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特別永住権について簡単にまとめてみました。
・「特別永住権」とは
以下の法律に基づく権利です。
「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」
http://www.houko.com/00/01/H03/071.HTM
この法律は、日本が戦争で失った海外領土の出身者で、敗戦後も日本に住んでいる人の、法的な地位を定めるものです。
この地位は、日本に滞在する一般の外国人(永住権を有する者を含む)と比較して、極めて優遇的なものと言えます。
例えば、日本国内で法を犯した一般の外国人は、その属する国籍の当該国へ強制退去させることになっていますが、上記法律が与える特権に拠り、特別永住権を有する者は、一部の法律違反を例外として、強制退去をさせない、ということになっています。
・この制度ができるまで
先の大戦で日本が負けるまで、朝鮮半島は日本の領土でした。当然その地に住む人々の国籍は「日本」です。
従って、就職や商売などで、(今の)日本の地に来る人もいました。
日本は戦争に負けて、朝鮮半島と台湾は、日本の領土ではなくなります。
同時にその地の住人で日本に来ている人の日本国籍も消滅します。
この時点で在日朝鮮人は「無国籍者」になります。
【昭和22年】
外国人のカテゴリーに、「朝鮮籍」という区分を作って登録。(外国人登録令)
【昭和27年】
サンフランシスコ講和条約発効時に、日本は旧植民地出身者の「国籍喪失」を宣言。
問題はここからです。
朝鮮半島に単一国家が生まれていれば、国籍をその国のものに切りかえればいいのですが、韓国と北朝鮮が同じ半島内にできてしまっています。
この時点では、日本はどちらの国も承認していないため、依然として新たな在留資格を持たせることが不可能でした。
従って、「別の法律」決定までの間、「資格無しに」日本在留ができる、としました。
通常は国家間の取りきめで日本に在留するかどうかを決めるのですが、その相手たる当該国が絞り込めないので、当面の措置としてのことです。
「別の法律」は未だにできていません。
【昭和40年】
日本は韓国を「朝鮮半島に於ける唯一の国家」として承認。
この時点で、少なくとも韓国を支持する人は国籍を持つことになります。
この時に日本と韓国が協定を結び、「在日韓国人には申請に基づいて永住権をあげましょう」という手続きが可能な環境が整います。
(「特別永住権」ではなく、通常の「永住権」)
逆に言うと、北朝鮮支持者や台湾支持者、つまり日本が承認していない国の国籍が持ちたい、と考える人たちには、在留資格があっても永住権が無い状態になるわけです。
【平成3年】
冒頭の法律が制定され、特別永住制度が始まりました。
直前に首相訪韓などがあり、この辺の整理をつけるように要請があったのではと推測されます。
本来、現在の国民国家の枠組では、人は何れかの国籍をもつ、という前提があります。
しかし、分裂国家があり、かつ、いずれは統一朝鮮、統一中国ができる(であろう)から、「そこ」に帰属するのが望ましい、それまでの経過措置なのだ、という前提で始まっているので、事態は複雑化しました。
さらに、「いつかは帰る」が、「生活基盤が日本にしかない」に変わるという環境の変化などで、その都度、法的な「その場しのぎ」を繰り返した結果、
現在の法律が在るわけです。
蛇足ですが、一般の外国人の「永住権」(「特別永住権」ではないことに留意されたし)取得の方法ですが、「永住許可申請」というのを法務相宛てに出します。
法務相は申請者について
(1)素行が善良
(2)独立の生計を営むに足る資産、技能を有する
という条件に合っていて、「この人物を国内に置くと日本国の利益に合致する」と判断した場合、永住を許可します。
現状では、日本に10年以上住んでいること、などの条件が必要なようです。
また、日本人の配偶者や子、特別永住者の配偶者や子にも永住が認められます。
認められると、ビザの更新が必要なくなり、在留中の活動に制限が無くなるというメリットがあります。