戻る訳ではない。日本の根強い冷戦構造維持願望にも関わらず、中国、北・朝鮮の武力脅威論にも関わらず、「韓国が北・朝鮮に、日本が中国に武力併合されても良いのか」という脅しににも関わらず、このような憎悪では、脱冷戦は止められない。北・朝鮮の経済開放、中韓との経済活動活発化はすでに始まっているのである。拉致問題解決も、冷戦的なハードで武力的な封じ込め思考ではなく、国際的なソフトランディング論を取り入れたものであってこそ、進展するだろう。こういえば右派は「お前は北朝鮮の体制を延命しようとしているのか!北朝鮮に国を売ろうとするサヨは売国奴ですな。東アジア共同体は日本を中国に併合しようとするものだ。お前は裏で中国と北朝鮮の工作員だろう?」と言うだろう。しかし、拉致被害者は日本人だけではない。日米だけで引きこもり的に物事を解決しようとしても、世界は網の目のように結びついているのだ。北・朝鮮とて例外ではない。アメリカに追随さえすれば、物事が解決するのだ、冷戦構造のままでよいのだという思考回路は何も解決しないだろう。
無論、冷戦体制維持派は何がなんでも中朝の武力攻撃の可能性を宣伝して、アメリカのヘゲモニー低下を断じて許さないだろう。よって、簡単に東アジアの脱冷戦は進まないだろう。「なんとかしてでもアメリカのヘゲモニーを維持し、東アジアをアメリカにひれ伏させたい。勝手に共同体をつくろうというような奴は頭を下げさせてやるんだ」という強い意気込みは右派にはあるだろう。勝手に東アジアでEUのような動きをしようとすれば、売国奴呼ばわりが来るかも知れないし、「この野郎!こいつめ!こいつめ!」と頭を押さえつけられるかも知れない。しかし、私は平和的な南北統一こそが拉致問題解決を確かなものにすると考えているし、東アジア共同体はいずれ実現すると思っている。別に現時点で自衛隊をなくせとか、中国・北の朝鮮に対し無防備になれ、一方的に攻撃され征服されろといっているのではない。攻撃されれば反撃して良いし、海上保安庁のこれまでの行動が間違っていたとも思わない。しかし、この10年で韓国は民主化した。日本よりはるかに言論統制の激しかった国で諜報機関が解体され、次々と冷戦時代の犯罪が暴露されている。この流れは止められない。東アジアのヘゲモニーは永久のアメリカの手にある訳ではない。かといって、中国や朝鮮の独裁政権が独占できるものでもない。そのような独裁的な試みは米国と中朝の対立の続く中でも解体されていくだろう。