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米韓首脳会談、「6者復帰」の地ならし 韓国、南北対話控え
【ワシントン=高槻忠尚】10日にワシントンで行われた米韓首脳会談で、盧武鉉(ノムヒョン)大統領は北朝鮮の核問題に対する共同歩調をブッシュ大統領と再確認した。強硬姿勢をちらつかせる米国を抑え、北朝鮮が対話に戻りやすい環境を整えた上で、今月中旬から相次いで予定される南北対話で、北朝鮮を説得し軟化を引き出す狙いがある。
「ブッシュ大統領、米韓同盟はうまくいっていると言っていいですか?」。ホワイトハウスでの共同記者会見で盧大統領は突然、笑顔で問いかけた。「非常に強固だ」。ブッシュ大統領も笑って応じた。
だが、日本外務省幹部から「米国は核問題で韓国を信用していないようだ」と言われるほどズレが伝えられる両国の首脳のやりとりには、ぎこちなさが漂った。
首脳会談が具体化し始めたのは、北朝鮮の核実験説が流れた春ごろだ。韓国が地域安定に主導的役割を果たすとした「北東アジアのバランサー(均衡者)論」に対し、「米国を離れ中国に接近する構想」との疑念が示された。北朝鮮崩壊を想定した米軍との作戦計画を韓国が中断したことにも、米国は反発していた。「米韓関係の再構築が最優先」(韓国政府筋)との危機感が高まり、急きょ、訪米が組まれた。
首脳会談に先立つ事務レベル協議では、最近の米朝接触で北朝鮮が6者協議に前向きとも受け取れる姿勢を示していることを受け、「圧制の拠点」など「北朝鮮を刺激する発言の自制」でも共通認識を得たようだ。
韓国政府は今月中旬以降に予定される南北対話を、北朝鮮説得の場に活用したい考えだ。
15日の南北首脳会談5周年にあわせて平壌で開かれる記念行事に韓国政府の代表団が出席、米韓首脳会談の成果を北朝鮮の指導層に伝達する。21日からソウルで開かれる南北閣僚級会談では、北朝鮮が求めている肥料や食糧支援などを絡めながら、北朝鮮を対話に引き戻すとの思惑だ。韓国側は、ブッシュ大統領が首脳会談で南北対話の役割に期待感を示したとし、「米国のお墨付き」を強調する。
とはいえ、南北対話が期待通りの成果をあげる保証はない。支援や経済協力だけを北朝鮮に先取りされるだけで、核問題解決の糸口を見いだせなければ、「北朝鮮寄り」との米国の不信をいっそうあおり、不協和音が広がる可能性がある。
◇ ◇
◆米韓首脳会談後の会見要旨
【ブッシュ大統領】
・米韓同盟は強固。核兵器のない朝鮮半島が共通目標
・金正日総書記への(核)兵器放棄説得の場として6者協議は不可欠
・北朝鮮の核問題で米韓の声(主張)は同じ
【盧大統領】
・北朝鮮の核問題で見解の差なし。基本原則で完全合意
・米韓同盟は強固。残りの1、2点の小さな問題は対話解決が可能
http://www.asahi.com/paper/international.html