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ホーム > 社説・コラム > 社説 記事入力 : 2005/06/10 07:09
新聞関連法に対する憲法訴願提出にあたって
朝鮮日報は憲法裁判所に「新聞などの自由と機能保障に関する法律(新聞法)」と「言論仲裁および被害救済などに関する法律(言論被害救済法)」が違憲是非を質す憲法訴願審判を請求した。
新聞法には、朝鮮日報が憲法裁判所に違憲判断を訴えた条項が29項目に至るほど、新聞の経営、編集、販売、全般に対する広範な規制条項が盛り込まれている。
新聞市場シェア規制、経営情報申告義務化、ニューメディアへの参入封鎖、特定新聞に対する国庫支援などは、正常な自由民主主義国家では発想すらできない悪性条項だ。
違憲審判請求人が、19の条項で憲法に違反する内容があると指摘した言論被害救済法は、言論仲裁委員会が任意でメディアの報道内容が国益に合致するかどうかを審査し、是正を求めるよう定め、報道に被害を被った当事者ではない第3者も是正を申請できるようにし、メディアの故意やミス、法に違反する内容がないとしても訂正報道を申請できるように定めている。
政府が委嘱している仲裁委員らが大韓民国の国益が何かを規定し、どういう報道が国益に反するかを判断し、これに対する是正を求める権限を持つという意味だ。
裁判所の判決ではない仲裁委員会の決定によって、自由民主主義の最後の砦である言論の自由や国民の知る権利の実際の内容を規制する権限が与えられる、そんな民主主義国家はない。
被害当事者でもない第3者が訂正報道を求めることを認める国も存在しない。
この法が狙う最終目標は、言論に対する事後検閲と報道統制によって、権力側の不正についての報道や政権への批判を口止めさせることだとしか考えられない。
多数の国民は、すでに政府寄りの新聞がより多くの読者の信頼と愛情を得て、その新聞をより多数の読者が読むようになっていたとしたら、この政権がそもそも批判的な新聞を押さえつけ、政権寄りの新聞に国民の税金で各種の補助金を支給する内容の新聞法改悪を試みもしなかったであろうことを見抜いている。
国民は、現政権が発足直後から大統領の引率の下で、首相、各長官、与党の首脳部が先頭に立ち、批判的な新聞に向け激しい口調で攻撃する姿を2年半の間見守ってきた。また、この政権と手を組んで政権から各種の支援金と優遇措置を受けながらも市民団体に成り済まして活動した、一部のメディア関連団体を操って新聞法制定を進めたという事情も全て知っている。
表現の自由と言論・出版の自由は、基本権のなかでも最も“基本的な権利”であり、他のすべての自由を可能にさせる自由だ。
米連邦修正憲法第1条が「議会は言論・出版の自由を制限するいかなる法律も制定できない」と明言し、ドイツ連邦憲法裁判所が「言論はその性質上、国家的、制度的領域の外にある自由な存在として残されるべき」と判断を下したのもこうした論理からだ。
与党勢力が、憲法も世界の視線にも頓着せず推し進めた新聞法が7月末の発効を目前にしている。
朝鮮日報は産み落とされるべきではない悪法が施行されることを手をこまぬいて傍観したという記録を言論史に残すわけにはいかず、基本権を保護し、権力の乱用を防ぐ最後の砦、憲法裁判所に違憲審判訴願を提出したのである。
新聞の成功と失敗は、政府がどの新聞を応援しどの新聞を倒そうとするかとは関係なく、最後には読者の決定にゆだねられるという、民主主義の平凡な常識を憲法裁判所が再確認してくれることを信じている。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/06/10/20050610000000.html