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小泉純一郎首相は20日訪韓し、ソウルで盧武鉉(ノムヒョン)大統領と会談する。島根県の「竹島の日」条例制定をきっかけに日韓関係が悪化して以来、初の首脳会談だ。
日韓間では、小泉首相の靖国神社参拝問題を含む歴史認識問題が大きなトゲになっている。しかし、この問題だけで日韓関係全体を停滞させてはならない。両首脳には、東アジアにおける日韓協力関係の重要性を踏まえ、大局的な見地からの意見交換をしてほしい。
小泉・盧会談は昨年末の鹿児島会談以来半年ぶり。年2回の首脳相互訪問を約束した「シャトル外交」の一環だ。開催自体は先月の外相会談で合意されていたが、日程がなかなか決まらず、韓国のメディアでは一時、開催延期説すら流れた。
小泉・盧会談は7回目だが、今回が最も両国間で緊張感が高まっている。原因は歴史教科書問題や靖国問題だ。
韓国側は以前から「靖国問題を含む歴史認識問題が重要議題の一つになる」と伝えてきている。盧大統領も「韓国政府と国民は、過去の謝罪に見合った実践を求めている」と言っている。「実践」とは、小泉首相の参拝見送りであり、靖国神社とは別の戦没者追悼施設建設を意味している。
小泉首相は「提起された問題には率直に話して理解を求めたい」とし、韓国が求める無宗教の国立追悼施設建設について「検討してもいい。出来れば(首相在任中に)解決したい」と語っている。
しかし、首相は同時に、参拝を自粛するかどうかについて「別の問題だ。靖国神社がなくなるわけじゃない」と参拝継続を示唆する発言もしている。
会談は緊迫したやり取りになる可能性がある。小泉首相に気をつけてもらいたいのは、韓国側に誤解を与えないようにすることだ。
「建設を検討してもいい」と言う一方で、靖国参拝とは「別問題」とする論法が韓国側に通じるだろうか。
歴史問題がここまでこじれたからには、あいまいな言葉の伝達はかえって危険だ。首相は自らの考えを率直に、懇切ていねいに説明し、理解を得る努力をすべきだ。たとえ、これまでの溝をすぐに埋めることが出来なくても、首脳会談を、信頼関係を築く場として重視してもらいたい。
もう一つの焦点は北朝鮮問題だ。金正日(キムジョンイル)総書記は鄭東泳(チョンドンヨン)・韓国統一相との会談で、核問題をめぐる6カ国協議に7月中にも復帰する用意があると伝えた。体制が保証されて核問題が解決すれば、核拡散防止条約(NPT)に復帰し、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れる考えも示したという。
しかし、米国は警戒心を緩めていない。北朝鮮の核開発は東アジアの安全にとって重大な脅威だ。その解決には日米韓の結束が問われる。小泉首相は盧大統領に、北朝鮮の6カ国協議早期復帰と核開発放棄に向け、さらに働きかけを強めるよう求めてもらいたい。
毎日新聞 2005年6月19日 0時51分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050619k0000m070106000c.html