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靖国神社は、大日本帝国の軍国主義の支柱だった。
靖国信仰がかつての日本人を軍国主義者にしたかというレベルではなく、もっと深い部分で、当時の日本人の生と死そのものの意味を吸収する役割を持っていた点にあるのではないか。
「お国のために死ぬ事」や「天子様のために息子や夫を捧げる事」を聖なる行為と信じさせる事によって、生と死に対し最終的な意味づけを提供した。
生と死に意味を与えるものを「宗教」と呼ぶなら、靖国信仰は「宗教」である。
「国家神道」の概念をどの様に規定しようと「天子様」すなわち「お国」を神とする宗教であって、「国家を神とする宗教」であった。
だからこそ、その為に戦死した者が「神」とされたのである。
日露戦争に勝利し、「韓国併合」を行った日本に国家主義が台頭する。
1930年以降に登場する超国家主義(ウルトラナショナリズム)のはるか以前に、日本の国家主義が「国家教」という宗教だった一面もある。
日清・日露戦争で勝利し、「列強」の仲間入りをしたとはいえ、その過程でも膨大な戦死があった。
にもかかわらず、多くの日本人が戦争と国家に対し「懐疑煩悶」に陥る事が出来なかったのは、すでに「国家教」の信者だったからだ。
当時の靖国神社の存在理由はそこにある。
「国家のために生き、国家のために死するを以って理想となす。」