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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu95.htm
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胡錦涛はなぜ判断を間違うのか。非自由主義国家の欠点
は言論の自由の欠如が、思考の幅の欠如につながる。
2005年5月25日 水曜日
◆中国副首相のドタキャン・・傲岸不遜と情報音痴 5月24日 娘通信
http://musume80.exblog.jp/
ああいうことをやられて
日本側から譲歩するはずはないし、
むしろ国民の反中感情に拍車がかかっただけ。
「効果論」の観点から見るならば
彼らのやり方は無意味としか思えない。
結局、ドタキャンの背景は2つだね。
1,日本の世論の動向を読み誤っている。
2,中国国内の対日強硬世論に押されている。
まず、1の「日本世論の読み誤り」からいくと、
我々日本人のおかれた情報環境と
胡錦涛氏がおかれた情報環境は違うわけです。
我々日本人がテレビでニュースを見たり、
ネット上でブログを見たり、掲示板で議論したり、
そういう情報環境の中で
「中国はどういうつもりだよ?
頭がおかしいんじゃないか?」とか思うけど、
胡錦涛氏はそう思ってないんじゃないか。
胡錦涛氏は「強く押せば日本は必ず譲歩する」と
思ってるんじゃないかな。
胡錦涛氏の情報環境ってのは
まず、中国の民間の情報は信用できないわけです。
なんせ、御用新聞に御用ネット。
言論をビシビシ取り締まった結果、
お上にへつらう言論に成り果てている。
だから胡錦涛氏は
そういう精度の低い民間の情報や、民間の情報分析に
自分の思考整理を委ねるわけにはいかないわけです。
日本の政治家みたいに、新聞やテレビや書籍や
はたまたネット上のサイトやブログから影響を受けることは
情報収集と情報分析の観点において
中国においては無意味なわけです。
だって言論自体が抑制されて歪んでるから。
じゃあどうするか?
どこから情報を得て、
誰の情報分析を参考にすべきなのか?
結局、公的組織の収集情報と
情報分析に身を委ねるしかないわけです。
要するに彼らの情報のパイプってのは
我々日本人が考えてる以上に
狭く細いものでしかないわけです。
この狭隘なパイプから得る情報と情報分析が
正しいうちは問題ありません。
だけど、これが狂えば国家の指導者の判断も狂う。
情報収集官と情報分析官に
日本に対する偏見と思考のバイアスの無い人間を
多数配置しとかないと、
当然、上がってくる情報と分析は狂ってくるわけ。
あの手の非自由主義国家の欠点は
言論の自由の欠如が、思考の幅の欠如につながること。
体制にとって望ましきタイプの人間のみが出世し、
そうじゃない人間は落後してしまう。
情報官と分析官も
型にはまった人間が選ばれがちでしょうね。
だから、我々日本人が見ている日本像と
胡錦涛氏の見ている日本像は
大きな食い違いが生じているのかもしれないね。
「日本とはこういう国だ。
日本人の国民性はこうであり、
こういう傾向性を有している」
胡錦涛氏以下の中国政治指導者層の日本像は
かなり歪んでる可能性がある。
実像と食い違いが大きくなってる可能性がある。
だって、彼らの情報環境は貧しいから。
官の細いルートから上がってくる情報と分析に
依存してるから。
日本から見たら
どう考えても意味のない行動でも
彼らから見れば
「へっへっへ、してやったりだぜ!」って思ってるかもよ。
ここで中国が強硬論で押せば
日本の迎合世論は騒ぎ、政治家は折れて、
日本は譲歩せざるを得ないと大まじめに思ってるかも。
これは中国側の情報ルートの問題だけじゃなく、
日本にも原因がある。
つまり、他国なら
反日暴動などで中国から非礼な仕打ちを受ければ
「暴動での破壊行為を謝罪せよ、賠償せよ」と
首相以下、国民世論が強硬論で沸き立つものを、
日本人の場合、何故か100%怒ることをせずに、
原則論で強固に構えることをせずに、
柔らかく言い、一部に媚態をこめてしまう。
まあ、これは日本人の良さだけど、
他国から見れば、日本の弱気の表れと捉えるだろうね。
で、「じゃあ、もっと強硬に押せば
日本は譲歩するだろう」と計算してしまう。
具体的に言えば、反日暴動の後に、
首相自身が明確に謝罪と賠償を求めずに、
下手に出る発言を繰り返したこと。
ここらへんは日本的には謙虚の美徳だろうが
中国はそうは受け取ってないよ。
「弱さ」の表れと取ったでしょう。
また、先日の訪日ビザの中国全土への拡大と、
新幹線売り込みに際してODAをつけようとしたこと。
これなんか中国的感覚から見たら信じ難いでしょうね。
あれだけ暴動でいいようにやられてるのに
すぐに「関係正常化」を日本の方から行おうとする。
これも弱さの表れと受け取ったでしょう。
だから彼らは今回も強気に出た。
非礼・無礼、そんなことは百も承知。
これだけ我が国は靖国問題で激怒している。
責任は日本にあり。
日本は大胆な譲歩で日中関係を正常化させるべきだ、と。
彼らは日本の世論の動向を読み誤っている。
その原因は彼らの情報環境の貧困さと
日本の他国とは違う態度表明の仕方にある。
まあ、基本的には読み誤る彼らが馬鹿なんだけど、
日本も、国家の原則を前に打ち出して、
シグナルの送り方をもうちょっと考えないと、
中国の誤解
↓
中国の傲岸不遜な態度
↓
日本世論の硬化
この連鎖を繰り返すでしょうね。
お互いが自己を正当化し、相手の非を声高に非難し、
その過程の中で双方の妥協点を見いだしていく。
これが万国風の交渉の流れであり、
はなっから手の内見せて、媚態をふくむ日本風は
やはり誤解の原因となって国益を損なうよ。
次に2の「中国内の対日強硬世論に押されている」。
これは最近の幾多の中国関係のニュースに接して
日本人もようやく分かってきたと思う。
あの国はバリバリの反日国家であると。
その反日世論を作り上げたのが他ならぬ中国共産党であり、
彼らは共産主義に変わる新たな統治の正統性として、
「反日」と「経済成長」と「対外覇権の拡張」を選んだ。
その自らが育成した反日世論に
自らが押され、怯え、自縄自縛されている。
まあ「ざまみろ」と言いたいとこだけど、
これは彼らにとって外交上の選択肢を狭めている。
外交の手段に柔軟性が無い。
これが最近の中国の対日戦略の特徴。
大胆な譲歩が出来ず、
国内の強硬世論に押されて
強気・強気の連続で突き進むしかない。
逆に言うと、日本にとっては
中国の対日戦略が読みやすくなった。
彼らの手持ちの選択肢が少ないから。
非常に読みやすいね。
さて、今回のドタキャンの背景を
2つ解説してきました。
1,日本の世論の動向を読み誤っている。
2,中国国内の対日強硬世論に押されている。
じゃあ、日本はどうすればいいか。
答えは簡単。
毅然として国家原則を貫けばいい。
単なる精神論・道義論じゃなくて、
実利的にもこれが最強でしょう。
これ以上の譲歩の必要性無し。
これ以上は、びた一文あげません。
で、首相は粛々と靖国に参拝し、
中国は反日暴動の嵐が吹き荒れ、
反日は反政府に転化し、共産党は弱体化する。
なんとも素敵な話しじゃないですか。
(私のコメント)
昨日の続きですが、胡錦濤主席の最近の行動はどこか的外れな行動が多い。それは中国の情報機関の集める情報が偏っているか、分析が間違っているからだろう。4月の反日デモも仕掛ければ、今までなら簡単に日本政府は妥協してきて、特使がやってきて謝罪して収まった。そうしなければ日本国内の親中派や朝日新聞が大騒ぎして、世論も動いて日本政府も動かざるを得なかった。
最近は靖国神社参拝にクレームをつけても、A級戦犯がどうのこうのと言っても、日本の世論は逆に硬化してくる一方だ。中国の情報機関はこの辺の変化がどうしてなのかまだ分析ができていないようだ。民主主義国家なら大手の新聞社やテレビ局に取材などの利権を与えておけば中国に有利な報道をして操ることが出来た。
今回も朝日新聞やNHkなどは一生懸命中国よりの報道をしてがんばっているが、朝日新聞もNHKも一連の捏造報道問題で信用をなくして、世論を形成するだけの能力を失ってきている。いくら新聞記事や報道番組で煽ってみても中国に有利なように動かないのは、ネットなどの情報に新聞やテレビの情報が質や量の点で劣っているからだ。
新聞やテレビの報道機関の記者と言えば知的エリートのはずですが、近頃は質の低下が甚だしく、読むに値しない記事ばかりだ。同じ新聞でも海外の新聞を読んだ方が日本国内の状況が良くわかると言うのは、日本の記者の分析能力が落ちているからだ。新聞やテレビの情報の質の低下を補っているのがネットの記事ですが、中国の情報機関の日本の世論の読み違いはネットの情報を掴みきれていないためだ。
テレビや新聞なら過激な意見にはクレームをつけて黙らせることが出来る。しかし相手がネットではクレームがつけられないし、BBSで工作活動しようにも「2ちゃんねる」などの巨大掲示板では対応の仕様がない。だから巨大メディア対2ちゃんねるといった論争も起きているが、それらが巨大メディアの信用を失墜させている。
今までならマスコミは世論形成に絶大な力を持っていた。マスコミを批判しようにも小さな出版社程度がやっていた程度で、痛くも痒くもなかったが、ネットの登場は多くのサイトやブログを生んで、それがマスコミ批判をやりだした。そして田原総一郎や筑紫哲也や久米宏といった人気ジャーナリストがそれらで血祭りにあげられて権威は失墜した。
中国は自由な言論活動は規制されて出来ないから、人民日報やテレビが世論を形成している。ネットももちろんあるがこれも規制されて数万人ものネット警察が目を光らせて、国の政策に反することは即削除されている。海外とのアクセスもままならずこれではインターネットではなく国内LANに過ぎない。だから中国の情報機関は日本のネット世論の影響力を過小評価しているのだ。
4月の反日デモも官製のデモなのですが秩序だったものならそれで済んだのでしょうが、大使館や日系商店に石が投げつけられて暴徒化してしまった。これもある程度は計算済みだったのだろう。これほど中国国民は怒っていると言うメッセージのつもりだった。今までなら日本政府は形ばかりの抗議をして終わらせるのですが、日本のネット世論が強硬になってきた。そのために日本政府も安易な妥協すればネット世論も黙ってはいないだろう。
4月の8日の株式日記で「胡錦涛政権を揺さぶる日本のネット右翼」
http://www.asyura2.com/0502/hasan39/msg/1009.html
と書きましたが、胡錦涛が株式日記を読んでくれていたら、安易な反日デモは仕掛けなかっただろう。そして反日デモが大きくなればなるほど日本のネット右翼はさらに反発の輪が広まり、反中国感情が高まって行く。これは日本と言う寝ていた子を起こすようなものであり、中国にとっても決してプラスにはならないことだ。
現在の日中関係は日本から鴨がネギをしょってきているから経済発展をしているのですが、江沢民以来の反日政策は自分で自分の首を絞める行為でありますが、日本からのODAも知らせず、靖国参拝にクレームをつけることで中国政府の面子を保ってきた。この辺が日本人と中国人の気質の違いで、実利があれば土下座外交もする日本人と、どんなに貧しくとも面子を重んずる中国人の違いである。