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15年前に出版された『5年後・世界地図の読み方』篠田雄次郎著(1990.12.25初版)に
統一された朝鮮が日本に侵攻し占領することをアメリカが目論むというシナリオが出ていて、
面白いのでちょっと紹介します。
当時の著者の想定によると、南北の統一はここ2年ほどのうちに(つまり1993年までに)
成し遂げられるだろうということで書かれています。
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『5年後・世界地図の読み方』篠田雄次郎著(1990.12.25初版)
8章(3)「日露安保条約」と「沈黙の艦隊」
最終戦争の危機への対策として、日本は何をすべきか
「高麗国」が日本を屈服させる切り札とは
日本が「太平洋地域連合=ハイテク・トライアングル」「南太平洋国家連合」に、自国の存続を
見出したとしても、日本を襲うアメリカの最終謀略にどう対処するか、という大問題が横たわっている。
アメリカは世界の主導権をヨーロッパに握られ、世界からは冷ややかな目で見られ、そのうえ
国内はいつ破綻してもおかしくないほどの惨状である。
満身創痍のアメリカは、この最終謀略に基づくシナリオどおりに、今後の世界が展開していくことに賭けている。
必死である。
世界が恒久平和を希求して胎動しているとき、平和国家を自認してきた日本に、地球上最後の戦争の危機が
訪れようとは、まことに皮肉な話である。
☆太平洋地域連合=ハイテク・トライアングル
・・・カリフォルニア州、日本、ソ連ウラジオストックのトライアングルで形成される共同開発地域
☆南太平洋国家連合・・・南太平洋を観光開発。観光業は世界全体で年間400兆円の売上げ(当時)。
ヨーロッパは、朝鮮半島の人々を第一次世界大戦を起こしたバルカンのセルビア人と同じに見ている。
理解を超えた激しやすい民族だと見ているのだ。そのうえ朝鮮半島の人々には、日本の植民地政策時代の屈辱がある。
それは牢固たるものとして彼らのなかに宿っている。
第二次世界大戦でベルリンを陥落させたソ連軍は、兵に対し、ドイツ人が二度と立ち上がれないように、
「三日間にかぎって略奪、暴行のかぎりを尽くしてもかまわない」という命令を出した。
誇り高きドイツ人の尊厳を、完膚なきまでに打ち壊すためである。
韓国の陸軍は「二日もあれば日本を占領できる」と豪語している。
日本の弾薬の備蓄量は二日間の戦闘に耐えられるだけしかない。
朝鮮半島統一後に誕生する「高麗国」はアメリカの手引きという契機さえあれば、いつでもその挙に
出られる態勢をとるはずだ。
統一朝鮮は「高麗国」として170万の軍隊を持つ軍事大国になる。
日本はアメリカ軍を傭兵として買うか、それとも国土と日本民族の尊厳を踏みにじられながらアメリカの仲裁を
待つ以外に道はない。アメリカはこうしたシナリオによって一儲けを企んでいるのだ。
南北朝鮮が統一されたとき、統一大統領が選出される。そして大統領の就任式。
就任式には世界各国から元首級が列席するが、日本がもし天皇・皇后両陛下の列席を要請されたら、
日本政府はどうするのか。もし“人質”として捕らえられ、無条件降伏と、日本占領を要求されたらどうするのか。
私は密かに危惧しているのだが、それによって日本の命運は、「高麗国」の手に握られかねない。
「まさか」と思う読者も多いだろうが、私のこの危惧は、ドイツの政府高官の見方と不幸にも一致している。
国際世論があるという反論も出ようが、国際政治の場というのは冷徹な論理と計算で成り立っているのである。
ましてや日本は、身から出た錆とは言え、世界の同情を買う立場にはない。アメリカの立場と同じなのである。
この危機から脱する道はひとつしかない。「日露安保条約」の締結である。
「沈黙の艦隊」の編成を急げ
日本はまた、「日露安保条約」の締結と同時に、軍隊の保有についても一考しなければならない。
日本は自国の防衛に関して、地政学上、デフェンスラインが海で囲まれた島国という地の利がある。
したがって、60隻の潜水艦があれば充分である。
日本の潜水艦の能力は世界最高の水準にはないが、使えないわけではない。
その三分の一が戦闘状態につく。三分の一がドックに入って補修待機である。残った三分の一が戦線とドックの
間を航行するという具合だ。つまり、20隻の潜水艦が日本海の海底に沈むことになる。
いわば「沈黙の艦隊」である。『コミック・モーニング』誌の人気連載漫画「沈黙の艦隊」は、
一隻の原子力潜水艦が独立国となって、大国アメリカと対等に渡り合おうというストーリーであるが、
潜水艦を戦術として用いるアイデアは、まことに正しい。
「高麗軍」の戦車や主力部隊は海上輸送である。空挺部隊では一連隊も運べない。せいぜい落下傘部隊だけである。
日本が制空権を押さえておけばなんら問題はない。「沈黙の艦隊」を配備することで物資の補給も断つことが
可能となる。このように、ハリネズミみたいな防衛体制を敷くことによって、日本は占領される危機からだけは
逃れることができる。
しかし、最善の策は、やはり「日露安保条約」である。ロシア軍に「高麗国」を背後から牽制してもらうのである。
また、中国の動向に対してもロシア軍の存在は功を奏する。
中国はやがて解体するのだが、その際、大量の人口が海外に流出する。経済難民の例を見れば分かるように、
日本は同じ漢字国圏であって、中国人から見れば入り込みやすい国である。
かりに年間2000万人の人口が流入してきたとしたら、日本の人口は5年で現在の人口の倍になってしまう。
これは核爆弾に匹敵する脅威である。中国人は、アメリカ社会を見ても、流入先でその国に同化することなく
中国人社会を形成し、その拡大を常に図ろうとする。その意味でも「日露安保条約」は有効なのである。
日本を軍事的脅威から守ってくれるのはロシアしかない。
ただし条件は、日本がロシアにとってなくてはならない存在になることであり、それは「ハイテク・トライアングル」の
形成である。これに日本が着手するとなれば、当然、日本は東シベリアの開発を請け負うことになる。
これはロシアの利益である。日本が東シベリア開発に貢献しているときに、ロシアは他国が日本に攻め入ることを
看過するはずはない。かくて日本の存亡の鍵となるのが、「ハイテク・トライアングル」ということになる。
また、これによって出来上がるのは、重工業社会ではなく「ポスト・インダストリアル・ソサエティ」の
「太平洋地域連合」である。
世界は、米ソの「地政学」を巡っての覇権争いから、経済力によって国家の基盤、あるいは国力、そして国際政治における
主導権、はたまた国家の盛衰までを決定してしまう「地経学」の時代に移行したかのようであるが、ヨーロッパは
それに「文化」を加えて、世界の新秩序形成に貢献しようとしている。
米ソ冷戦構造の崩壊は、各地で地殻変動を生み、民族、宗教という人間の根本の問題を求心力として
新たな紛争を生んでいる。だがそれは、ヨーロッパが推進する戦争のない平和な「ユニバーサル・ステート」と
いう大きな器に、アジアの小国・ブータンが掲げる「国民総幸福生産」という国家理念が花開くとき、
新しい「地球国家」の誕生を見ることになるのである。