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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)5月10(火曜日)
通巻第1119号
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中国の経済危機の本質はGDPの150%という債務残高
もはやバブル崩壊は回避する路がなくなった
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北京がいまさら強がりを言っても間に合わなくなった。
中国への投資が減速傾向にあることは周知の事実だが、とくに台湾からの投資が「反国家分裂法」と許文龍氏の「奇美実業」グループへのいじめが祟って半減した。
連戦をにこにこ顔で迎え赤絨毯を敷いて、南京の孫文陵に数千の「市民」を動員して歓迎し、あまつさえパンダ二頭で誤魔化そうとしたって無理だって。
日本からの投資も確実に下落傾向になるだろう。
当然、「反日暴動」が影響しているが、そのうえに「チャイナ・リスク」があまねく知られるようになった。合弁解消、投資中断が陸続とつづいている事態は、日本経済新聞があまり伝えないので知られていないが、相当深刻である。
過日、京王プラザにおける江蘇省の日本企業誘致セミナーがガラガラだった異常事態を看ても、日本企業の中国進出ブームが去りつつあることがわかる。
江蘇省と言えば、上海から無錫、蘇州、常州、鎮江、陽州、南京へといたる大工業ベルト地帯、日本企業はすでに一万社以上がここに蝟集している。その江蘇省も日本企業に見切りをつけられた?
上海への海外企業からの投資は2001年が73億ドル、2004年は116億ドル、中国全体で2004年は606億ドルの投資に恵まれた。
上海の金融機関は内外銀行と支店を含めて2988店舗。外貨資産は日本円換算で34兆円。貯蓄は26兆円。貸し付け総額は19兆円余。要するに中国全体の六分の一は上海に集中しているのである。
さらに高層ビルの乱立は地盤沈下を産んでおり、いずれ摩天楼の多くは海に沈む(?)。
上海市内で16階建て以上の高層ビルは、ついに4000棟。NYを抜いて世界一となったのはよいにしても、バブル崩壊により無人ビル、幽霊マンションが目立ち、金融センターとなった陸家嘴地区は毎年60ミリから一センチの地盤沈下が進行中だ。
経済が本当に「高度成長」なら、上海の株式指数も上昇し続けるはずである。
上海の株価指数は絶頂期から40%の崩落(人民元建て)、上海B株は67%の墜落。くわえてここに米国の金利高が追い打ちをかける。人民元はドルにリンクしているため、米国の金利に中国の金利が連動するからである。金利が上がれば経済成長は減速する。
人民元の米ドルへのペッグは予期せぬ事態を産んだ。
原油高がじわり、中国経済に甚大なパンチとなって跳ね返ってきたことである。なぜなら変動相場制度ではない人民元をドルになおして石油を輸入する関係上、一バーレル50ドル台は悲鳴に近い工業レベルのインフレをもたらしたからだ。
日本は一ドル360円時代の一バーレル20ドルも、いまの一ドル100円台の一バーレル55ドルも、それほどの悪影響を受けていない。加えて日本のハイブリッドカーが象徴する省エネへの努力は、消費効率で中国の八分の一の低コストを実現している。
中国のエネルギーの無駄使いは、漏電、漏水のうえに燃費効率の悪さ、公害無対策などにより、日本との競争力がまるでないのである。
さらに石炭輸送中の盗難、ガス輸送管からの盗難、電力の盗用など中国人のモラルのなさからくる経済全体の損出は、惨状といっても良いだろう。
他人事ではない。中国経済の崩壊に備えよ。
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