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北京五輪で変化 薬物密輸、カナダルート急増
中国系外国人が絡む薬物密輸事件で、従来の中国からではなく、カナダルートで持ち込まれるケースが急増している。三年後の北京五輪開催を控えた中国当局の取り締まり強化の影響らしい。カナダには、薬物製造に必要な広大な土地や協力者を得やすいといった条件が整っているという。大阪府警や大阪税関などは、密輸組織のグローバル化が進んでいるとみて警戒を強めている。(小野木康雄、薮崎拓也)
≪取り締まり強化 拠点、中国から移る≫
密輸ルートの変化が見られるのは、覚醒(かくせい)剤、大麻草、MDMA(向精神薬剤)の三種類。財務省関税局によると、平成十三年に百八十八キロ(十四件)が摘発された中国からの覚醒剤は十四年に十八キロ(六件)と激減。代わって十四年までほぼゼロだったカナダが十五年に十キロ(九件)となった。
十五年の統計では、カナダからの大麻草(十四キロ、十件)とMDMA(一万五千錠、二件)も急増した。
これに合わせ、中国系カナダ人の逮捕者も増えている。関西空港では今年三月二十六日、覚醒剤約五キロ(末端価格約三億円)をナイロン袋に入れて密輸した中国系カナダ人の男(40)が覚せい剤取締法違反(営利目的密輸)の疑いで逮捕された。麻薬犬に薬物のにおいを判別されないように袋にマスタードを塗りつけるなど周到な準備をしていた。
また四月十五日には、大阪港着の貨物船で密輸した大麻草約二十八キロ(末端価格約二億円)を受け取りに来た中国系カナダ人(32)が大麻取締法違反の現行犯で逮捕された。
こうした傾向について大阪税関関西空港税関支署は、十三年夏の北京五輪開催決定の影響を挙げる。中国当局が治安改善を国際社会にアピールするため、密輸取り締まりに本腰を入れ始めたといい、「密輸組織は新たな活動拠点を海外に求めつつあり、なかでもカナダが際立っている」と分析する。
警察当局などによると、密輸組織が拠点にしやすい国の条件は、(1)協力者が得やすい(2)取り締まりが緩い(3)人目につきにくい−など。カナダは中国系の人が多いうえ、米中枢同時テロ以降の厳戒態勢が続く米国に比べれば警備が緩く、強烈な臭気を放つ酢酸を使う覚醒剤精製や大麻草の水耕栽培を人目につかないように行える広大な土地があるとみられている。
このため財務省関税局とカナダ国境業務庁は今月三日、情報交換や相互支援を積極的に行う「日・カナダ税関協力取決め」に署名し、水際の取り締まりを強化。大阪府警や大阪税関もカナダ発の航空・貨物船便でこれまでより検査を厳重に実施している。
ただ、国内の覚醒剤市場は十五年三月に警視庁などが大規模な中国人密輸組織を摘発して以降、品薄状態になって、再び中国ルートも増加に転じる傾向があり、府警などは複数のルートでの対策を進めている。
≪1500万市民、マナー教育本格化≫
【北京=野口東秀】二〇〇八年の北京五輪に向け、北京市民など千五百万人のマナーを向上させようという「礼儀教育」キャンペーンが本格化している。昨夏のサッカー・アジアカップでの民衆暴動や今春の反日デモの破壊行為などを受け、国際社会から五輪開催国としてふさわしくないとの批判の高まりを踏まえたもの。中国語のキャンペーン名は「文明礼儀宣伝教育実践活動」…。
「素質が低い」。北京市の劉志華副市長は今月十日、スポーツを観戦する中国人の言動を「礼儀が欠如している」と苦言を呈した。
昨夏のアジアカップでは、日本の国歌斉唱にブーイングしたり日本選手のプレーに罵声(ばせい)を浴びせただけでなく、試合終了後には観衆が暴徒化した。劉副市長の言葉はこの点を踏まえたもので、「試合で中国が勝ってもどれほど立派か」と厳しく批判した。
「人民日報」では、この十五日付から北京五輪での「礼儀教育」など啓蒙(けいもう)記事を連載した。
「礼儀北京、人文五輪」との見出しをつけ、中国人民大学教授は市民の素質向上について「応急措置が必要だ」と指摘。「北京では今年から社会礼儀、観戦礼儀、職業礼儀など六つの方面で教育活動を計画、それぞれ二カ月ごとに集中した活動を展開。効果は出始めている」と述べ、教育活動が成果を上げ始めたとも指摘している。
北京では路上につばやたんを吐いたり、売り場で列を作らないといったマナーの悪さは、改善されつつあるが、いまでもみられる光景だ。運転マナーの悪さは「世界トップクラス」(在中日本人)という声もある。
こうした外国人の目を意識して、中国メディアではマナー向上に関する記事が増えており、「食堂では大声で話さない」「電車では降りる人を優先する」−などと呼びかけている。
http://www.sankei.co.jp/news/evening/22iti001.htm