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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu96.htm
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ソ連がサンフランシスコ平和条約に調印しなかったのは、
ソ連側に取ってみれば致命的な失敗ではあっただろう。
2005年6月15日 水曜日
◆ロ大統領11月来日へ 平和条約真剣に取り組む
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050615-00000002-kyodo-pol
【サンクトペテルブルク14日共同】自民党の森喜朗前首相は14日午後(日本時間同日夜)、ロシアのプーチン大統領とサンクトペテルブルク郊外のコンスタンチン宮殿で会談した。
大統領は懸案になっている自身の訪日時期について、11月18、19の両日、韓国・釜山で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の前後としたいとの意向を初めて表明。北方領土問題を含む平和条約締結交渉に関し「真剣に取り組みたい。訪日時に小泉純一郎首相と真剣に話し合いたい」と意欲を示した。
日本の国連安全保障理事会常任理事国入りについて大統領は「完全に賛成だ」と強調する一方で、安保理拡大のための枠組み決議案への対応では「検討する」と述べるにとどまった。
(共同通信) - 6月15日1時19分更新
◆ロシアとの領土問題を考える 5月19日 カワセミの世界情勢ブログ
http://kawa-kingfisher.cocolog-nifty.com/blog/
ヤルタ会談の再評価でロシア問題が騒がしい。予想通り北方領土問題への影響が論じられている。日本のマスコミの視野の狭さは相変わらずでうんざりではあるが、だがその一方で、世界の政治情勢は米国と欧州正面で論ぜられている思想が周辺に影響する形で決まっていくのだなという相変わらずの事実を実感するものではある。
ここで日露間の領土問題に関して少し述べてみたい。これ以降の私の文書は日本人としては冷淡に過ぎるのではないかとの批判の向きもあるとは思うが、その理由も一部交えつつ記すので総合的に考えていただけると幸いである。少しきちんとした形で書きたい思いもあるが、手を入れると切りがないのでこのような形で記載する。長くなるので別画面にする。
まず、全体としての経緯を説明した本としては、この木村氏の本がなかなか手堅い。一応推薦本としてリストに挙げてある。(参照)思想的な匂いは感じにくい。全般として日本の古典的な北方領土問題に対する立場を挙げたものではある。インターネットで参照出来るものとしては、日本側の立場を主に説明したものとしては政府サイトが丁寧な出来なので充分だろう。(参照)その他日本人の手になるサイトは無数にあるが、その中では比較的日本に都合の悪い意見も取り上げているものを参考として挙げておく。(参照)ただ事実関係の列記はともかく、それに関する意見に賛同して取り上げたわけではない。
これら一連の経緯につき、基礎知識は皆さんご存知かと思う。ただこの問題は感情的に微妙な側面も含むので個別の項目に関してはやや誤った認識をする日本人も多いようだ。例えば過去の経緯を昔から長々と論じるタイプの人がそうである。しかし、欧州の歴史などを考えると分かりやすいが、領土の定義は両国間で最終的に締結された条約によってのみ成立し、それ以前の内容には一切拘束されないという事は再確認しておきたい。
この観点からして、両国間で最後に戦争を伴わず結ばれた千島樺太交換条約の歴史的価値は高い。ここで本来は安定するはずではある。しかし、ここでのロシア側の言い分として、「条約に書いてあるように平和共存を前提として平和的に領土を取り決めたのに、日露戦争という戦争で後に変更した。では第二次世界大戦で変更して何が悪いのか」というのがある。これはこれでそれなりの理があり、結果的に政治の場ではそれ以降の内容が重要となる。そして戦争を伴ったが最後の条約となれば、それはサンフランシスコ平和条約であり、次いで条約に次ぐ国際的な価値を認められている日ソ共同宣言となる。
ここでサンフランシスコ平和条約前後の米ダレス国務長官の言として、「日本が二島返還で妥協するなら米国は沖縄を永久に取る」というのがあったのは、日本国内では意図的に報道されないようではある。実は日本の国論が四島返還で固まったのは事実としてこれ以降の時期となる。これはダレスの目の付け所が良かったというにとどまらず、これに賛同する国内の政治勢力、保守派筋の協力も強かったということだろう。
ただそれは結果として日本の国益に資する所大ではあった。そしてソ連がサンフランシスコ平和条約に調印しなかったのは、ソ連側に取ってみれば致命的な失敗ではあっただろう。そしてこの条約の内容解釈が今日でも争点となる。しかし政治の事実としては、後に日本人の外交官が述べた次の言が適切だろう。「あれは日ソが揉めるようにわざわざああいう内容にしたのだから、揉めて当たり前である」
そして二島と四島の問題が後に出てくるが、ここで改めて考えると当時から現在の日露間に至るまで色丹・歯舞に関する認識の相違はほとんど無い。スターリンすらミスだと認めており、サンフランシスコ平和条約でも日ソ共同宣言でも日本領という結論ではある。現在のプーチンも引渡しは「義務」と述べている。(ここで「返還」ではないことに注意。領有したことは一度も無いという建前なのだ)
そしてここがロシア外交の歴史的に骨の無い部分で、例えば英米あたりなら、こういう係争点の無い部分に関しては自己の価値観に従ってさっさと返してしまうような外交をする。それを外交カードとして使おうと考えて保持するから主張が首尾一貫しないと相手の不信を買うのだ。これは日本もあらゆる事について他山の石としなければいけないが。
結局この領土問題は、南千島帰属問題に帰着する。そして日本が「択捉・国後は千島列島に含まれない」という主張をしているが、さすがにこれは厳しいだろう。戦後外交の経緯からして、相手が飲まないのを承知でそう主張した時期もあるとは思う。結果引っ込みがつかなくなった面もあるだろう。実際に南千島という言い方からして地理的に千島列島ではないと主張するのは無理がある。クリル諸島と千島列島は定義が違うという意見もあるがこれも無理筋だろう。定義としては含まれるとすべきである。含まれるがクリル諸島のこの部分は日本が保持する地域だと主張するべきだったろう。
そして日本の交渉態度として、経済援助と引き換えに交渉を進めようとした時期があった。これは駄目で、絶対に成立しない外交である。なぜならこれは主権の問題で、主権の問題は経済的な取引が本質的に難しいという外交の原則があるからだ。世界の近代史に例外は実に少ない。そしてロシア側の伝統として、「主権を保持するために経済を必要とする」政治の現実がある。主客転倒することはないだろう。むしろロシア国民は、主権が確保されるなら今少しの経済的困窮すら良しとするだろう。もちろん民衆の実感ではなく政治の論理としてはであるが、ただそのような政治的態度は支持されるのが現実でもある。
ここで日本のアプローチとして、感情的に複雑な面はあるだろうが二種類提案してみたい。南千島に関してあくまで日本の主権として対応する方法と、ロシアの主権を認める方法である。
前者の日本の主権で対応する場合に関して、日本の対応で足りていないのは国内法の整備である。旧西ドイツは東ドイツを吸収する場合どうするか、事前に決めていた。チャンスは急に訪れ、一瞬で消える事を良く知っていたと言える。そして日露間での誤解は多く、日本が自ら当然視していることも相手には伝わっていない事が多い。純国内的な法案でも事前に作成し、ロシア語訳は作っておくべきだろう。
ここでは住人の土地・住居を含めた私有財産の保護を決めておかねばならない。これを否定すると世界各地の紛争地で起きている事態と似たものとなる。日本人は治安に関する要求水準が高いということももう一度思い起こさねばならない。内戦もどきの殺し合いにはならないだろうが、かつて樺太を日露混在の地としてどんな結果に終わったかは参考になるだろう。もちろん同意があれば金銭を提供して転居を支援することは良いだろう。しかしそこを離れたくないという人もいるだろう。
半世紀という時間の経過により、そこがかけがえの無い故郷だという人はいるはずである。これを否定するのは人権の無視でしかない。ここで私が連想したのはカナダのユーコン準州やノースウェスト準州である。そもそも連邦制の国であるので地方政府の権限は強いが、資源などの主権は保持しつつ現地住民の行政に関しては広範な自治権を認めている。言語など、教育なども含めているのがポイントである。まぁイヌイット扱いするのかとロシア人は反発するかもしれないので言い方には気をつける必要はあるが。ただその場合は日本との経済的な平準化はそれほど進まない。
もっとも民主主義国でも連邦制の国は地方政府ごとで環境の格差があって当然という国内合意がある。(その意味で、結果としての格差受け入れの覚悟が全然無さそうなのに道州制を気軽に唱える日本人は反省すべきではある。それ以前に地方政府という言葉自体に違和感があるようでは多分駄目だろう)後は沖縄式で一時的にでも軍事基地の維持を飲めるかどうか、というようなところだろうか。国籍に関しては、日本国籍を提供するべきだろう。本人が嫌な場合は日本在住のアメリカ人などと同じ待遇とするだけの話と思う。もちろんこのような措置を行ってもロシアが納得するかどうかは分からない。
そして後者、ロシア主権の場合である。これは日本国内での反発が強いだろうが、日本が従来繰り返してきた「名を捨て実を取る」方針である。私は南千島の件より竹島の韓国の非のほうがずっと大きいと思っているので、公平を期するという意味では一つの解ではないかと思う。尖閣諸島含め、相手の非の大きい順に日本は甘い態度を取っている気がするがどうだろうか。もっとも戦略的価値という意味では南千島は大きくはある。
このロシア主権を認める方法では、日本の経済的な負荷は少なくしつつ現実に遂行可能なビジネスに限定して関係を進める。以前米国がロシアにミサイル防衛技術の一部提供などを申し出たことがあるが、その付近で米国を巻き込んで北千島含めて逆沖縄式に基地でも置かせる事が出来れば上々だろう。安全保障では面倒を見ると臆面も無く言い出してもいいかもしれない。WTOなどとの矛盾が発生しないように配慮しつつ、地域限定でFTAを結び、旧島民などの便宜を図れればなお良い。
ただこのような現在の基準からすると大胆な外交は、相手が民主主義国でないと極めて難しい。冒頭にも関係することを書いたが、やはりロシア外交の基準の正面は欧州なのである。フィンランド、ラトビア、ポーランド、ルーマニア相手の問題が安定し、穏健で開明的と見られるような外交になるまで難しい。不安定な状況ではカレリアやベッサラビアに飛び火するだけだ。その意味で日露平和条約の最大の障害はロシア民主化後退ではある。
(私のコメント)
5月10日の株式日記の続きにもなりますが、ロシアのプーチン大統領が11月に来日する事が決まりましたが、その席でも北方領土問題が話し合われる事だろう。しかし二島返還で話をまとめようにもダレスから「妥協するなら沖縄は返さない」と脅されれば、日本の政治家は四島返還を要求していくしかない。
ロシアとしては主権争いとしては問題のない歯舞・色丹島はさっさと返してしまえば、国後・択捉島の問題は棚上げして、日露が平和条約を結べる道も開けるのでしょうが、ロシアが歯舞・色丹も領有しているために話し合いが一歩も進まない。ソ連がサンフランシスコ講和条約に参加していれば領土問題も片付いたのでしょうが、不覚にも参加しなかった。
そのために日露間の領土条約として千島樺太交換条約までさかのぼる破目となりかねず、ロシアとしては現状を一歩も譲れない事に追い込められてしまった。さっさとサンフランシスコ講和条約に参加していれば千島列島を失う可能性はなくなったのに、時と場合によっては国際法的正当性は怪しくなってくる。
現実的に望ましいのは国後・択捉も日本に返還して平和条約を結べば、千島列島を丸ごと失う危険性はなくなるからロシアにとっても国際法的には安定する。しかしそれでは東ヨーロッパ各国事の領土問題に飛び火するから、現実的なプーチンにとっても妥協は出来ない。日本にとってもアメリカから沖縄を返してもらった手前、ロシアとは四島返還で譲れない。
このようにロシアとは北方領土問題、韓国とは竹島問題、中国とは尖閣諸島問題と領土問題がありますが、これらはアメリカが仕掛けた罠にロシアや韓国や中国が引っかかったのだ。そうしておけば日本がロシアや韓国や中国とも揉め続けて手を組むということは無くなる。日本独自の判断で譲歩して領土問題を解決させるという事はアメリカの目が光っている間は出来ないだろう。
だからロシアとしては武力による実効支配を続けざるを得ず、日本としても50年でも100年でも待ち続けて返せと言い続けるしかない。その間は日本とロシアとの平和条約は締結されず不安定な関係は続く事になる。もし田中角栄のような首相が日本にいて、ロシアにも周恩来がいたのなら電撃的にアメリカの了解もなく平和条約を結んでしまう事もありえますが、領土問題棚上げで平和条約はロシアとの間では無理だろう。
竹島や尖閣は単なる人の住めない岩に過ぎませんが、国後・択捉島は比較にならないほど大きく場所的にも重要な所に位置している。しかしロシアとしても日本からの資本が入ってこなければ中国との経済的格差は広がる一方でありシベリアの開発は永久に進まない。むしろ中国人がシベリアに入ってきて中国化してしまうだろう。
ブッシュ大統領によるヤルタ会談批判はロシアのプーチン大統領を牽制するのに効果があった。ブッシュにこのような入れ知恵をしたのはロシア専門家のライス国務長官でしょうが、ヤルタ・ポツダム体制が見直される気運が出てきた場合に、北方領土問題も関連するから、日本としても歴史的に長期的視野にたったロシアとの交渉が望まれる。
◆北方領土を交渉する前に国際司法裁判所でロシアのポツダム宣言違反を立証しろ5月11日 株式日記
http://www.asyura2.com/0505/war70/msg/210.html
◆署名がなされている『カイロ宣言』の公文書は無い だから『ポツダム宣言』の第8条を履行する義務は無い 2004年1月15日 株式日記
http://www.asyura2.com/0401/bd33/msg/252.html
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| , ___ヽ | < ロシア利権も森派が独り占めだ。
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