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08/02 18:00 ネパール情勢、出口見えず 国王の直接統治が半年
ネパールのギャネンドラ国王が二月一日に非常事態を宣言、直接
統治を敷いて半年がたった。国政への強い影響力を維持したい国王
と、民主化復帰を求める主要政党、反政府武装組織ネパール共産党
毛沢東主義派による「三すくみ」状態が続いており、政治危機脱却
への出口は見えていない。
カトマンズの消息筋は、民主化復帰を目指し反国王で共闘関係に
あるネパール会議派(NCP)など「七党連合」の一部が八月中に
会合を開き、「立憲君主制」の放棄を打ち出す可能性があると指摘
する。政治体制の変更を目指すものだ。
この背景には、政党側と毛派の連携を探る動きがある。NCPの
コイララ総裁が六月初め、インドを訪問した際、毛派幹部と接触し
たとされる。これに呼応し、毛派は同月十九日、プスパ・カマル・
ダハル書記長名で七党連合に対し、「打倒君主制のため政党側と協
力したい」との声明を出した。
しかし複数の外交筋は「毛派が非武装化しない限り両者が手を結
ぶ可能性は低い」とみる。毛派は憲法を否定し、一党独裁を目指し
ているため、政党側の「民主化」とは相いれないためだ。毛派の声
明は「国王と政党の間の亀裂を広げる戦略」との見方が強い。
一方、国王は今年四月に非常事態宣言を解除したものの、依然と
して全権を掌握。内外に「民主化進展」をアピールするため、来年
四月までの地方選挙実施を表明している。
毛派が国土の八割を押さえ、七党連合がボイコットを決めている
中での選挙実施は困難な状況だが、国王は雨期明けの十一月か、降
雪が終わる三月ごろに選挙を強行するとの見方が出ている。(カト
マンズ共同)
20050802 1800
[2005-08-02-18:00]
08/02 18:09 国王と政党の和解不可欠 米の軍事援助再開に含み
ネパールの民主化復帰に向け、米国と地域大国インドが協力し、
ギャネンドラ国王と主要政党に和解を促している。ジェームズ・モ
リアティ駐ネパール米大使に今後の見通しなどを聞いた。(カトマ
ンズ共同=田辺宏)
―民主化の進展は見られるか。
「政治犯の解放などでは改善があったが、国王と各政党の和解は
全く進展がない。両者の対立が長引けばネパール共産党毛沢東主義
派に有利となり、問題解決は難しくなる」
―毛派掃討での国王への軍事援助再開には民主化が絶対条件か。
「国王と政党の和解が進まなければ、(軍事援助と民主化促進を
)同時に行う必要がある。政府軍は機動力、情報収集能力、戦略で
劣る。しかし現段階で軍事援助すれば(国王と政党が対立をさらに
深め)毛派が政権を取るという破滅的な結果を招く。百%の民主化
が条件ではなく和解の進展次第だ」
「二月の国王の行動(非常事態宣言)で毛派がよみがえったこと
は、大きな失望だった。毛派は今こそ合法勢力(国王と政党)を完
全に引き裂く時だと思うだろうし、実際そうしようとしている」
―毛派が武器を置き、合法的な政党になることはあるのか。
「将来的にはあり得る。しかしそのためには/(1)/国王と政
党が連合/(2)/国際社会が国王と政党の統一政府を支持/(3
)/毛派に勝利はないことを確信させる―の三条件が必要」
―ネパールをめぐるインドと中国の関係は。
「中国は、この地域(南アジア)でのインドの絶対的な力を知っ
ており、かかわりたくない。両国は摩擦を望んでいないが、その中
間で大きな混乱が起き、難民が流入すれば、(介入など)厳しい選
択を迫られることになる。毛派は地域の戦略、地政学上の脅威だ」
―米国が望ましいと思う政治形態は。
「ネパールは歴史的に立憲君主制を歩んだ。毛派は憲法、君主制
、政党をすべて廃止しようとしている。仮に政党側が君主制を捨て
て民主主義を目指せば、毛派が政権を握る自殺行為となる」
× × ×
ジェームズ・モリアティ氏 1975年米国務省入りし、在中国
米大使館政治部長や、国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長
などを歴任し、2004年7月現職。
20050802 1809
[2005-08-02-18:09]
08/02 18:11 国王の直接統治
国王の直接統治 ネパールのギャネンドラ国王は2月1日、非常
事態を宣言しデウバ首相ら全閣僚を解任、直接統治を敷き、全権を
掌握した。主要政党の指導者を自宅軟禁下に置き、政党活動家を拘
束した。国王は3年以内に平和と民主主義を回復するとしている。
反政府武装組織ネパール共産党毛沢東主義派の掃討作戦も行ったが
、現在も毛派の活動地域は国土の約8割を占めるとされる。インド
や米国が軍事援助を停止するなど国際的な圧力を受け、国王は4月
に1年以内に地方選挙を行うと発表するとともに、非常事態宣言を
解除。しかし直接統治は継続。(カトマンズ共同)
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[2005-08-02-18:11]