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日本では、「北朝鮮に拉致された可能性がある行方不明者」を表す言葉として、「特定失踪者」という単語がある。これを調査するため、「特定失踪者問題調査会」という民間団体が結成されている。
同団体が最近、「拉致された可能性を否定できない」2人の身元を追加で公開した。同団体がこれまで16回にわたり公開してきた「特定失踪者」は計242人。
このうち、30人は「拉致された可能性が極めて高い」と主張している。
2002年の日朝首脳会談以後、「北朝鮮とは日本人を拉致する国」、という先入観を持つようになった日本人にとって、これらの主張は絶対的だ。言論も、同団体から発表された内容を疑う余地もなく、そのまま使用する。
しかし、よくよく見てみると、これらの主張は論理的根拠がとても薄い。
同団体のホームページに掲載されているリストを見ると、初の失踪者発生が1953年10月で、以後1954年、1955年と続き、最後は2003年3月と2003年9月になっている。
小泉首相の初訪朝以後も北朝鮮の拉致犯罪は続いていた、との主張だ。北朝鮮は自ら拉致してきた事実を認め、謝罪して以降も、本当に日本人拉致を続けてきたのか。
昨年、同団体はある脱北者(北朝鮮を脱出した住民)から手に入れたという2枚の写真を基に、「1968年と1977年に行方不明になった2人は北朝鮮に拉致されていた」と発表している。
しかし、その後、写真の中の人物は、実はその他の脱北者だったという事実が判明し、大恥をかいている。
北朝鮮の日本人拉致は金正日(キム・ジョンイル)総書記本人が認めた通り、1970年代末〜1980年代初めという「特定期間」に対南工作員の教育という「政策目的」のために実行された国家犯罪、というのが専門家たちの共通した見解だ。
北朝鮮が行った日本人拉致をかばうつもりはない。しかし、このような形の説得力に欠ける主張は、むしろ拉致問題の解決に何ら役立たない。
拉致問題に対する一部の日本人の行動は、確かに正常とはいえない。ここのところ、これらのうちの一部が、歴史を歪曲した「扶桑社の歴史教科書」の普及をリードしている点も、尋常とは思えない。
鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)東京特派員
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/08/01/20050801000022.html