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アチェ和平協議大詰め 治安・政治参加で溝
インドネシアのナングロアチェ州
【ジャカルタ=藤谷健】インドネシア政府と同国ナングロアチェ州の独立派ゲリラ組織「自由アチェ運動」(GAM)の和平協議が12日、ヘルシンキで再開した。スマトラ沖大地震をきっかけに1月に始まった非公式協議は、過去4回の交渉で進展したが、治安体制やGAMの政治参加などでは隔たりが大きい。
●広範な自治は合意
インドネシア政府は、非公式協議を今回で終わらせ、双方が合意している事項を盛り込んだ基本文書をもとに公式協議を来月に開き、8月17日の独立記念日までに和平協定を締結させたい考えだ。仲介役のアハティサーリ・フィンランド元大統領側が覚書をまとめ、今月初めに双方に手渡している。
独立をめざして武装闘争を続けてきたGAM側は、すでにアチェの独立要求を取り下げることに合意している。双方の交渉当事者によると、政府側はアチェでの広範な自治を認め、GAM関係者の恩赦だけでなく、アチェで採掘された石油やガス資源の収入を配分し、紛争被害者への補償も提示している。
和平協定が守られるかどうか監視する態勢については、欧州連合(EU)と東南アジア諸国連合(ASEAN)が参加することで大筋で合意した。GAMは当初、国連の関与を求めたが、インドネシア政府が強く反発し、仲介役の説得で双方が妥協した。
懸案の治安体制では、「アチェ警察」の設置で合意した。所属をめぐって国家警察の傘下を主張するインドネシア政府に対し、GAMは国家警察から独立させることを要求。自治政府の権限のもとで、外国警察による訓練も求めている。
国軍の駐留について、国境警備などを除き大幅な撤退と削減を求めるGAMに対し、インドネシア政府は一定規模の駐留を主張。協議の焦点は残留軍の規模と、GAMの廃棄する重火器数などになりそうだ。
政府は、和平後のアチェでの政治参加について、GAMが求める地方政党の設立を認めない考えだ。選挙法の規定通り、全国政党からの立候補を認めることで歩み寄りを促す。
マレーシア在住のGAM幹部は朝日新聞記者に「今回が和平の最後のチャンス。我々の活動のよりどころだった独立要求は取り下げた。インドネシア国内にとどまることを決断した。アチェ人の意思を政治に反映させるため、地方政党の結成では譲歩しない」と話した。地方政党の交渉では妥協しない考えで、交渉は難航する見通しだ。
http://www.asahi.com/paper/international.html