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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu95.htm
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「東京裁判は誤りで戦犯は無罪だという世論を多数化する
情報工作に民放の電波が動員される」と嘆く反日左翼
2005年5月29日 日曜日
◆森岡発言の政治 − 用意周到な情報工作と責任不問の既成事実 世に倦む日々
http://critic.exblog.jp/2822704#2822704_1
《 中国外務省の孔泉報道局長は27日、談話を発表し、森岡正宏厚生労働政務官が「(A級戦犯は)日本国内ではもう罪人ではない」と発言したことなどに対し「強烈な憤慨」を表明した。孔報道局長は森岡政務官の発言を「個人的でも、偶発的でもない」と指摘。小泉政権への不信感を強めていることを示しており、中国が今後、対日姿勢を一層硬化させる可能性が高い。局長は発言を「国際正義と人類の良識に対する公然たる挑戦」と非難。「日本軍国主義の野蛮な侵略によって被害を受けた国民の感情を深く傷つけるものだ」と激しく反発した。その上で「東条英機(元首相)をリーダーとするA級戦犯は世界平和と人道に対する歴史的罪人」と断定し、極東軍事裁判(東京裁判)の結果を「戦後国際政治の基礎」と、断固として尊重していく立場を強調した。また「日本は国際社会で責任ある役割を演じられるのか疑問だ」と述べ、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを強く牽制した。(27日共同) 》
この孔泉報道官のコメントは正鵠を射たものである。特に森岡政務官の発言を「個人的でも、偶発的でもない」と指摘している点と、東京裁判の結果を「戦後国際政治の基礎」と位置づける歴史認識の二点が的確である。東京裁判については別稿で詳論したいが、われわれが学校で習う歴史教育において東京裁判は基本的にこのように位置づけられているはずである。東京裁判に対するこの歴史認識は日中で共有しているものであり、日中韓三国で共有しているものであり、アジアと全世界で普遍的に共通のものである。この歴史認識の下で国際連合の正統性が根拠づけられ、今日の世界の基本的な支配秩序が正当視される。この基本認識の外側に身を置く者は、ファシストと呼ばれたり、軍国主義者と呼ばれて貶損される異端的立場を甘受しなければならない。東京裁判をめぐる歴史認識がどれほど自由であっても、国家の外交政策や教科書記述となれば、どの国の政府もこの基本認識の拘束から離脱できないのである。
森岡発言の計画性と組織性の問題に注目したいが、非常に用意周到に感じるのは、この発言が26日午後の自民党代議士会でなされ、そして午後4時頃の官房長官記者会見で「政府の一員としての話ではない」という弁解が与えられ、さらに午後5時半頃の総理大臣の記者談話で「今そんな発言を取り上げてもしようがない」という曖昧化の処置が施されたことであり、これら一連の発言が夕方から夜にかけての各局テレビのニュース番組でワンセットになって報道されたことである。特にNHKの7時のニュースが華麗なショートパッケージを作って見せていた。ほんの少し政治に敏感な者が見れば、これが偶然ではなく仕組まれたヤラセの政治芝居だということは一目瞭然であろう。脚本が全部できていて、森岡と細田と小泉が役を演じ台詞を喋って、それをテレビカメラが収録してニュースクリップのパッケージにしているに過ぎない。NHKのニュースでは、森岡が登壇するところから始まって、肝心な部分が音声入りでそのまま放送された。
安倍晋三が予め手を回してNHKで放送させるべく全てを仕組んだのである。森岡正弘に台本を渡したのは安倍晋三だ。政務官という微妙な立場を巧みに利用して、中国政府に対して牽制攻撃を仕掛けているのである。前日25日午前の記者会見で、細田官房長官は呉儀副首相の会談キャンセル問題について「生産的でないからコメントは差し控える」と言っている。中国を刺激する政府としての公式発言は控えたという意味だが、政府の公式発言は控えたが、政府末端で立場を曖昧にできる政務官を利用して中国政府にブラフをかける戦術に出たのである。中国と野党を挑発牽制しているのであり、マスコミを利用して宣伝を図っているのである。民主党は森岡正宏の罷免要求を出したが、この問題で国会が紛糾する様子はない。結局のところ責任問題にはならず、政府幹部の暴言がまかり通って責任を問われないという既成事実が固まりつつある。この程度の発言なら問題ないという政治実績を右翼側が占取することになる。
十年前なら野党が猛反発して国会は審議中断に追い込まれ、間違いなく森岡本人は更迭されただろうし、自民党の中からも任命責任を追及する声が上がっただろう。政局になったはずであり、官邸と党執行部は更迭で事態を収拾したはずである。ここまで過激な右翼的暴言を吐く場合は、事前に派閥の領袖との間でカネとかポストとかの見返りの了解ができていて、罷免覚悟で政局の騒動を起こしたケースが殆どだった。現在は無風で野党は黙過していて、声を上げているのは中国政府だけである。郵政民営化問題などよりこちらの問題の方がはるかに重大な問題で、また国民の関心も高い事件であるのに、森岡発言の暴挙に対して正面から立ち向かう言論が国内に出て来ない。逆に森岡発言を正当化したり補強したりする佞論ばかりがマスコミに溢れ返る。週末の政治番組を皮切りにして、国内では右翼による東京裁判矮小化キャンペーンが続くことだろう。東京裁判は誤りで戦犯は無罪だという世論を多数化する情報工作に民放の電波が動員される。
◆中国における対日重視 − 王毅、唐家旋、江沢民、ケ小平 世に倦む日々
http://critic.exblog.jp/2499750#2499750_1
記事にあるように国務委員の唐家旋は中国政府の外交を統括するトップである。日本語が堪能で、外相の前は駐日大使だった。唐家旋の日本語を覚えている者も少なくないと思うが、その辺りの若い日本人よりもはるかに水準の高い完璧な日本語を話していた。中国の現在の党と政府の指導体制がどのような序列構成になっているのか不明だが、私の見たところでは唐家旋は恐らく胡錦濤よりも上だ。内政には権限を持っていないが、江沢民の下で事実上の序列No.2ではないか。江沢民が死ねば胡錦濤が全ての権力を掌握するのかも知れないが、江沢民が生きている間は、ポストは無役であっても江沢民が全権を握っている。その下に唐家旋がいて外交を差配し、その下に胡錦濤がいるのに違いない。現在の江沢民は嘗てのケ小平と同じであり、ケ小平が胡耀邦と趙紫陽の二人を自分の下で使ったように、江沢民は胡錦濤と唐家旋の二人を使って政治をやっているように見える。
首相の温家宝や外相の李肇星は、見た目にもかなり格下の存在であり、政策の決定は唐家旋と江沢民がやっている。唐家旋は日本大使時代は有能な官僚というイメージだったが、外相を務めた後半からすっかり大型の政治家になった。唐家旋が自分の後継者として据えているのは、これも誰が見ても分かるが、現在駐日大使である王毅で、王毅はそれほど遠くない時期に外相に就任するのは確実であり、さらに胡錦濤後の国家主席に抜擢される可能性も十分にある。中国の政界を見渡したとき、大型の政治家と言えば、江沢民と唐家旋と朱鎔基の三人しか見当たらず、このうち朱鎔基は江沢民との長年の権力闘争に敗れて、完全に政治の実権を失った。江沢民の人脈で党と政府を完全に固めた現在、朱鎔基の復活は難しいだろう。唐家旋は江沢民に抜擢された男であり、権力への野心はない。話が反日デモから脱線するが、こうして中国の指導部の顔ぶれを見ただけでも、中国の日本重視が並々ならぬものであることが窺える。
江沢民も(堪能ではないが)日本語ができる。王毅も日本語ができる。江沢民は英語とロシア語と日本語ができる。中国では日本語ができない人間でなければ権力の中枢には近づけない。外相の李肇星も、首相の温家宝も、そして国家主席の胡錦濤も英語はできる。胡錦濤の英語は堪能である。が、英語はできるが日本語はできない。両方が要るのだ。日本語重視、日本重視。これは恐らくケ小平の指示であり、党中央への遺訓なのに違いない。王毅は半年前まで外務次官で、あの桧舞台である六カ国協議のホストをやっていた男である。日本大使になって赴任した報を聞いて驚いた。普通に見れば外務次官が大使になるのは降格だからだ。だが、中国の並々ならぬ対日重視は、中国の切り札であるこの男を大使として東京に派遣した。日中が難局にあるからであり、王毅の実力を日中関係改善に注がせようとしたのであり、また別の意味で言えば、日本大使は中国の権力者に上る階梯の必須の要職なのである。
今回の反日デモは唐家旋と江沢民の政治であり、二人の意思決定であると私は見る。小泉首相の靖国神社参拝と日本の右傾化は、対日重視の中国としては、対日重視政策でここまで来たからこそ、絶対に許容できない国家の非常事態であり、矯正と原状回復が必要な問題なのだろう。中華人民共和国の原点は抗日解放にある。そこが言わばピルグリムファーザーズの建国神話であり、国家の出発点である。そして現在の中国があるのは周恩来の日中友好とケ小平の改革開放による。経済建設はケ小平が日本と組んで、日本と二人三脚でここまでの国にした。北京へ行くと実感することだが、そこにはケ小平が生きている。ケ小平の意志の下に国家が運営されていることが、天安門広場を歩いただけでよく分かる。ケ小平がパートナーとした日本は平和憲法の下で技術立国となった日本であり、右翼国家主義が支配する驕慢な日本ではなかった。ケ小平は中国共産党の革命家でもあり抗日解放の闘士でもあった。唐家旋も江沢民もケ小平を見ているのである。
(私のコメント)
ネットでグーグルをよく検索していますが左翼のブログはあまり見かけない。中国のことを検索していたら「世に倦む日々」のサイトを見つけたのですが、中国の政権内部の様子が良く書けている。中国や靖国問題に関するものを読んでいると日本側の視点というよりも中国側の視点から問題を論じている。ブログのオーナーが中国人ならわかりますが日本人だとすると中国政権内部のことに詳しすぎる。
たぶん日本人だとしても情報源に中国側の人がいるのかもしれませんが、中国政府が日本をどのように見ているかを知るには、このような左翼のブログが参考になる。しかしながら「世に倦む日々」のサイトの主力のコンテンツは本と映画と野球がメインのコンテンツであり、政治関係の評論はメインではないようだ。
左翼のサイトで有名なのが評論家の森田実氏のサイトや天木直人氏のブログなどを見ていますが、一般の人のサイトやブログは論客が少ないせいかグーグルで検索しても数自体が少ない。BBSや掲示板の世界でも「2ちゃんねる」を始めとして右翼的な論調が数としては多い。日本全体が右傾化しているからで、テレビでも「たけしのTVタックル」など過激な右翼的発言が国民の喝采を浴びている。
「世に倦む日々」でも森岡発言を10年前なら政務次官の首が飛んでいたはずですが、中国政府や彼らの手先である朝日新聞が騒いでも、国民の反応は鈍く中国に対する国民の反感は強まるばかりだ。北朝鮮の日本人拉致問題など日本の右傾化に大きく貢献しているのですが、強く出れば日本は土下座してくるという状況ではない。
中国政権内部でも日本に留学して日本語も出来る要人がたくさんいる。王毅、唐家旋、江沢民など日本に留学したか日本語を学んで出世した人たちだ。しかしながら日本人の国民性や日本の政治状況など正しく分析していないのはなぜなのだろう。今どき反日デモを仕掛けても中国に対する感情を悪くするだけだ。
朝日新聞もNHKも親中国の姿勢は崩していないが、それがかえって国民の不信を招き政治的に偏っていると見られてしまう。逆に右翼的な産経新聞やフジテレビが元気よくなってきている。このように流れが変わり始めるとなかなか元に戻すのは大変であり、だからこそ左翼のブログやサイトもがんばって欲しいのですが、「世に倦む日々」でも次のようにぼやいている。
《 政治関係のテーマはアクセスが少ない。日本人はすっかり政治への関心を失い、政治を考えるインテリジェンスを喪失し、政治的思考においてインポテンツになった。言い方が少し妙かも知れないが、政治系のコンテンツは最早商売にならない。北朝鮮の経済制裁問題で若干アクセスがあったが、手応えが弱い。Exciteのニュースページで芸能ニュースが一番上に置かれている理由がよくわかる。 》