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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu97.htm
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日高義樹ワシントン・リポート(1) (テキスト実況中継)
「北朝鮮の核問題の解決策は空爆か元CIA長官に聞く」
2005年6月27日 月曜日
【日高】 本日はありがとうございます。あなたは世界最大のコンサルタント会社ブース・アレン・ハミルトンの副社長でクリントン政権のCIA長官、そして現在もブッシュ政権の手助けをしておられますね。
【ウールジー】 主に海軍について助言している。
【日高】 北朝鮮の核兵器開発について伺います。昨年あなたは北朝鮮の核兵器をやめさせるには製造施設の爆撃しかないとおっしゃったが、その通りになりつつあります。話し合いではやめさせられないと。今でもそう考えたいますか。
【ウールジー】 私の予測が間違っている事を願っていた。話し合いが効果を上げるように願っていたが北朝鮮に影響も与えていなかったことは明らかだ。去年、私は中国に望みをかけた。中国は北朝鮮に大きな影響力を持っている。膨大な量の燃料や食糧援助を与えているからそれを梃子に核開発計画をやめさせられるのではと考えた。だが、その望みは砕かれた。中国は最近、そうしないと決めた。世界はプルトニウムや濃縮ウランを売ろうと真剣に考えている核保有国北朝鮮と共存するか行動を起こすか、という事態に直面している。
【日高】 なぜ中国はアメリカ、日本など西側諸国を助けて北朝鮮の核開発を中止させようとしない。
【ウールジー】 中国の指導者、とりわけ軍首脳は過去数十年にわたって北朝鮮と緊密な関係を維持してきており、北朝鮮が急に変わるのを望んでいない。北朝鮮が民主主義国家になるのを望んでいないし北朝鮮からの難民問題を懸念している。
【日高】 アメリカの新聞によると中国は北朝鮮に対する輸出を20%増やしただけでなく交渉も活発になっています。それにもかかわらず核兵器開発を中止させようとしないのは、よくありません。ブッシュ政権の意思に逆らっています。
【ウールジー】 まったく良くない。非常に視野が狭い。アジア諸国が核保有国になるのを促し、北朝鮮が核大国になるのを助けているようなものだ。恐ろしいことだ。日本政府やアメリカ政府だけでなく常識ある国々の政策と食い違っている。北朝鮮が核保有国になって良い事は何もない。核物質を輸出するようになる。いま、密かにミサイルやヘロイン偽ドル札を輸出しているように、北朝鮮は略奪し、殺戮する専制国家だ。世界最悪の政権だ。
【日高】 あなたがCIAにクリントンがホワイトハウスにいた時北朝鮮は核兵器を持っていませんでした。ブッシュ大統領は、北朝鮮と中国に強硬な政策をとっていますが、北朝鮮は今や4つか6つの核爆弾を持つようになっています。つまり北朝鮮と話し合うこの4年間の政策は失敗した。
【ウールジー】 失敗したと思う。北朝鮮は1994年にクリントン政権と結んだ協定を破ったと認めている。北朝鮮は核拡散防止条約に従い濃縮ウランを製造してはならないはずだった。だが、数ヶ月前の協議の席上、彼らは濃縮ウランの製造を始めたと言ってのけた。北朝鮮は国際的な義務に違反した。北朝鮮は残虐な少数の人間によって統治されている。彼らは国民を餓えさせ、殴打し、弾圧し、殺戮し、強制収容所に放り込んでいる。だが民主主義に熱心な人々の間でも北朝鮮政権は世界最悪という議論がなされていない。
【日高】 このパート最後の質問です。ブッシュ大統領は北朝鮮に強く警告しました。これは「最後の一線」を引いた事を意味するのでしょうか。かつてケネディ大統領が1962年フルシチョフにやったように「この一線を越えたら戦争だ」という、もし北朝鮮が大統領の言う事を聞かないのなら軍事行動を起こすという。
【ウールジー】 軍事力を使わずに住む事を願っている。それは最後の手段だ。だが、この手段を引っ込めてはならない。そんな譲歩をしたら北朝鮮が付け上がるだけだ。我々は軍事力をいかに使うかという計画を立てなければならない。アジアの同盟国と共に真剣に話し合って計画を立てなければならない。軍事力を使う事になった場合、アジア諸国とアメリカを確実に守るために。
【日高】 軍事行動を起こす時が迫ってきているのでは。
【ウールジー】 時間が限られてきたのは、北朝鮮が中東のテロリストグループに核物質を売る恐れがあるからだ。北朝鮮はパキスタンのカーンと一緒にミサイルと核兵器開発を行った。大勢のパキスタン人と働いている。北朝鮮はアルカイダやヒズボラなどテログループに濃縮ウランやプルトニウムを売り渡す事を躊躇しないだろう。大金を稼げるだけでなく捕まらないと思えば、濃縮ウランやプルトニウムを密輸する方がミサイルを売るより簡単だ。爆弾製造に必要な濃縮ウランの量はフットボールくらいの大きさだ。プルトニウムならグレープフルーツの大きさでいい。密輸しなければならないが、北朝鮮が外交便を利用して密輸する事は十分考えられる。現在そうやってヘロインを密輸しているように、北朝鮮は主としてヘロインで外貨を稼いでいる。ヘロインを売れるのなら、濃縮ウランやプルトニウムも売れるはずだ。
【日高】 北朝鮮に対する軍事行動について伺います。以前あなたは話し合いを進めるために中国に対してアメリカの力を見せつけるとおっしゃいましたが、専門家としてどのような軍事行動が可能だと考えておられますか。
【ウールジー】 私は2年ほど前、これについて退役した友人のマカニーリィ空軍大将と一緒に「ウォールストリート・ジャーナル」に書いた、アメリカが軍事力の行使を考慮に入れている事を知れば、中国が北朝鮮の核開発計画をやめさせるために動くだろうと期待した。だが失敗したようだ。北朝鮮に対して軍事力を使うとすれば、ヨンビョンを攻撃するだけでは良くない。1990年初めにそうした計画があったが、当時は理屈にあっていた。だが北朝鮮はこの数年間に膨大な量の砲座を作り長距離砲を隠すための洞窟を掘った。韓国は数千の長距離砲の射程内にある。北朝鮮はスカッドなど短距離ミサイルの発射基地を造ったが、日本やハワイ、アラスカに到達する長距離ミサイルも持っていると思われる。彼らがこの程度のミサイルを持つことは不可能ではない。従って軍事力を使うとしたら考慮すべき事が幾つかある。まずこの地域に、実験中のものであってもミサイル防衛システムを配備し、使えるようにする必要がある。次にヨンビョンだけを対象にするのではなく、国外を攻撃できるあらゆる軍事施設を対象にしなければならない。数十のミサイル基地や発射基地、韓国を射程内にしている全ての長距離砲を対象にする。精密爆弾ができる前は、こうした施設を全て爆撃するのは思いもやらぬことだった。一つの施設、あるいは洞窟に命中させるために幾つもの爆弾を投下しなければならなかった。だが我々の精密爆弾は2年前のイラク戦争で証明されたようにますます優秀になってきている。戦術空軍は空母の爆撃機を含め数十の精密爆弾を運ぶ事が出来る。戦略爆撃機のB1、B2、B52は数百の精密爆弾を搭載できる。あらかじめ攻撃目標を決めた爆弾が、90%の確率で洞窟や長距離砲の砲座などを爆撃する。完全ではないし、危険でリスクを伴うのでやりたくないが我々は選ばねばならない。テログループにプルトニウムや濃縮ウランを輸出する核保有国北朝鮮が、韓国、日本、アメリカなど破壊できる長距離砲基地を全て取り除くか、私の知る軍事関係者は全員、北朝鮮の大規模な陸軍や空軍は懸念していない。比較的近代的な空軍中隊が一つあるが空の防衛力は極めて弱い。大規模な陸軍もアメリカの空爆には抵抗できないだろう。問題は、洞窟にあるものを含めて数千の長距離砲だ。それに韓国や日本、弾道ミサイルの発射基地だ。こうした目標には十分狙いを定めておかねばならない。
【日高】 そういった多数の目標は精密爆弾によって正確に爆撃されるわけですね。
【ウールジー】 全てではない、完全というわけにはいかないだろう。クラウゼビッツが言った様に戦争は五里霧中だ。人はいつも混乱の中で戦う。だが、北朝鮮の外国に対する攻撃能力を、ほぼ完璧に破壊できるだろう。アメリカの戦術空軍と在韓米軍を使えばすぐに実行できる。必要とあれば空母や戦略爆撃機で行うことができる。
【日高】 アメリカ軍と情報関係者はどの目標を攻撃するべきか正確にわかっているわけですね。
【ウールジー】 我々は半世紀にわたって洞窟や長距離砲の場所を厳しく監視してきた。北朝鮮の通常兵力や核兵力についてもよく理解している。我々は北朝鮮にどう対処するか半世紀余り同盟国と一緒に計画を立ててきている。
【日高】 あなたが政府にいるとしたら金正日の居住地の爆撃を進言しますか。レーガン政権がカダフィに対してやったように。
【ウールジー】 あれはカダフィを排除するためのリビアに対する限定爆撃だった。
【日高】 金正日に対してもやりますか。
【ウールジー】 わからない。彼を含めて全ての命令系統が対象だ。空から金正日を狙うだけではない。北朝鮮の解放でなければならない。韓国、日本、アメリカに対する攻撃能力を破壊する精密な計画であるべきだ。北朝鮮を恐るべき政権から開放する、数人を狙うためではない。
◆第一部 北朝鮮の核は話し合いでは解決できない ウールジー元CIA長官に聞く 2ちゃんねる
http://society3.2ch.net/test/read.cgi/kokusai/1103447086/l50
まとめ
・話し合いで北朝鮮の核問題を解決しようという
試みは失敗した
・中国は北朝鮮の核兵器問題を解決する気を
急速になくしている
・中国の軍首脳は、北朝鮮と緊密な関係にあり
北朝鮮政府を現状のままにしておきたいと考えている
・アメリカは軍事行動を起こす計画を真剣に考え
同盟国と早急に話し合う必要がある
第二部 全面爆撃になるのか ウールジー元CIA長官に聞く
まとめ
・爆撃は金正日を含めて北朝鮮の全ての
統治命令系統を対象としなければならない
・爆撃は核施設寧辺だけでなく
北朝鮮のあらゆる軍事施設と基地を目標とし、北朝鮮が
外に攻撃を仕掛けることが出来ないようにする必要がある
・北朝鮮のミサイルに対しては、実験中であっても
ミサイル防衛システムを配備しなければならない
(私のコメント)
日高義樹のワシントンレポートでアメリカがいつ北朝鮮を空爆するかについて、ウールジー元CIA長官にインタビューしていましたが、どの程度ブッシュ政権の意思を反映しているのか分かりませんが、1994年当時は当事者であっただけに、北朝鮮の裏切り行為は頭にきていることだろう。
ブッシュ大統領はやると言ったらやる大統領である事はイラク戦争が証明している。まさに「外交でダメなら軍事行動しかない」というのは、単なるブラフではないだろう。中国の影響力に期待したが中国政府はアメリカの期待を裏切ったようだ。逆に援助を増額して北朝鮮の核開発を手助けしている。
中国の軍部はアメリカが軍事行動には出ないと読んでいるのだろうか。確かにイラクで足をとられて北朝鮮と戦争できる状態ではない。つまり中国にもアメリカのブッシュは舐められているのだろう。これだけ中国と北朝鮮にバカにされてブッシュ大統領が北朝鮮を叩けなかった場合、アメリカは張子の虎として軍事的権威は地に落ちるだろう。
イラクにおける米軍は泥沼状態であり、米兵に死者も1700名を超えた。交代要員の確保もままならず、米軍の弱点をさらけ出した格好になっている。イラクに軍隊を派遣していた同盟国軍も引き上げるところが続出して、アメリカの軍部の面目は丸つぶれだ。アメリカ軍は爆撃は出来ても地域の制圧は出来ない軍となれば、アメリカに敵対する勢力は弱点をついてくるだろう。
だからこそ中国と北朝鮮は弱点を突いてきた。たとえ北朝鮮を爆撃で叩いても、地上軍を北朝鮮に送る事は出来ないと見ているのだろう。イラクのようなゲリラ戦を仕掛けられれば米軍の死者はイラクどころではない。韓国軍も北朝鮮に対してどの程度働けるか米軍としては期待できない。爆撃は出来ても北朝鮮を制圧できなければ無意味だろう。
アメリカが北朝鮮を叩けないのは中国がどう出るか読めないからですが、1990年代の米中の戦略的パートナーと言っていた時代から見ると、時代はまるで変わった。中国はアメリカと表向きはパートナーと言いながら、北朝鮮をけしかけて核武装させてしまった。つまりアメリカは中国に裏切られたわけであり、ここでアメリカが報復できなければアメリカの覇権は崩れ去ってしまうだろう。
中国はアメリカが北朝鮮を叩けなかった場合、さらに強気に出て韓国に対しても手を回してくるだろう。中国は戦わずしてアメリカを極東から追い出して台湾と日本も手に入れるつもりだ。すでに韓国は中国の勢力下に入りノムヒョン政権が誕生した。日本に対しても河野洋平や加藤紘一や古賀誠らの親中派が政権を狙っている。
日本としてはアメリカがどう動くのか高みの見物していれば良いのであり、ブッシュが北朝鮮を叩けなければ日本は核武装するしか選択の手段はない。中国の核ミサイルが日本に標準を向けている限りそうせざるを得なくなる。極東アジアがこのようになってしまったのもクリントン政権の戦略的ミスでありウールジーCIA長官の責任でもある。